古書即売会の収穫。
昭和17(1942)刊『婦人の生活』第2冊 とあります。
1000円でゲット。
戦前の生活史がみられるかとパラ見して・・・
え? とびっくり。
写真。レイアウト。活字。編集。見出し。カット。これは・・・
なにもかも、
他社の追随許さない独創的な生活誌として戦後を席巻した
『暮しの手帖』にそっくり・・・
否、まんま『暮しの手帖』だ ! ! !
目次を凝視。
執筆者もそうそうたるメンバー。
装幀は、佐野繁次郎画伯。
画業のかたわら
戦前戦後とも個性的なブックデザインで活躍なさっていますね。
写真は・・・創刊当時から『暮しの手帖』で記事の写真撮り続けた
フォトグラファー松本政利氏。
やっぱり。
・・・なのに、なのに。
とうぜんあるはずのお名前が、唯一載っていない。なぜ ? ?
錯乱しかけましたが(爆)、そこはネットの時代。
ありがたくも(笑)、検索かけてわかりました。
こことこちら。 ウェブ掲載してくださったかたに、ただ深謝。
なぜか
『安並半太郎』
が
稀代の編集者、
のち『暮しの手帖』名物編集長・花森安治氏のペンネーム
だそうです。
経済的・活動的にしてつくりかたが簡単でみためもよい
として、戦後『直線裁ち』を提唱した花森氏は
キモノ👘にも造詣深かったのですね。
あらためて、その多彩な内容におどろき。
太平洋戦争開戦直前に発刊、そして初期とはいえ戦中に重版。
(全10冊刊行予定だったらしいのですが、残念ながら頓挫したそうです。)
タイトル『外国雑誌を見誤るな』
当時、海外のファッション誌を閲覧できた家庭はどれほどあったのでしょうか。
右写真はいわゆる「二号さん」の装いなのだそうです(^^;)・・・
財閥や新興成金?? いずれにせよ桁違いな世界。
右の写真は当時
美容界のトップリーダーのおひとりだった吉行あぐりさん考案の
「うちで結える髪」。洋装・和装どちらにも向くようです。
鏝やカーラーでかたちづくるのはたいへんな手間ひまでも
もののない時代だけに、おしゃれの渇望は深く・・・
マンガの「サザエさん」はじめ、
多くの女性が自分でヘアスタイルをきめたのでしょうね。
左は「胴はぎ」の婦人服。
戦後デザイナーとして華々しく活躍した伊東茂平氏考案。
中原淳一先生なども
同様な企画を手がけたころでしょうか。
和装が洋装に転換するのは時代の必定
だとしても、
やがて「ぜいたくは敵だ」とエスカレートして
スカートはもんぺに。
古い着物地を利用して洋服にリメイクする、
マス・ケートさんの提案。
戦後の衣料不足でいっそうニーズは高まり、
のちの『暮しの手帖』にもひんぱんに登場する企画。
時代はかわり、21世紀現代では
昔ながらの日本の生地、紬や銘仙を洋服にしたてなおすのは
贅沢な趣向に変貌。
ともあれ、『暮しの手帖』の萌芽は戦前からあったのですね。
すでに前世紀の戦前を知るかたが少なくなっているなか、
花森氏のお仕事の一端ふくめ
あらたな側面をみせてもらうことができました。
花森氏
および
氏が生涯かけて志向・追及した
うつくしい暮し
に敬礼。
人気ブログランキングへ
本・書籍 ブログランキングへ
にほんブログ村
にほんブログ村