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テーマ:好きなクラシック(2294)
カテゴリ:オーケストラ
これは、所属しているオーケストラのメンバーの発案によって実現した企画。所属オケではもちろんさまざまな年齢層の人がいて、いろいろな考え方の人がいるのだが、今回は若者(オケの中だと私はどちらかといえばそっちに入ることになる感じ)を集めての企画。しかも、弦楽合奏である。 今回の私のいただいた役は「指揮」である。これまでにもいろいろな場所でそういう機会を与えていただいてきたのだが、ピンチヒッターではなく最初の段階からやることになったのは、考えてみればけっこう久しぶりだ。指揮というのは交通整理をするだけではなく、それを一つの形にまとめ上げていく作業、しかもいろいろな考え方を持っている人が集まることからとても大変なもの(下手をすると人間関係が影響してめちゃくちゃになることもあるらしい)なのだが、それでもやりがいはとてもある。いろいろと考えて、それを試して、演奏がとてもいいものになっていく過程にかかわっていけるのは、本当に楽しい。ただし、これは仕事でやっているわけではないから言えることであるというのは確かだ。 お題はブリテンの「シンプル・シンフォニー」、与えられた時間は3時間弱、今回は初見大会なのでその範囲内でどこまで曲になれてもらって、さらに少しでも多くのことに気づきながら弾いてもらうのかに照準を合わせた。事前にいただいていたスコアを読み込み(といってもまだ読みは浅いのだが)、どういう風に持っていこうか、考えを巡らせて合奏に臨むことに。 実際に音にしてみると、やはりいろいろなことが起こるのだが、やりながら発見したこともいっぱいあって面白かった。指揮棒で自由に引っ張っていくほどのウデはもちろん私にはないと思うが、迷惑をかけない程度には何とかできたかなという感じ。最初は全曲まず通してみて、それからそれぞれの曲をエピソードごとに分けて練習。大事な音や、楽譜から読み取れる山や谷の作り方、音質の持って行き方(輪郭の明確さの選択)などを伝えつつ進めていったのだが、それで音が変わっていったのが素晴らしかった。 そして、最後に全曲を通して終了。なのだが、通すとなると力が入るのと、まだ曲に慣れていないせいもあるのか、いろいろな事故があちこちで起こっていた。といっても、それに気づいていたということで、これは何度か練習すればクリアできると思う。 今回はとても楽しかった。指揮をやらせてもらえる機会というのはそうないから楽しんだということもそうなのだが、むしろ演奏するメンバーとの共同作業で演奏をつくっていく、そのキャッチボールが楽しかった。でも、指揮は本当に難しい。 指揮棒で自由にオケを操るなどというイメージからはほど遠いものだ。何しろ相手のある作業で「CDを聴きながら書斎で」というのとはまったく違う世界である。まず何よりも曲をしっかり勉強していかなければ奏者とのキャッチボールは成立しない。しかし勉強したことがすべて成果として実現するかといえばそれも違う。ギャップだらけになるわけだ。でも、それを埋めていく作業をやりながら、少しずつでもいいものができはじめてくると、これはまた日常生活では得られないやりがいや喜びが出てくる(まあ、これも気心の知れた仲間とやっているからで、違う場所だと通用しないだろうなと思う)。 演奏したメンバーも楽しかったと話していたので、また次の機会があればいいなと思う。それまでにもっと曲を深く勉強しておかなければ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jun 14, 2009 09:20:38 AM
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