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与え続けること と 工夫すること

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2008.03.28
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カテゴリ:本、雑誌から。
糸山先生の御本から。

私はかつて大手進学塾で子どもたちを教えてきた講師です。

あるとき、小5で入塾してきた女の子が、

算数や国語の難しい問題を難なくこなし、余裕さえ感じられるのです。

彼女の豊かな学力に驚いた私は、保護者面談で家庭の様子を聞きました。

「親が子どもと話すときは、いつも見えるように話す」「文章ない絵日記をつけさせていた」

「親は子ども自身のペースを大事にして、子どもを見守る」

「親は聞かれたことは、最低限のことしか教えない」これらのことを親御さんが心掛けて

おられたのです。

子ども自身の「目で見て考える習慣」と、その子どもを「じっくり見守る親の態度」

いかに大切か痛感しました。


一方、小学生といえば、卒業する12歳のころには、「思考の臨界期」

(思考回路網作成の臨界期)といわれる時期が訪れます。

アメリカの国立衛生研究所の研究などでも明らかになっていますが、

早い子は7歳、もっとも遅い子(最長)でも12歳でこの臨界期を迎えます。

ここでいう「臨界期」とは、脳が新しい思考回路網を作成できる限界となる時期のことです。

臨界期を過ぎると、思考回路をより効率的に使うために、それまで使われる回数が

少なかった思考回路網の刈り込みが始まるのです。ですから、

その臨界期までに私たちは 借り物ではないオリジナルの思考回路網、

つまりは「絶対学力」ともいうべき能力を育てなければならないのです。

そして、その「絶対学力」を、「無理なく無駄なく効果的に身につけられる」のが、

「算数 絵コンテ読解」というものです。


絵コンテ読解は 算数の文章題に向き合い、その解答プロセスを

絵や図にするものです。導かれた答えが正解かどうかは、二の次です。

絵図にするプロセス自体に重要な意味があるのです。

絵図にすることによって育まれる「目で見て考える力」が本物の学力、

自分で考える力の源になるからです。

子ども達に絵図を描かせると、生き生きとした「心の躍動感」が伝わってきます。

子ども達はもともとお絵描きが大好きです。

その大好きなお絵かきをして、ワクワク、ウキウキしながら、問題と向き合っているのです。

なぜ、絵を描いていくと、ワクワク感が生まれてくるのでしょう?

それは、楽しく絵図を描くこと自体が、「わかること」「理解すること」に直結しているからです。

絵図を描くことによって、答えも一目瞭然、「見えて」くるのです。

そのことに、子どもたちも気づきます。その気づきが、喜びとやる気につながり、

様々な課題を前にして、自ら工夫して取り組んでいこうとする学習意欲を育むのです。

このとき、脳化学分野でも言われているもう一つの好循環が生まれます。

遊びや習い事でも同じですが、自主的に工夫する思考習慣やトレーニングは、

脳の思考回路をどんどん発達させます。

これは、単に「させられている」反復学習(コピー回路の強化)では決して得られない

脳の発達です。工夫することでのみ、脳は多様な思考回路を作っていくのです。

そして、その脳の発達(脳内進化)によってのみ「絶対学力」が養われるという訳です。


「算数 絵コンテ読解」の最重要ポイントは、「目で考える」ことです。

私たちは、普通、物事を言葉で考えていると思っています。

ところが、実際は言葉は考えるきっかけに過ぎません。 

言葉から視覚イメージを再現して、そのイメージを操作している(考えている)のです。

この理論を「言葉のトリガー理論」といいますが、それを普段感じないのは、

言葉とイメージが密接に結びついているため、反応が早すぎて、イメージが意識

出来ないからです。このことは、非日常的なことや非常に複雑なことを考えるときには、

じっくりとイメージを確認しながらでないと考えを進めることができないことでもわかります。

私は、思考の大部分は「視覚イメージの再現・操作」だと考えています。

つまり、「(頭の中に再現して)目で考える力=視考力」を活用することが思考力養成

に役立つということです。その視考力を養うのが「絵コンテ読解」なのです。

文字・言葉を絵図化するという方法を使うと、操作(思考)は実に簡単にできます。


国は理論も手法も知らなかったが故に失敗した「ゆとり教育」の反動で、

(どんぐり倶楽部には理論も手法も揃っているので既に効果的な「ゆとり教育」が

できています)、またしても教育改革を掲げていますが、私には、

その行き先は「本物の学力養成」には程遠いように見えます。

なぜなら、その改革の行き着くところは既に塾講師時代に私が体験した

大失敗の道と同じだからです。

知力も体力も日々成長をとげる小学生をもつ親御さんにとっては、遅々として進まぬ

教育改革の成果など待っていられない。それが実感ではないでしょうか。

思考の臨界期は避けれらないのですから、今こそ、家庭で

「無理なく無駄なく効果的な教育改革」に取り組んでほしいのです。

そしてこの本が 子ども自身の本当に生きる力となる「絶対学力」を

養成する手助けになれば、著者としてこれ以上の幸せはありません。









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Last updated  2008.03.28 12:52:49
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