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テーマ:政治について(19914)
カテゴリ:世界と政治
中国の国家意識
もともと中国というものは、あったのかなかったのかよくわかりません。 清の前の明王朝は、農民反乱で倒れました。 清は満州族の王朝で、辛亥革命でそれを倒した者も、清は自分たちの国ではなかったと当初言っていたぐらい。 ただ国際法で政府の財産が満州族に属するのが都合が悪いので、それをやめただけ。 現在の中央アジアの自治区は、清がフランスと戦って正式に支配下に入れた土地で、その結果漢民族が移住して行きました。 満州も満州族の土地ということで、移住を禁じられていて、多くが日露戦争後に日本のつくるインフラ便りに移住していった土地。 チベットは清に保護されていた程度のはず。 とくに、文盲は多く、方言はきつくて互いに通じない。漢文とは、日常に使われたことのない、統治のためにできた 「書き言葉専用言語 ≒ 官僚の道具」 だったらしいです。 「国」というよりも「中華世界」という意識だったようで、日本が「天下」と言っていたのと似てますね。 すると国の意識とは、外の野蛮人どもに馬鹿にされている、ということから生じたのかな。 それは別に変ではないし、国の意識が少ないともいえない。 ただ、「くに」の形がね・・・ そして各種の内戦―― 国民党の汚職や兵士のふるまいの悪さに、反発して規律のいい共産軍が支持を受けて、国民党を破ったということで、これが国民としてのまとまった意思表示でしょう。 政権と国の意識とがつながったのは、これが初めてでしょう。 (もっとも、それ以後も共産党軍は“国軍”とはならず、共産党の軍のままだったけど。) 国をまとめあげたのが共産党の戦争で、それ以外の形をまだ知らないともいえますね。 それ以後、国は発展によって国民に国の形を与える必要が出てきます。 発展の歪み、どうしても何かの犠牲や変化や落ちこぼれは出るもので、個としての社会的成功とは別に、国としての一員としてのプライドを与える必要は出てくるらしいですね。他の国など、外から眺めると。 まして、一人っ子政策なんてものを受け入れるには、国の体制を正当化する強力なものがないとできないでしょう。それなしに受け入れられるというなら、プライドのごまかしがきかなさそうだと思います。 ------------------- 中国政権の正当性 現共産党の正当性はどこにあるでしょう。 1 国民の代表だ! 独裁だから、国民による正当性はない。 (ただ、独裁だから有為な人材が共産党に集まるという面はある) 2 国民党に対して、人々の支持を得て勝ったという歴史は有効か? 「今の汚職は国民党時代と同じだ」と、華国鋒“元主席”は批判し共産党を去った。(たしか党だよな) 内戦を終わらせた?――権力闘争は、文化大革命の犠牲を出した。 共産党は理想がある――その理想がいかに迷惑な代物かは、大躍進運動の二千万の餓死者が証明している。 3 中国は発展している。 やり方は、共産主義を捨て、かつての国民党と同じに外国の援助と技術に頼っている。 ・・・・・・ということで、残るのが、 4 共産党は、日本と戦った。 張学良と組んで、国民党の蒋介石総統を閉じ込めて、日本軍と戦うことを約束させた。 (それがなければ、共産党は消滅直前だった。蒋介石は国をまとめて治安を回復してから、外国と対抗するつもりだった) 国民党は日本軍に負けつづけたが自分たちは勝った。 (大勢としては、共産党は国土を守るような戦いをせずに挑発だけをし、各地で起きる挑発のせいで日本は国民党と和解できず、日本軍は国民党に奥地に引き込まれて行き、広がって統治しきれない土地で共産党が勢力を広げるという、・・・災難を広げて、支持者を増やすやり方をしていたらしい。) 日本に勝たないと、中国は支配されていただろう。 (日本は、ソ連を防ぐために支配した満州を維持するために、その国力を高める必要があった。ために満州の経済は中国と競う部分がある。仕事でいる邦人たちがテロによって殺されていくので日本軍がいろいろと前に出たがる。 経済摩擦もあるわけだが、かなり流言蜚語のせいで日本が敵視させられていたらしい。 これはソ連込みの――つまり、共産関係のせいが大きいらしい。) (この辺は、日本にも反省するべき重大な点がある。 ロシアに対抗しようとして清国の力を弱め、満州を発展させようとして中華民国の経済を弱めて国民党の統治を弱体化させる(後者は資料不足の想像)。 一面、日本が種をまいてもいることに気づこうとしないで、相手のテロを見て軽蔑する。 (それが主原因だとは言わない。ただ日本嫌いの理由にはなる) もちろん、別の意味で援助していたりするはずなので、それはひがみによる見え方なのだろうとは思うし、 それを軽視しすぎてはいなかったかというのは、現代を基準にした反省だろう。 にしても、誰もそれを語らないのは、やっぱり傲慢があるんだろう。 ) ・・・・・ということで、冷静な歴史研究や発表なんかさせられない。 「日本が凶悪だ」と絶対にヒステリックに押さえ込まないと、戦争を引き起こし国民党を追い払った共産党の歴史上の存在理由がマイナスとなる。 ------------------- 論理ということ かなり抽象的なりくつで本当かと思われるでしょう。 そんなことよりも、もっと個人的な・経済的な理由があるはずだと。 しかし、具体的な考えというのは、考えやすい道筋に沿って当てはめられて、ストーリーを形成するに過ぎないとも言える。 道筋がそこにしかないならば、そこに名目理由はいくらでもくっつく。 いいかげんな名目に、いいかげんな名目だからこそ感情がくっつけやすい。 共産党の幾多の失敗を放り出して、直接の恨みをもたない世代が教育で反日にされているのが、そのいい例。 ----------------------------- 具体的な事情 1 独裁の継続 天安門事件は、民主主義欲求の形であり、文化大革命を連想させる。 中国としては、広大な領地による広大な人口が、王朝を壊した例がいっぱいある。 民主主義は、中国社会にとって、こわいもの。 中華=世界の中心、で起きる運動は、閉鎖社会で起きるものと同じりくつ。「外」を意識しないから、歯止めがない。 中国国内が一体感を強めつづける限り、かえって民主主義は危険な要素を新しく見せつづけるだろう。 2 世界への欲求不満の代償。 天安門事件のあと、日本だけが中国への制裁をしなかったが、その時期に中国教科書の日本敵視は始まって(強化されて?)いる。 日本を悪者にしておけば、なんでもすべての身代わりにできると学んだらしい。 3 江沢民の権力欲 天安門事件の波及を弾圧した以外に功績のない男としては、この時期に手に入れた日本カードを権力保持の道具として、死ぬまで手放さない。 この男の派閥が、そのカードを使いつづける危険さえある。 サッカーの興奮による投石や、中国版2ちゃんねるは、文化大革命に似たものとして危険視される一方、それを使う者に反抗しにくい雰囲気をつくるだろう。 ---------------------- 可能性 独裁が壊れると、中国の民主主義なんてものがどんなものをもたらすのかわからない。 中国人という意識の傲慢さ (個人としての中国人ではなく) の枠で留まっている方がましかもしれない。? 実験するには、世界にとって巨大過ぎる。 一人っ子政策が壊れたら、資源への影響も大きい。 中国の人口膨張は、今以上に始末に終えないトラブルメーカーになるかも。 そういうわけで、中国が分割するのを望むのは、すべての人々のためなんだが。 中華としては、そのほうがふさわしいはずだ。 軍隊よってまとまりを維持されている拡大欲求の国なんて矛盾している。 ---------------------- 道・・ さて分割しないとしたら、どうなってくれたらいいのか。 要点は、人の集団的な、「自己存在理由」。 誇りの持ち方にある。 被害者意識を自慢して、他人の言うことを聞かず、国のまとまりを感じてうれしがる意識が、劣位のものだと思わせること。 個人としての、まともなあり方。 社会システムとしての、人の価値を与えるあり方。 それを世界中が、まだ模索状態だろう。 それを探す姿勢が、本当の戦略。 文明・文化総体。 それを探さなければいけないのは国内事情も同じ。 いわば同時代の中での国別の違い。 ほんとうの先へ進む者がなければ、後ろ向きにこだわる者に引きずられる。 関連目次 ( どのテーマに投稿するのがふさわしいのかよくわからん。 とりあえず、夜まで戦争テーマにおいといて・・・ 24時間以内に決定することにしよう ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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