アスベスト相談を受けて
アスベストの相談は7月8日から始まり先週までおよそ50件近く受けました。県内には線もんびょうんいはありません。ほぼひとりで対応していますが、大半は検診はどこでやってくれるのかというのが2割を占めています。中には、市内総合病院の医師からこれこれの検査はしたがほかに何の検査が必要かという問い合わせもありました。こちらでは病院を直接、紹介せず東北労災病院のアスベスト疾患ブロックセンターに電話し相談するようにアドバイスしていますが、他の保健所で市内の総合病院を紹介したみたいで病院があわてていました。昨日の番組でも患者の声がありましたが、はっきりいって専門医以外は診察すべきでありません。それが広島のような手遅れにいたってしまいます。 アスベストの検査は一般の検診のように簡単に捕らえています。しかし、あんな検査で悪性中皮腫はわかりません。検診は間接撮影といって医院や病院で行う直接撮影より写真がキャビネ版(サービス版×2くらい)ほどの大きさしかありません。直接撮影はほぼ実物と同じ大きさの写真です。しかし、それでも手遅れにならない初期はわかりません。症状が出てからだとほぼ死にます。 本当の検診はやはりCTとPETが必要です。かなり効果がありますが、高価です。この検査は自由診療なのでふたつでおおむね10万円です。しかし、進行がたいへん早いですので、少なくても毎年行う必要があります。 番組で取り上げられていた内視鏡ですが、肺胞、すなわち普通は気管支あたりで検査するのですが、中皮細胞と肺の境にある肺胞まて行うとなればかなりの熟練が必要です。やはり労災病院でなければ困難です。気管支や他の肺胞を傷付ける医療事故も多いからです。胃の内視鏡より肺の内視鏡がたいへん苦しく医師も難しい技術です。番組で紹介された悪性中皮腫の治療薬は商品名でアリムタです。一般名がペメトレクスドと呼びます。イーライリリー・アンド・カンパニーが開発しました。この会社はインシュリンが有名です。以下にこの抗がん剤について記しました。なぜ効果が出るのかということですが、ガン細胞が増殖するために葉酸というものが必要です。ガン細胞は葉酸を取り込むのですが、このアリムタは葉酸に化学構造上たいへん似ています。がん細胞は間違ってアリムタを取り入れてしまいます。そしてがん細胞のDNAに使おうとすればこれが偽者なのでがん細胞は増殖するためのDNAを作れずお陀仏になります。正常細胞もこの葉酸モドキにだまされます。そこで副作用が出ますので葉酸も少し加えたりしています。ただ、正常細胞とがん細胞とではがん細胞のほうが増殖力が大きくその分、葉酸要求も大きいです。そのためがん細胞が死ぬ確率が高くなります。ペメトレクスド アリムタ(ペメトレクスド)アリムタ(Alimta)はイーライリリー・アンド・カンパニーが開発した悪性胸膜中皮腫の治療薬の商品名である。薬理成分はペメトレキセドである。2003年5月に発表され、2004年2月FDAにより悪性胸膜中皮腫への治療薬として承認された(2005年3月現在、日本においては未承認)。化学名:L-Glutamic acid, N-[4-[2-(2-amino-4,7-dihydro-4-oxo-1H-pyrrolo[2,3-d]pyrimidin-5-yl)ethyl]benzoyl]-, disodium salt 一般名:ペメトレキセド2ナトリウム略号:MTA化学式:C20H15N5Na2O6・7H2O分子量:597.49CAS登録番号:150399-23-8融点:データ無し沸点:データ無し水素イオン指数|pH:データ無し性状:白色~微黄色または黄緑色の凍結乾燥された結晶性の粉末。作用機序 ペメトレキセドは、葉酸に化学上類似している葉酸代謝拮... ペメトレキセドは、葉酸に化学上類似している葉酸代謝拮抗剤である。プリンおよびピリミジンの合成に使用される3つの酵素、すなわちチミジル酸生成酵素・ジヒドロフォレート還元酵素(DHFR)・グリシンアミドリボヌクレオチド・ホルミル基転移酵素(GARFT)を阻害することにより作用する。プリンおよびピリミジン・ヌクレオチド前駆体の構成を阻害することによって、正常な細胞および癌細胞の両方の成長および存続のために必要になるDNAとRNAの構成を防ぐ。非小細胞肺がんにアリムタAlimta® 2004年8月19日FDAはアリムタ(pemetrexed注射用、イーライリリー社で製造)を以前に化学療法を受けた後に局所進行または転移を起こした非小細胞肺がん患者への単剤療法として迅速承認した。安全性と有効性は1つの多施設共同無作為化試験で、571人の患者において、アリムタ単剤対ドセタキセルの比較により証明された。500 mg/m2のアリムタが21日に一度の割で10分間静注された。アリムタを投与された患者は皮膚の発疹予防にデキサメタゾンとビタミンB12、葉酸を補給された。有効性の主要評価項目は生存率にあった。アリムタはドセタキセルに対して優越した生存率を示すことができなかった。全生存率についての非劣性も示せなかった。なぜならドセタキセルの生存効果を評価した一つの小規模な以前に実施された試験(患者数全部で104人)しかなかったからである。この生存効果の評価には、通常複数の以前に実施された試験のメタアナリシスが必要となる。加えて、現在の無作為化比較試験での生存率の比較は、アリムタを受けた患者の32%が腫瘍進行後ドセタキセルに切り替えられたことで、はっきりしなくなっている。生存期間の中央値はアリムタで治療された患者では8.3ヶ月で、ドセタキセルで治療された患者では7.9ヶ月であった。有効性の副次的評価項目は奏効率(アリムタが9.1%、ドセタキセル8.8%)、無進行生存期間(アリムタとドセタキセルの中央値が2.9ヶ月)、進行までの期間(アリムタの中央値が3.4ヶ月、ドセタキセルは中央値が3.5ヶ月)であった。安全性においてアリムタはドセタキセルより好ましいプロフィールを持っている。アリムタが原因の好中球減少、発熱性好中球減少、好中球減少による感染、および顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子による治療の必要性は少なかった。アリムタは重篤な脱毛をあまり起こさなかった。肝臓のトランスアミナーゼの増加はアリムタの方がドセタキセルよりも頻繁に起こった。迅速承認は、このようなより改善された安全性のプロフィールと代理の評価項目での効果に基づいている。迅速承認の条件としてイーライリリー社は、生存率の増加または疾患に関連した症状の改善といった、臨床上の有用性を示す追加的な試験を行なうことを要求されている。