懐かしさ覚える北京西城区の生活
黒竜江省から戻ってきて、まだ日も浅く。日々の稽古に勤しんでいましたら、今度は八卦掌の師匠から、稽古は北京に来れないかと連絡が入りました。いや、また急です事…。明後日ですか…。稽古のためなら、行きましょう!北京の生活は慣れているとはいえ、今回は、北京西駅付近の馬連道という茶城のど真ん中のホテルに宿泊することになりました。ほとんどの外国人は、東側の朝陽区か東城区に住むことが多いため、西側では外国人を見かけることはありません。ましてや、今となっては、馬連道の茶市場には人気もすくなく、活気もありませんから、あまり気が進まなかったのですが、実際にここで数日過ごしてみると、中国人の庶民の生活が垣間見れて、また中国料理のレストランの質も高く、買い物も便利なので、とても快適に過ごすことができました。師匠は、今後北京の拠点はこの馬連道付近に決めたらしく、まずは稽古のための公園探しをしました。北京西駅のすぐそばに「蓮花池公園」という大きな公園があり、気の場もよいということで、ここで稽古をすることにしました。この公園では、多くの人がそれそれ独自の稽古をしていますので、互いに干渉もせず、人目も気にせず稽古に集中できました。ここでも、八卦掌と扇子の稽古、そして、例の如く、攻防稽古でぶっとばされまくりました。ホテルから少し歩くと、朝ごはんを買いに来たり、外で食べている人たちでにぎわっています。私は、北京に来ると必ず買うのが「宮門口饅頭(マントウ)」の菜団子(フェンネルと卵餡の玉蜀黍粉マントウ)やナッツや棗がごろごろ入ったマントウ、雑穀の蒸しパン、黍粉蒸しパンなどなど、私の大好物なものばかり売られています。 外で、量り売りのリンゴや焼き芋、焼き栗なども買います。 少し空気に臭いがあり、目の前がかすんできました。北京の大気汚染(PM2.5)の洗礼…。数年ぶりに、5層のパンデミック用のマスクを着用すると、以前北京で生活していた時のことを思いだして、なんとなくノスタルジックな気分になりました。私は外食はあまり好きではないのですが、師匠に誘われては断る理由はありません。 「瀋陽水餃子が食べたくない?」と言われ、「私はなんでもよいです」と、餃子屋に入りましたが、その際も師匠は、「北京しゃぶしゃぶが食べたいけど、二人だけだともったいない」と言っていました。 昨年、北京で師匠に稽古をしてもらった際は、「北京に来たら北京ダックが食べたい」と言っていて、北京の弟子から北京ダックをご馳走してもらって、喜んでいました。 翌日、「昼寝したら、お腹がすいた。しゃぶしゃぶに付き合って」と言われ、さらに二名の北京の幹部を呼んだらしく、念願のしゃぶしゃぶが食べられて、上機嫌なご様子。(師匠、かわゆい)ゴマダレは、注文してから作ってくれます。胡麻焼餅(餅ではなくて小麦粉の饅頭)は絶品でした。ここでもまた白酒…。羊肉、牛肉、野菜など量は少し控えめに注文していて、なかなか品のよい人達で安心しました。私は、せっせと鍋奉行に徹し、師匠達の会話を楽しみました。北京にいるのに、北京ではないような、とても不思議な感覚。まるで、どこかにタイムスリップしたかのよう。