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食育に栄養学も食事バランスガイドもいらない

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2008年02月17日
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テーマ:ゴハンな話(450)
カテゴリ:少食について
美味しんぼ』の山岡とゆう子が結婚したのは
『美味しんぼ』単行本47刊で描かれています。
その結婚披露宴は二組の披露が行われます。
もう一組は二木まり子と近城勇。こちらが至高のメニュー側として、
海原雄山が料理を担当する訳ね。

その中で山岡とゆう子の担当する究極のメニューの一つに
懐石料理があったのね。
ここからは山岡に語ってもらいましょう。

山岡:日本人が食文化をどれだけ大事にしてきたか、
   それを物語るのが今、皆さんの前にある懐石です。
   いうまでもなく、懐石はそもそも茶の湯で出される料理なので、
   茶道の精神に則っています。
   一番のご馳走は、高価な材料を使った料理ではない。
   料理に込められた、主人の客に対する心遣いだ。
   主人は、客をもてなすために心を尽くす。
   客はそれを味わって主人のこころばえを感得する。
   こうして深いところで主客の心が通じ合い、
   料理は単なる口福の快楽を越えた感動を与えるものだ、
   という認識が確立したのです。
   懐石がなかったら、日本料理はその思想的な主柱を
   構築できず、単なる美食趣味の範囲から出なかったでしょう。
   そして、世界中の料理文化でそのような思想的主柱を
   持っているのは、日本料理だけです。

   今、皆さんにお出しした懐石を作るにあたっては、京都、
   というより日本で最古の歴史を持つ料亭である
   「瓢亭(ひょうてい)」の当主、高橋英一さんに
   いろいろ教えていただきました。
   「瓢亭」については、皆さんよくご存知だと思います。

え~? あたしゃ知らなかったですよ~。
まあ、披露宴に出席している人たちはご存知なんでしょうが。

京極:ご存知も何も、京都の南禅寺の「瓢亭」いうたら、
   日本の宝物のような料亭や。

陶人:豪勢でぜいたくな料理は出さんし、派手な演出もせん。
   しかし、あの店の料理は"豊饒"という言葉の真の意味が
   わかるような料理じゃよ。

山岡:料亭としての創業は享保8年といいますから
   270年以上の歴史があります。

披露宴会場の皆さん:ひええ!そりゃすごいね!

山岡:当主の高橋さんは14代目、270年以上も親子代々
   受け継がれてきた料亭の例は、中国にもフランスにも
   ありません。
   約400年前の掛茶屋に始まり、料亭に衣替えして、
   懐石料理に洗練を重ねて伝えてきた「瓢亭」の
   存在自体すばらしいものだが、そんな「瓢亭」の
   存在を可能にし、支持を与えてきた日本の伝統というものが、
   何よりもすばらしい。

二木会長:たしかにそのとおり。店を継ぐ側にもその店を
     愛する側にも食文化を大事にする伝統があってこそ、
     ひとつの店が270年もつづくのだ。

二木会長:たしかにそのとおり。店を継ぐ側にもその店を
     愛する側にも食文化を大事にする伝統があってこそ、
     ひとつの店が270年もつづくのだ。

山岡:千利休が懐石の概念を確立して400年。ということは、
   日本人は400年かけて懐石料理を磨き続けてきたわけです。
   そして磨き続けてきた証人のひとりが、「瓢亭」なのです。
   懐石というひとつの料理を、400年かけて磨き続ける
   文化的伝統。この日本の文化的伝統が、何よりも貴いと
   われわれは思う。

会場の人:うむ、その通りだ。
     言われてみれば、これは誠に貴い・・・・。

山岡:そのような文化的伝統がなかったら、「究極のメニュー」を
   作って後世に遺しても無意味です。
   たかが食べ物によって心の底まで感動させる、
   そのような文化の伝統をわれわれは前の代から受け継ぎ、
   次の代に引き渡す。ここに、「究極のメニュー」作りの
   意味があるのです。

南禅寺「瓢亭」
http://hyotei.co.jp/

【美味しんぼ塾】『美味しんぼ』(47)
http://oishimbo.jp/modules/weblog/index.php?user_id=0&cat_id=47

  





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最終更新日  2008年02月17日 15時12分24秒
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