暑さ寒さも彼岸までという昔からの言い伝え通り、信じられないような残暑もおさまり、待っていたかのように彼岸花が咲き始めた。2月からのコロナ騒動で週1の都内での仕事へ行かなくなってから7か月。田舎で暮らしている私は、特に不便を感じることもなくジャム作りをしながら、「年寄りの暮らし方はこんなものだろう」と妙に納得している。感染するのを心配しているわけでもないが、今年の夏の厳しすぎる暑さに加え、マスクをしなければ外出できないという事情があるので、よほどのことでもない限り出かけなくなってしまった。
しかし、今は携帯電話で相手の顔を観ながら通話できるだけでなく、メールやラインなど自分から意識的に遮断しない限り、人とのつながりは絶えない仕組みになっている。先日、40年来のお付き合いのある知人(病院経営者)からの電話で「世の中はすっかり変わってしまったよ」ときいて、驚いている。現役の仕事をしているわけではなく、生活をしている場所も田舎なのでピンとこないというか、もうコロナ感染に対して麻痺しているのか、感性そのものが鈍っているのか確かめようがない。
他人様からみる私は、物おじせず、人見知りもせず、明るくおしゃべりで社交的、裏返せば派手な性格だと思われているらしいが、自分では決してそんなことはないと思っている。洋服、靴、バッグ、コスメなど流行を追ったこともないし、ブランドバッグを欲しいとも思わなかった。バッグは軽くて持ちやすいのがいちばんだし、化粧水は従妹が来た時置いて帰ったハト麦、クリームはニベアである。贅沢な旅行も食事も夜遊びも、羨ましいと思ったこともない。他人はどう思っていたかは知らないが、結構地味というか、身の丈に合った暮らし方をしてきたような気がする。ただし、食べ物ついては美味しいものを食べてはきたが、それも仕事上のこと。唯一の贅沢は築地の鰹節専門店からの取り寄せた鰹節と昆布で出汁をとって、自炊をしていることである。ずいぶん安くできてるなぁと、自分でも感心している。
14年目になる田舎暮らしとコロナ騒動による都会での仕事を辞め、世の中とダイレクトにつながっていないからずれてきているのだろうか。井の中の蛙というが、相模湖のばあさんに世の中の変化はまだ伝わってきていない。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.09.19 13:56:09