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青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

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2023年11月19日
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カテゴリ:ギターリぺアー
◆YAMAHA FG-110赤ラベル
 ギターオーナー様は、KK様です。ブログにご訪問頂いた事が
 ご縁でリペアのご依頼を頂きました。
  出音は申し分無いのですが、弦高が高く弾き難いので
 弾き易くして欲しいと依頼を頂きました。

◆画像から確認して行きます

●ボディコンディションは製作年数を考えますと良好です


●FGカラーラベルシリーズで唯一の【工房調べ】のサイドバックがメイプル系のギターです
 

●ビンテージギターに付き物のヘッドのキズも殆ど有りません


●メイプル系の材が使われてます


●過去のFG110の画像と比較しますと、既にブリッジのトップを削って有る事が確認出来ました
 サドルの出の余裕も僅かです


●サドルを外しますと、サドル下に高さ調整のスペーサーが入ってました
 スペーサーを外してサドルをセットしますと、サドルの高さとブリッジ溝の深さと同じになって
 しまいますのでサドルを削り過ぎていた様です


●ブリッジの上面が平らになってますので既に削られてます


●サドルの弦接点が平らで削りっぱなしと、底面に水平が出てませんでした
 この高さのサドル材を底面を水平にして、更に弦接点をR350に修正するとサドル自体の
 高さが無くなってしまいますので、サドルはオイル漬けに交換します


●KK様ご指摘の様に、幅44.0mmナットの弦溝が正しい位置に切って有りませんでした
 画像は6Eのセンターを基準に撮影しました


●リペア前でロッドは限界まで締まってました


●弦高が上がる原因のトップ落ちは殆ど有りません
 ブリッジ下の膨れも年代を考慮しますと少ない方です


◆お預かりの際に張って有りました、ライトゲージでは現在の状態を正しく判断出来ませんので
 010~EXライトに交換して、ネックコンディションを確認します

●順ゾリの最大値は0.18mm有ります
 既にロッドは限界まで締まってますので、ネックアイロンを使う可能性が有ります


●6E/12Fで3.25mm有ります
 

●1E/12Fは2.75mm有ります


◆トップ落ちが僅かで、ブリッジ下のボディ膨らみも少なく、順ゾリの最大0.18mmと言う事は
 この弦高になる主原因は、ネックの元起きと言う事になります。
  ロッドも限界まで締まってますので、ネックアイロンを掛けて元起きを出来る限り修正する
 必要が有ります。
 予定の弦高まで下げるには、思い切り絞ったタオルを更に絞って水分を出す様な感じで
 少し時間が掛かるかも知れませんが、ご理解頂きたいと思います


●既存のナットを外します


●オイル漬けのナットを削り出します
 ナットの巾は44.0mmでGibsonと同じです

◆ネックアイロンを使うご了解を頂きましたので、アイロンを掛けて行きます


●初回はネックの元起きを矯正する為の位置にスペーサーをセットして掛けます


●ネックに温度が伝わっている状態で、アイロンから矯正治具に差し替えて元起きを矯正します


●2回目の元起きを修正する位置にスペーサーをセットして矯正します
 元起きは1回で矯正出来る事は経験上殆ど無く、数回繰り返してアイロンを掛けて行きます


●元起きの修正具合を確認します
 後1.00mmから1.50mmは戻したいので、スペサーをセットする位置を調整しながら
 矯正を続けます


●ブリッジの面取りされている部分に、⊕1mmサンディングしてブリッジを下げます


●サドル溝は3mm確保出来ますので、溝を掘る必要は有りません


●全周サンディングして、捨てサドル【弦高調整用】は黒檀を使いますが、
 リペア後も使える様にしておきますので、オイル漬けと比較してお好みの方を使って下さい


●1フレット弦高0.5mmに合わせてアンダーラインを引いてから弦溝を調整して行きます


●サンディングしたブリッジは、バイオリンの指板に使われているエボニーのステインを使います


●フレットボードも良い感じになってきました


●フレットの上にスケールを当てますと、隙間が出るポジションが有りますので
 フレット自体を確認します


●ノーテンションの状態ですが、マーキングした部分は擦り合わせが必要と思われる箇所です
 擦り合わせは弦を張ってから再度確認する事にします


●贅沢と思いますが、エボニーでセッティング用の捨てサドルを削り出してセットします
 セッティング終了後は正規のサドルとして使える様に仕上げます



●捨てサドルの高さはザックリで削り出しましたので、この様な弦高になってますが
 ここから逆算してサドルの高さを調整します


●高さ調整をしたエボニーのサドルです
 ヤマハのカラーラベルシリーズ【工房での呼称】は、エボニーサドルとの相性が良く
 牛骨オイル漬けと比較して、お好みの方のサドルを使って頂きたいと思います


●010~のEXライトゲージをセットします


●1フレットに0.5mmのスペーサーをセットします


●6E/12Fは2.30mmです


●1E/12Fは1.75mmです

◆ナットの整形、及び弦溝の調整は明日以降になります。
 想定通りの仕上がりになる事が確定しました



●1フレットにスペーサーをセットして試奏をしますと、擦り合わせが必要なフレットは
 5カ所だけでした


●牛骨オイル漬けのサドルを削り出します


●弦を張る前に全体を超鏡面ワックスを掛けて仕上げておきます

◆セッティングが安定している事を確認します

●1フレットのクリアランスOKです


●6E/12Fは、2.25mmで予定通りです


●1E/12Fも1.80mmでOKです


●全てのポジションでバズリが無い事を確認しました


●リペアの完了です

🌻お使いになる弦は、ダダリオの010~EXライト弦がお勧めです。
 細すぎたり太過ぎますと出音に違和感を感じますが、EXライトですとピッタと感じますので  
 宜しくお願い致します


🌻K2ギターファクトリー
  千葉県八街市 八街 に-67-3 
   代表 加藤 和久
   ☏ O8O-5376-O998 
   ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております





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最終更新日  2023年12月07日 00時40分01秒
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