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2020.05.10
カテゴリ：楽天日記開設記念
今日で楽天日記開設9周年を迎えました。
「幕末・琉球処分の頃、古波蔵家に嫁に来た私がヲナリよ。」 そう言って聞かせても、屋敷中誰も信じてくれません。 日本でもなく、沖縄でもなく 八重山でもない何かが、この島・パナリに秘められていた。 「ヲナリ」と命名されたということは兄がいること確か。 夫・當著よりかは大分年下のような気がしてならない。 実兄の友人だったのだろうか? 「私まだ結婚た゛なんて…‥‥。」 しかし結婚に迷ったようには思えない。 ヲナリに限らず、パナリ女性はみんなそんな気がしてならない。 パナリでは男にはできない女の仕事が、花嫁修業である。 結婚して長男・ Lastspurtに突入していた。 日本が統一される前から、福沢諭吉「人間にとって一番みじめなことは 教養のないことです。」という格言はあった。 明治期から一般市民も、教育を受けられるようになるのだが パナリにはまだ学校がなかった。 「学問・知識には衰えがあっても、我が子は教養のない人間にだけは 絶対にさせない。」と第一子・當升を抱き抱えていた頃から 心に誓った。 それだけに「どんなヤンキーママに見えても『まだ若いくせに』 だなんて、絶対に言わせないから。」 そんなふうにも、思ったはず。 「一家は習慣の学校なり。父母は習慣の教師なり。」 これだあ  當升が生まれた24年後、 何人目の子供だったんだろう。 赤ん坊の頃からひとりひとりと、にらめっこしながら 人生を共にしてきたというのに その表情全部は思い出しきれない。 まあ、それが当たり前か  子だくさんだと、下の子と孫がほぼ同年齢。 その孫が子供を強制結婚させたせいで、自分にとって曾孫が離婚し そのまた子供である、乃ち自分にとって玄孫が苦労をする。 曾孫にとって曾御祖母は4人もいても、古波蔵家は自分ひとり。 また玄孫にとって高祖母は8人もいても、 その玄孫たちとは彼の兄弟を始めとする従弟たち。 「例え8人もいる高祖母の中でも、 あるような気がしてならなかった。」 パナリの本当の良さを最愛なる子孫たちに、 できなかった。 だからみんな島から出て行ってしまったのだろうか? いろいろ不自由はさせても、それらは決して島人を 不幸にはさせなかったはずなのに…‥。 パナリは本当に昔から何もない島だ。 あるのは愛だけ。 それだけで島人は充分に倖せであった。 子孫が繁栄し、曾孫にも玄孫にも 末広がりを見せていく中、果たして大勢の心を ひとつにすることが、できたのであろうか? 古波蔵家代々の伝統を受け継ぐまでは 死ねんけゑねェ 死ねんけゑねェ
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