２割農民の気まま日記

２０２4（令和6年）　3.　3.　の　気まま日記

   今から　10年程前にさかのぼる。　2013年の事である。

東北大震災と復興五輪？　相容れない事を無理やり結びつけて...

数々の不祥事を起こしながら　事は突き進んでいた。　

広告批評という雑誌の編集長だった天野祐吉さん（故人）は

朝日新聞にコラムを連載していた。　軽妙洒脱な語り口で...

私は愛読していた。　彼の言葉で忘れられない言葉がある。

「別品の国」　という言葉である。

説明が長すぎると　私の駄文がますます　品が無くなるので

2013年の或る日の　彼の　”別品”のコラム　を再録する。

　　「別品」の国へ　　　　　2013.10.9

明治神宮外苑の国立競技場をぶっ壊して、8万人を収容する
”世界一”　の巨大な競技場を作るんだそうで。かと思ったら
”成長最優先”なんていう首相の言葉が、派手に新聞に踊ったりして。
待てよ、この風景、どこかでみた事があるぞと思ったら、
そうだよ、50年ほど前の東京の空気にそっくりじゃないか。
あの時は　オリンピック向けの工事で東京は騒音と粉塵だらけ
になり、その中から池田首相の「高度成長で所得倍増」なんて
掛け声が景気よく流れていたっけ。
でもなあ　オリンピックはいいが、時代はあの時とすっかり
変わっている。無理があるんじゃないの？
「”成長は善である”とは何たる言いぐさか。私の子供たちが
成長するのなら至極結構であろうが、この私が今突然、成長
し始めようものなら、それはもう悲劇である」と、経済学者の
シューマッハさんも言っている。　成長から成熟へ。
すぐれた哲学者や経済学者の人達がいうように、基本路線を
大きく変える時だと思うよ。
これは前にも言ったが、昔の中国では品評会などでの入選順位
を、1等・2等・3等ーではなく、1品・2品・3品－と呼んだそうな。
で　その　審査のモノサシでは計れないが、すぐれて個性的なもの
を「別品」とよんで評価したという。
別品。いいねえ。　世界で1位とか2位とか、何かにつけて
そんな順位を競い合う野暮な国よりも、戦争も原発もない
「別品」の国がいいし、この国にはそれだけの社会的・文化的資産
もある。　　そうそう　別品の国に8万人の競技場はいらない。
え？いつ国の路線を切り替えるかって？　そりゃあんた今でしょ。

と　書いている。

あれから10年....たったかなあ...
神宮には新国立競技場がすったもんだの末　出来上がって
オリンピックとやらも　強行されたのだが...

またまたのまた　大坂では万博とやらで似たような掛け声が...
似たような連中が　似たような過ちを犯しながら...
国民の税金を食い物にして...
能登の復興を邪魔して...
ゴミ置き場に杭を打ち込んで　騒音が...交通渋滞が...

デジャブだなあ....　

もう一度　天野さんに登場願うまでもない。
「別品」の国つくり　いつやるの？　今でしょ

　　　　　2024.　3.　3.
　　　　　　　　　　　　　　　2割農民​​​​​​​​