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相模湖の風

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2020.10.31
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カテゴリ:カテゴリ未分類
地域限定の放送局だと言われていたおばさん(88歳)が亡くなった。ご近所をあちこち歩きまわって人の話をきき、あらゆる情報を集めては噂話をする。自分で聞いた話を盛ったりするのは当たり前で、時として自分好みに脚色したりもするので、エンターテーメントとして聞くと面白い話もあるが、大方の人は眉唾と思っているか、話半分にして相手をしていた。いなくなってみると少し寂しい気がする。我が家から少し離れた商店のおばさんは私と同年代であるが、自分で「口から先に生まれてきた」と言う通り、おしゃべりが大好きで、地域の情報通である。
 女はおしゃべりであると言われているが、もう一人ちょっと離れたところに住んでいる年齢不詳(多分私よりも5歳以上年上)のおばさんがいる。ウォーキングコースの途中の家に住んでいて、家の前を通る人すべてに声をかけ、すぐに友達になったのよと言う。できるだけ関わりたくないので、家の前を通る時は黙って足音を消して静かに通るが、時として家の中から見張っていて捕まってしまう時がある。「一緒に歩こうかと思って待ってたの」と出てきて、歩いている間じゅうひとりでしゃべっている。自分の話をするのがことのほか大好きで、訊いてもいないのにこれまでしてきた仕事の話(保育士、介護福祉士)、趣味の話、旅行の話をする。挙句の果ては自分の友達の身の上話も訊かされる。特に今は社交ダンスに夢中で、自分がお気に入りのダンスの先生と踊っている写真を持ち歩き、バスの中でみんなに披露しているらしい。「あなたも観る?」と言われたので、「私はそういう趣味もないし、社交ダンスは嫌いです」ときっぱり断っても、平気でダンスの発表会の切符を買わせようとする。
 旅行から帰ってくると、翌朝に我が家を訪ねてきて自慢話をする。お土産は現地で買ってきたミニトマト(10個)を一緒に食べましょうと持ってくる。仕方なしにコーヒーと茶菓子を出し、「悪いけど今日はリンゴジャム作りで忙しいから」と言っても、「ごめんなさいね。すぐに帰るから」と言いながら1時間近くしゃべり続ける。ウンザリである。もう一人のおしゃべりおばさんの話では「自慢話ばかりするからみんなに嫌われて、いくところがなくなった」らしい。いきなりの訪問に戸惑う私は、気合に入っているおばさんの勢いに負けてきっぱりと断れないのである。ひとり暮らしで家族とも疎遠になり、誰かに自分の存在を認めてもらいたいという気持ちからかもしれないが、時々可哀想に思うところが、ついつい付け込まれるのであろう。承認欲求という言葉があるそうだが、誰かに自分のことを認めてもらいたいという気持ちはわからなくもない。でもその相手は私にしないで。





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Last updated  2020.10.31 13:29:28



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