みかん畑の草刈り作業の始まり
世の中は、6月22日公示、7月10日投票の参議院選挙に走り出していますが。
当方のみかん農家の立場としては、今は草刈りと元肥の施肥する時なんです。
これは、6月14日の小雨降る中での、当方の草刈り労働の結果です。
日本のこの時期の自然の力というのはすごいものです。
東京から移動して、午後3時30分から草刈り作業を開始して、
約1時間でしたが、草刈り機の一タンク分の草刈り作業をしたんですが、これがその結果です。
これでも粗雑な結果なのに、私にとってはさらにこの7倍くらいの草刈り作業が待っているんです。
こんなことは、都会の消費者にとってはまったくの視野の外で、
ただ、みかんや梅の注文だけが来るんです、小雨が降っている中だというのに。
相手の農家の状況に対する理解というのが、ほとんどないんですね。
小雨降る中で梅の木に登るなんてことは、滑って危なくて、木から落ちる危険もあるじゃないですか。
ところが、八百屋さんでお金を出せばいつでも自由に手に入るような感覚ですから。
本来ならありがたい注文の電話をうけたにしても、
「おめえ、この状態をなんと見てるんだ」と、ついつい喧嘩腰になっちゃうんです。
それは都会の事情を知らない消費者との、たまたまのやりとりの関係ですから、無理もないんです。
私など、後から「あの時は木に登っていた時だったんで、申し訳ない」と謝ったりもしてるんですが。
しかし、問題は、この日本国の政治家や官僚に対して、言わざるを得ないんですね。
その実情についての無理解ぶりが、まったくはなはだしいんです。
「米にしろ、野菜にしろ、果実にしろ、日本の農産物は非常に品質が高い。農産物の完全自由化が達成されれば、それらを高付加価値の高級品として輸出できるようになる。将来、有力な輸出産業に発展させることも夢物語ではないんだ。・・・日本農業の将来はますます明るくなる」。
これは、安倍元首相が発言していた内容でもあり、同時に政府の「改革」官僚の発言なんです。
農家の人たちは、こうした事実を直視すべきなんです。
日常的に日々草刈りなどの畑の手入れに忙しいことはわかるんですが、
しかしこれが、農家の多くが信頼と支持を寄せている人たちの、公式の場での発言なんです。
今の政権にある政治家と、官僚の面々が、いかに今の農家の実情を理解していないかを、まざまざと示している発言です。
長きにわたって、「あの人たちに任せておきさえすれば、われわれの状況や気持ちが分かってくれる。悪いようにはしない」とのアウンの関係が続いてきたんですが。
かつては、終戦直後から1960年代くらいまでは、そうしたこともあったかもしれませんが、今の現実、やられている政策内容を、綺麗な口先だはなく、現実内容を吟味すべきです。
「しかたないんだ」として信頼し、支持したりしていると、それは結果として自分で自分の首を絞めるような政策方向にもっていかれる危険があるし、すでにこの数十年来は、現実にそうした事態に進んできたこと。
日々の忙しさにかまけるのではなく、現実に対し目を見開いて、この農家の人たちは、この現実を直視すべきだと思います。