(写真)は今期3回目のシカジャーキー作りのひとこま。スライスしたスネ肉をバットに入れ、ソミュールに漬け込んでいるところです。ここで大事なのは、スネ肉をできる限り薄くスライスすること。温薫では肉そのもに熱をかけるわけではなく、温かい煙を当てるだけなので、保存性を考えると薄めに切るのがいいでしょう。もちろん、しっとり感のある半生タイプに仕上げようと思うなら、モモ肉を使ってやや厚めするという手もありです。
で、(写真)で白く見えているのは筋(すじ)です。煮込み料理などでは全くといっていいほど気にならない筋も、ジャーキーでは厄介です。表に出ているものは極力取り除きますが、筋は肉の繊維の中にも入り込んでいて、無理に取ろうとすると肉が裂けてしまいます。ですから、その後の乾燥の過程などでも、取れるところは取るようにしています。
さて、この状態で一昼夜冷蔵庫に入れて肉に味付けをします。ジャーキーの場合は塩抜きはしないので、ここで味が濃すぎると変更するのは大変です。1つ取り出してペーパータオルで水分を拭き取り、電子レンジで加熱して食べてみると、完成後の大体の味を想像することができます。味が濃すぎたら、ソミュールを水で薄めるという手もありますが、味にはむらが出るようです。