いちご♪いちえ

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私は昔から、そう、子供時代から怖い話の本が好きだった。

小学校に上がって直ぐ、学校の図書室で見付けた『怖い話シリーズ』を

毎週一冊づつ借りて来ては、寝る前に母に読んで貰うのが　何よりも楽しみだった。

兎に角、まぁ、そんなおかしなガキだった。


そして、中学生になっても、高校生になっても、

今現在に至っても、私のオカルト好きは変わらない。





・・・あの本は確か、１５年程前に購入したものだったと思う。。。



○○涼子さんという方がお書きになった

『幽霊談』という漫画本をご存知だろうか？

オカルト好きの間でも、『かなりヤバイ』と、評判の漫画だ。



ある時、当時、毎月購読していた『ムー』というオカルト雑誌に、

その漫画は紹介されていた。


勿論、そんな素敵な情報を得て　私が買わない筈が無い。


速攻　本屋に向かい『幽霊談』を探し歩いた。


何軒かの店を回り、やっと見付けて購入する事ができたその本を

大切に家に持ち帰り、夜中　一人の部屋で鳥肌を立てながら読んだ。




おぉ、、


これは、、



アブナイ。



コレは本物だ。。。





そんな感想と、嫌な空気が部屋の中に充満していたのを覚えている。



内容的には　あまり定かではないのだけれど、


＊深夜、光る体で石垣の上を笑いながら走る子供の話。

＊狐に騙された様な時間の謎の話。

＊子役タレントの悲しい秘密の話。


そういった短編が色々詰まった不思議な漫画だった。



そして、この３編は、今でも断片的に思しただけで、

そして、これを書いているだけで、

寒気と頭痛、吐き気に襲われてしまう。。。





風邪じゃありませんよ！





その漫画は私にとって　怖いというより　とても『気持ちの悪いもの』だった。

だから、読み終わって直ぐ　本棚の一番奥に仕舞った。

内容はおろか、背表紙すら二度と見たくないという思いからだ。



その頃使っていた本棚とは、『カラーＢＯＸ』。

なので、漫画本サイズは２重に収納出来る。

念入りに、奥の奥に仕舞い込んだ。



それから数日後、

何かの本を出そうとして本棚を覗いた。



お気に入りの『シリーズモノ』は手前に、

背表紙や色柄の気に入らないもの、半端モノ、読まないモノは裏側に、

読み掛けのモノは横に山積み。

そんな風に、自分なりに綺麗に収納していた。


しかし、


そこを見て驚いた。




｢・・・何で・・・？｣




二度と見たくないと思い、奥に仕舞い込んだ筈の

『幽霊談』が、

読み掛けの山の一番上にあったんだ。。。




私は２階の自分の部屋から慌てて飛び出すと

１階にいた母親に

｢私の本見た？本棚触った？｣　と、聞いた。


母は、

｢そんな暇、無いよ。｣

確かそんな風に、怪訝そうだったが　あっけなく答えた。


｢そうだよね・・・。｣

確かにその通りなんだ。。。


私はまた部屋に戻ると、恐る恐るその本を　再び見えない所に仕舞い込む為

本棚の本をひっくり返した。




それなのに、、



その不思議な現象は　再度繰り返されたんだ。

・・・ありえないでしょ。。。



もう嫌だ！


本を捨てると言う事行為は、当時の私にとってＮＧ中のＮＧ。

しかし、限界を知った。



｢捨てよう。｣



そう考えるが早いか、要らない本、読まない本を纏め

ビニール紐で一山結わえた。

当然の事ながら、

『幽霊談』は真ん中辺りの目立たない所に入れ込んで

きつくその紐を結んだ。

そして母に、

｢コレ捨てておいて。必ず捨てておいて。気持ち悪いから、必ずお願い。。。｣と、

全てを託した。




そして数ヵ月後

また、本棚の整理をしていた時のこと。

背筋が凍った。



あの漫画が出て来たのだ。。。

あの漫画だけが。。。





｢いい加減にしろよ！！｣



思わずそう叫ぶと、

ついに私は逆切れをした。

そして、部屋にあったゴミ箱に、紙くずやゴミが入っているその中に

叩き付けるように放り込み、内袋を縛り

ゴミ捨て場に放り投げた。

｢バカ野郎！！｣とか　わめきながら。。。

｢今度帰って来やがったら八つ裂きにすっからな！！｣とか　叫びながら。。。







・・・その後ですか？



今の所、お帰りになられていませんけどね。


あ、そうそう。

５年程前に、、たまたま本屋で面白そうな本を見付けたんですよ。

数冊纏めて購入し、家に帰って　夜中にひとりで楽しく読んで居りました。



ん？？


あれ？？


これは・・・


なんで？



あれ程　嫌だと思っていた漫画なんですよ。

気持ちの悪い思いをいっぱいさせられたんですよ。

なのに、、




どうして無意識に、、



また買って来てしまったんでしょうかね。。。



ありえないでしょ。。。








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・・・思い出しながら書いていたら気持ち悪くなってきました。

頭もボヤーっとして、、遠くに金属音が響いて居ります。

座ったまま金縛りに遭いそうな状況ですね。


後ろを振り返るのが不安です。。。


でも、、今夜も楽しい夢がみられそうです。。。