テーマ:ミステリはお好き?(1450)
カテゴリ:海外ミステリ(ハ行作家)
洪水で家も家族も失った おれと兄貴のオールド・レッドは、いまでは西部の牧場を渡り歩く、雇われカウボーイの生活を送っている。 だが、ある時めぐりあった一篇の物語 『赤毛連盟』が兄貴を変えた。 その日から 兄貴は論理的推理を武器とする探偵を自認するようになったのだ。 そして今、おれたちが雇われた牧場は、どこか怪しげだった。 兄貴の探偵の血が騒ぐ。 やがて牛の暴走に踏みにじられた死体が見つかると、兄貴の目が キラリと光った… かの名探偵の魂を宿した快男児が、西部の荒野を舞台にくりひろげる名推理。 痛快ウェスタン・ミステリ。 (「BOOK」データベースより) カウボーイ探偵と聞いて、気楽で痛快な西部冒険ものを想像していたのですが、描かれているカウボーイの生活は なかなか過酷で、リアリティが感じられました。 カウボーイは 決してかっこ良いものではなかったのですね。 賃金も安く、汚い仕事が多くて、危険なこともたくさんあります。 洪水で 家も家族も失った兄弟は、雇われカウボーイとして、怪しげな牧場で働くことになります。 兄オールド・レッドはホームズに憧れ、論理的思考が武器の探偵をめざし、弟ビッグ・レッドがワトソン役ですが、兄は文盲なので、ホームズが載った雑誌を読んでやるのは彼の役目です。(ここではホームズは実在の探偵なのです!) 粗末な小屋で寝泊まりし、毎日荒々しい仕事を続けながらも、兄は頭を使って静かに考え、真実を明らかにしようと努力します。 ちょっと短気な弟が語り手で、独特の洒落やジョークがたっぷりの文章は、楽しいけれど、多少読みにくく感じるところもありました。 ホームズと荒野というのは、めったにない組み合わせですが、時に兄弟の絆にジーンとしてしまう、なかなか味わい深い作品でした。 2008年、「このミステリーがすごい!」海外編・第9位です。 すでに『荒野のホームズ、西へ行く』という続編が出ていますが、今度は兄弟が鉄道会社の探偵となって活躍するようです。列車強盗団の襲撃もあるとか。 ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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