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カテゴリ:手紙
この曲をなぜ「手紙」の挿入歌に選んだのか。とても疑問でした。
小田さんの名曲であることは間違いないけれど、もう何度もドラマやCMに使われたいわば手垢のついた曲です(言葉は悪いですが…)。 だから私は映画を初めて試写でみたとき、「もうこの歌を止めてくれ!」と思いました。せっかくの兄貴と弟の対話が曲によって邪魔されていると感じたんです。 この曲が使われるだけで、「あざとい」、「お涙頂戴」だと批判する人もいます。実際私の友人もこの曲が使われているというだけで、映画のできからマイナス10点したんです。 けれど、なんとなくメインフレーズ「あなたに会えて本当によかった」だけは知っているこの曲の本当の歌詞をいったいどのくらいの人が知っているのか…。 私は知りませんでした。知らないでイメージで、拒絶してました。 言葉にできない 切ない嘘をついては 言い訳を 飲み込んで 果たせぬあの頃の夢は もう消えた 誰のせいでもない 自分が 小さすぎるから それが 悔しくて 言葉にできない ら、ら、ら、ららら 言葉にできない 今は あなたに会えて 本当に良かった 嬉しくて 嬉しくて 言葉にできない 実際はこの曲の歌詞は直貴のために作られたんではないかと思うくらいぴったりの曲でした。 そしてこの曲の使用に関しては、生野監督の並々ならぬ決意がありました。 SALUS11月号インタビュー(p. 35)より ―作品の中で小田和正さんの音楽を使われていますが、監督ご自身の選曲ですか。 そうです。私はいつもそうなのですが、どの脚本を読んでも、自然と必ずテーマ曲が浮かんできます。そしてそこから、どんどんイメージが膨らんでくる。今回も「作品的には絶対にこの曲だ」と決めていました。編集段階に入り映像に音入れをするときも、その曲だけは絶対に採用したいと関係者には話しました。 主題歌でいいはずのこの曲が挿入歌であったり、制作側にはいろんな思惑が交錯していたのかもしれません(笑)。 しかし生野監督はこの曲にかけた。 歌詞をきちんと理解して聴けば、その思いも同時に受け取れる気がします。 手紙公開まで、あと4日 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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