変形性膝関節症はようやく快方に向かってきている。痛みはほぼなくなったが、歩きはじめると少し違和感があり、長く歩いているとやはり疲れのためか軽い痛みが生じる。いまは痛み止めの薬も湿布薬もサポーターも必要がなくなった。「痛くないようでしたら、筋力の衰えを防止するために少し動いたほうがいいですよ」とドクターに言われたので、毎日15分から20分の散歩やお使いに出かけている。
高血圧の方は数値にとらわれすぎて身動きできなくなり、減塩食のストレスのため料理をする楽しみも食べる楽しみもなくなってしまったので、ドクターと相談した結果、軽い降圧剤を1日1錠だけ服み始めた。血圧と膝関節の病で一気に高齢者の仲間入りを果たしてしまったような、正真正銘の婆さん枠に取り込まれてしまった気分である。
仕事以外では医療とはほとんど関わりなく暮らしてきたが、高齢者患者という立場になると、これが結構忙しい。通院だけではなく、1日2回(15分程度)膝のリハビリ体操をし、血圧は朝、昼、晩と計っては記録し、入浴前の体操もルーティンワークのひとつである。薬も忘れないように服まなければならない。年寄りも結構忙しいんだなぁと、妙なところで感心している。
できるだけ医療費を使わないようにしようというこれまでの考えを、すっかり忘れてしまった訳ではない。しばらく様子を見て、気力と体調を整えてできるだけ元の生活に戻りたいと思っている。死ぬことは怖くはないが、自分の力で生活をすることが困難になり、誰かの助けを借りないと暮らしが成り立たなくなる(要介護状態)事態を考えるとビビッてしまうのである。「自分の人生だから、自分の好きなように生きて、野垂れ死にしてやる~」と言っていた、怖いもの知らずの若かりし時代は遥か彼方である。