衝撃・安倍首相退陣(下)
退陣表明した安倍晋三首相が入院。総辞職したわけではないので,一応はまだ首相在任中の安倍首相ですが,入院したことですでに政権の表舞台から去ったような感じです。「安倍前首相」と呼ばれるようになるのも間もなくですね。 安倍首相が退陣表明した日,与謝野馨官房長官は,安倍首相の辞任の一因として健康問題を挙げていましたが,実際に翌日には入院してしまいましたね。 疑問なのは,なぜ安倍首相は自らの口で健康問題について語らなかったのか,ということです。 安倍首相本人は退陣の理由として「局面の転換」を強調していましたが,それではこのタイミングでの辞任に納得できないのではないでしょうか。「首相の職を続けるには体調が限界に至った,だから職を辞することを決意した」と説明した方が,まだ理解できると思います。 さらに,記者会見の中で安倍首相からは謝罪の言葉が一言もありませんでした。国民の高い支持を背景に就任した首相が,国民に謝罪もしないまま退陣する…。こちらも納得できません。 ただ,そんな安倍首相を支持した,国民にも責任があると思っています。 首相就任前から世論調査で常にトップの支持を得ていた安倍首相。しかし就任後は強力なリーダーシップを発揮できないまま政権を放棄。「人気だから」「若いから」という短絡的な理由で何となく安倍首相に期待していた国民の責任というものも免れないのではないでしょうか。そういう国民に,辞任を批判する資格というものが,果たしてあるのでしょうか。私自身は「ポスト小泉」が騒がれ始めた2005年頃から一貫して安倍首相誕生には悲観的でしたが…。