毎週末には雨にたたられる日々が続いている。金曜日から降り続いて雨は午前中にはどしゃ降りでやはり被害をもたらした。渡島半島は真ん中を背骨のようにして川の蛇行も弱く、海岸線が切り立った地域では、土砂や地盤が一気に流れ出してしまう特徴をもつ。
今回は八雲の東野付近での路肩土砂の崩壊であり、道路そのものが危険な状態にある。国道5号線というシングルナンバーの基幹道であっても、七飯、森、八雲の間では極めて細い区間や、がけが迫る地域が多く、野田追あたりまでは長雨になると大丈夫かなと思ってしまう。
もちろん30年、40年前に比べればそろばん道路でもなく、かなりよくなったけれど、切り立つ崖の間や海岸ぎりぎりまで迫る細い切り通しを5号線は走っていくしかない。
これがどう維持しても限界であり、もっと内陸側の平坦地に道路をつくり、迂回路として機能させる必要が長い間叫ばれている。現在函館まで進んでいる高速道路のの主要な代替機能であり、政令指定都市サッポロと中核都市函館の人口規模を結ぶ物流ルートの高速化だけでなく、駒ヶ岳の災害時への対応を含め、ライフラインを途絶させないために不可欠なインフラなのである。今回のように欠損するネットワークがもたらす不利益はだまって利用者が耐えるだけである。
鹿部や今金の整備まで凍結という従来ではちと考えにくい無責任な話があった。久しぶりにミクロ経済学の中級以上で出くわす消費者余剰概念にであった。これ機械的にマニュアルで適用する程、確固たる概念ではない。そう捉えるという主流理論体系ではあるが、「本気であてはめるのかい」という、懸念が残っている。でもただ政局の都合でどれかいじれば高評価を大臣が得るで済む話ではなかったとも思う。それぞれの地域で暮らしている人に聞けば、地勢図の現状をみれば災害迂回路と高速道路からの支線と必要性の理由は行政の担当者であればすぐ分かるはずであり、実際そうなった。ゴールデンウィークには利用料金を下げたら好評だったからお盆や正月までという民営化する事業主体に赤字をかぶせ先送りする施策を、政治主導であるかのように語る愚かしさまでみせられてしまった。
災害の混乱時には、行政への非難が高まり、平時においては利用予測で無駄使いであるかのように語られるけれど、どのような気象条件であっても機能する基幹インフラだけは不可欠なのである。それこそが公共財の役割である。(画像は函館開建の迂回路、大型車両の確実な迂回が行われなければ片側通行区間が発生しより渋滞は増える。けれどこの迂回による時間ロスはあまりに厳しいと考えるだろうな)