コロナウイルスの猛威は衰えることを知らない。全国的に感染者数は増えていくばかりで、収束する気配すら見えない。GOTOトラベルを利用する旅行者もビビッているみたいだ。私は敢えてこの時期に旅行をしたり、よほどの用事がない限りは交通機関を利用しての外出もしないようにしている。特に困った状況に陥らない今の境遇が有難い。
ひと月ほど前に大阪にいる85歳の従妹と電話で話をし、「もう三年も会ってないから、今年のお正月は大阪へ来て一緒に過ごそう」と誘われた。今年は年末の餅つきもできないし、身内の墓終いをした従妹が自分の永代供養を頼んだお寺にも案内しておきたいということになり、すっかり年末は大阪へ行く気持ちになっていた。その後、だんだんとコロナウイルスの感染者数が増え続け、こんな状況で年末年始の人ごみに紛れて移動するのが怖くなってきていた。自分が感染するのはともかく、私が感染源になってしまうと取り返しがつかない。何しろ相手は85歳になる後期高齢者である。せっかく楽しみに待っていてくれているのに断るのもどうかなと悩んでいたら、従妹から電話が入った。「しばらく様子を見ていたけど、だんだんと悪くなってきているので怖くなってきたわ。お正月に来るのは中止にして、春になってからにしようか」とのこと。
正直ホッとした。会いたい気持ちは山々だが、何もこんな時に行かなくてもと思っていたので良かった。考えてみたらずいぶん窮屈な世の中になっている。今年の1月までは、いつでも、どこへでも、誰とでも自由に動き回ることができたのに、会食さえも4人以上は難しい状況となっている。去年までとは比べ物にならないような変わりようである。お正月の準備や初詣も考え直さなければならない。いったい誰がこんな状況を想像できただろうか。仕事だけでなく、暮らし方さえも先の見えない世の中である。機嫌よく生きることだけでも難しいが、いまは日々の暮らしを丁寧にと心がけている。
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Last updated
2020.11.18 11:03:33