【戦評】 2010年7月18日(日) 〇楽天イーグルス3-2日本ハム 粘投永井5勝目の裏には新女房役・井野の存在が──
先発の永井が粘投をみせると、打線は序盤で山崎武、リンデンの本塁打二発、鉄平の適時打となる技あり二塁打で3点を得点。終盤、救援陣が1失点し1点差とされるも、抑えの小山が安定したピッチングで最後のイニングをぴしゃりとしめ、日本ハムとの14回戦を勝利で飾りました。このカード、エース岩隈で落とすもダルビッシュに勝ち2勝1敗。今季、ファイターズ戦は8勝6敗となっています。7月月間成績は8勝6敗に、通算成績は86試合40勝45敗2分の借金5となっています。また、5位Bsが敗れたため、Bsとのゲーム差が0.5までに肉薄! 山崎武司さんのヒーローインタビューのコメントどおり、「この勢いを大阪に持っていって3タテしてきますので、是非期待し」たいところですね。▼リンデンの5号ソロ本塁打。2回山崎武の一発の直後に飛び出すアベックホームランとなった。カウント1-2からの4球目、ストライクゾーン内角に落ち切らないフォークが甘く入ったのをスイング!「球種を問わず、真ん中近辺のボールを狙っていました。ちょうどフォークが真ん中に来ていたので、自分のスイングで打てました」とのコメント。このヒトが昨季同様のOPS8割越えの活躍をしてくれたら・・・と願うばかり。復調を期待したいところ。〇楽天イーグルス3ー2北海道日本ハムファイタイーズブラウン監督、この日の先発マスクに嶋ではなく井野を起用してきました。試合後の会見で「井野を起用した一番の理由は、嶋を休ませるため」と語っていますが、理由はそれだけではないと思います。永井は6/9中日戦に勝利投手になって以来、4試合連続で黒星続き。数値だけで判断するならそのうち3試合はクオリティスタートのため、決して悪くはないのですが(むしろ良い)、結果として敗戦投手/負け試合になってしまっている悪い流れを、井野で断ち切ることができれば。そのような意図もあったはずです。そう、ちょうど1年前に中谷が出てきて、永井の二桁勝利を大きくアシストしたように。その永井ですが、ブラウン監督が「永井は立ち上がり、守りに入ったピッチングだった」と語るとおり、確かにそのようにとることができる投球でした。なによりも、2-3のフルカウントにしてしまうケースが多く、打者27人に対し7人がフルカウントでした。当然、球数も増えてしまいます。そうすると、リズムも悪くなりそうです。そのためなのか、7イニング中、実に5イニングで先頭打者の出塁を許してしまう結果となりました。以前も御紹介しましたがノーアウト1塁での失点確率は40.7%もあるのです。5イニングのうち失点に繋がったのは3回の1イニングのみということは、日本ハム打線の拙攻(5回無死2,1塁で田中賢にバントさせず強攻しニ飛、次の村田が併殺打の場面等)に助けられた面も多そうですね。ただ、この日はストレートの制球が安定していた、といえそうです(直球のストライク率60.0%、球種割合44.0%)。井野がストレートを軸に変化球を巧みに織り交ぜてアレンジしえいました。しかし、この日、緩急をつけるのに効果的な持ち味のカーブの状態が良く無かったです。下記カーブのみの配球図のように右打者の内角高めや真ん中に抜けてしまうケースが多く、この試合、1回小谷野2球、2回加藤政1球、5回金子誠1球、6回稲葉2球、7回陽1球の僅か7球しな投じていません。状態の悪いカーブに見切りをつけて、状態が良好だったフォークを多投する判断は、恐らく井野がしたのでは?と踏んでいますが、真相はどうなんでしょう? (嶋なら状態が悪くても、永井はカーブ投手だからという固定観念で、カーブをある程度投げさせていた、と推測しているのですが、どうでしょうか?) 井野をかいかぶりすぎ、かな?という訳で、この試合は今季最もフォークを投げました(29球。23.2%)。しかもこのフォークが低めに制球することができており(下記フォークのみの配球図参照)、中でも黄色の網掛け部分、最も下のゾーンに決まったフォークが有効でしたね。ココのゾーンに合計21球投げていますが、空振りが3回、空振り三振が4回、ファウルが2回と合計9球、永井に直接的に有利に働いています。攻撃面に少し触れたいと思います。決勝点となった3回1アウト1塁から飛びだした鉄平の右翼線二塁打。この当たりはまさに技ありですねぇ。見逃せばボール球でしたが、エンドランの指令が出ていたため、打ちにいきました。内角低めのゾーン、今季はココで三振や凡打するケースが目立つのですが、元来好きなコースなのかもしれません。BTの選手名鑑によると、2009年は33打数10安打の打率.303を記録するホットゾーンになっています。鉄平の長打で1塁の聖澤が一気に本塁へ戻ってくる──。こういう光景をまざまざと目撃すると、(ボクはどちらかというと1番渡辺直人派なのですが)1番聖澤、3番鉄平の打順が美味しくみえてきますね。この記事はココでおしまいです。皆さん、最後まで読んで頂き、有難うございました。できれば、元気の源、ブログ村への投票をお願いします(最下記) m(_ _)m■楽天・永井のストライク率、球種別割合、配球図〔ストライク率〕全体46.4%、直球60.0%、変化球35.7%〔球種別割合〕125球:St55(44.0%)、Cur7(5.6%)、Fo29(23.2%)、Sl26(20.8%)、Sh8(6.4%) 〔配球図〕※各コースの上段が直球、下段が変化球■楽天投手陣の奪空振り履歴永井1回村田6球目・・・Fo(空振り三振) 231回小谷野3球目・・・Sl 161回小谷野8球目・・・Sl(空振り三振) 42回陽1球目・・・St 182回加藤政2球目・・・Fo 232回加藤政3球目・・・Fo(空振り三振) 253回田中賢1球目・・・Fo 223回田中賢4球目・・・Fo(空振り三振) 244回加藤政3球目・・・Fo 194回加藤政10球目・・・Fo(空振り三振) 225回田中賢1球目・・・St 195回田中賢3球目・・・Fo 186回稲葉4球目・・・Fo(空振り三振) 176回小谷野6球目・・・Sl(空振り三振) 27回加藤政1球目・・・Fo 24青山8回陽4球目・・・Sl(空振り三振) 17■両チームの打席結果とカウント推移赤紫の網掛け=空振り、黄緑の網掛け=ファウルストレート・・・St、カーブ・・・Cur、スライダー・・・Sl、カットボール・・・Cut、シュート・・・Sh、フォーク・・・Fo、シンカー・・・Sin、チェンジアップ・・・Ch、パーム・・・Pa、ナックル・・・Kn、ストライク-ボールの順です。カウントの太文字はストレート、太文字ではないのは変化球です。文中に出てくる番号は配給図のゾーンを示しています。配給図のマス目に番号を割り当てていきます。向かって一番左上(左打者の内角高めボールゾーン)から右に、折り返して左→右と1,2,3と番号をふると、1、2、3、4、56、7、8、9、1011、12、13、14、1516、17、18、19、2021、22、23、24、25となります。そのうちストライクゾーンが7、8、9、12、13、14、17、18、19にあたります。--------------------------------------------------■本家ブログの過去記事はこちらをクリックして下さい。----------------------------------------------------現在ブログ村のランキングに参加中!このポチッが更新の最大の励みになります。なにとぞ、よろしくお願いします。(^○^)/にほんブログ村