抱き癖
(写真 友人から贈られた本) まーやがこの世に産まれてから、たくさんの人に抱っこしてもらっている。私は基本的に『早く人慣れして欲しい』と思っているので、なるべく多くの人に抱っこをしてもらおうと家に遊びに来る人に抱っこをしてもらう事にしている。病院から退院をしてから家族、親戚全員とそして友人達の数を合わせると最低でも20人の人には抱っこをしてもらった勘定になる。親の私達が思わず微笑んでしまうのは、誰か知らない人に抱っこをしてもらう時に、まーやはまるで『一本の棒』の様に全身を硬直させてしまうことだ。多分に知らない人に抱かれることによって、赤ちゃんなりに緊張をしているらしく、顔つきもこわばり、全身をぴんっと言う空気が張り詰めんばかりに一本の棒のように伸ばしている。その姿を見る度に『赤ちゃんなりに緊張をしているんだ』と可哀想に思うと共に、人慣れをする為だと自分を納得させている。 最近よくイタリア人に言われることは「抱き癖をつけさせちゃだめ」だと言うことだ。まーやが自分を表現する時には現在泣くことしかできないのだが、最近『お腹がすいた』『おむつを替えて欲しい』と言う要求のほかに、『抱っこして欲しい』または『傍にいてほしい』と言う泣き方の要求が加わった。ミルクやおむつ以外の甘えの要求の時にすぐに赤ちゃんの要求をかなえてしまうと癖がついてしまうので、「泣いても放っておくこと」が必要なんだとイタリア人は言う。「私なんか病院から帰って来た夜は一晩中泣かせておいたわよ。」と言うダーリンの水泳チームの女性は、「泣いたらおしゃぶりをしゃぶらせておけばいいのよ。かかりきりになることはないわ。」と私に諭した。私はその言葉を静かに拝聴をしたが、決してその女性をえらいとは思えなかった。確かに何でもかんでも甘やかして抱き癖をつけさせたりする事はどうかと思うが、赤ちゃんにこの時期だけしか与えることが出来ない愛情があるのではないかと思う。だから仕事や家事を除く自分の時間が許す限り、なるべくまーやの傍に居てあげたいなあと思うのだ。 明日はクリスマスだ。今年も親戚宅で昼食会が開かれ、そこにはざっと40人ほどの親戚が集まる。まーやは明日、一体何人の人に抱っこされるのだろう?抱っこをされる事によってたくさんの愛情をもらえるに違いない。