カテゴリ:ギターリぺアー
◆YAMAHA FG-110赤ラベル
ギターオーナー様は、KK様です。ブログにご訪問頂いた事が ご縁でリペアのご依頼を頂きました。 出音は申し分無いのですが、弦高が高く弾き難いので 弾き易くして欲しいと依頼を頂きました。 ◆画像から確認して行きます ![]() ●ボディコンディションは製作年数を考えますと良好です ![]() ●FGカラーラベルシリーズで唯一の【工房調べ】のサイドバックがメイプル系のギターです ![]() ●ビンテージギターに付き物のヘッドのキズも殆ど有りません ![]() ●メイプル系の材が使われてます ![]() ●過去のFG110の画像と比較しますと、既にブリッジのトップを削って有る事が確認出来ました サドルの出の余裕も僅かです ![]() ●サドルを外しますと、サドル下に高さ調整のスペーサーが入ってました スペーサーを外してサドルをセットしますと、サドルの高さとブリッジ溝の深さと同じになって しまいますのでサドルを削り過ぎていた様です ![]() ●ブリッジの上面が平らになってますので既に削られてます ![]() ●サドルの弦接点が平らで削りっぱなしと、底面に水平が出てませんでした この高さのサドル材を底面を水平にして、更に弦接点をR350に修正するとサドル自体の 高さが無くなってしまいますので、サドルはオイル漬けに交換します ![]() ●KK様ご指摘の様に、幅44.0mmナットの弦溝が正しい位置に切って有りませんでした 画像は6Eのセンターを基準に撮影しました ![]() ●リペア前でロッドは限界まで締まってました ![]() ●弦高が上がる原因のトップ落ちは殆ど有りません ブリッジ下の膨れも年代を考慮しますと少ない方です ◆お預かりの際に張って有りました、ライトゲージでは現在の状態を正しく判断出来ませんので 010~EXライトに交換して、ネックコンディションを確認します ![]() ●順ゾリの最大値は0.18mm有ります 既にロッドは限界まで締まってますので、ネックアイロンを使う可能性が有ります ![]() ●6E/12Fで3.25mm有ります ![]() ●1E/12Fは2.75mm有ります ◆トップ落ちが僅かで、ブリッジ下のボディ膨らみも少なく、順ゾリの最大0.18mmと言う事は この弦高になる主原因は、ネックの元起きと言う事になります。 ロッドも限界まで締まってますので、ネックアイロンを掛けて元起きを出来る限り修正する 必要が有ります。 予定の弦高まで下げるには、思い切り絞ったタオルを更に絞って水分を出す様な感じで 少し時間が掛かるかも知れませんが、ご理解頂きたいと思います ![]() ●既存のナットを外します ![]() ●オイル漬けのナットを削り出します ナットの巾は44.0mmでGibsonと同じです ◆ネックアイロンを使うご了解を頂きましたので、アイロンを掛けて行きます ![]() ●初回はネックの元起きを矯正する為の位置にスペーサーをセットして掛けます ![]() ●ネックに温度が伝わっている状態で、アイロンから矯正治具に差し替えて元起きを矯正します ![]() ●2回目の元起きを修正する位置にスペーサーをセットして矯正します 元起きは1回で矯正出来る事は経験上殆ど無く、数回繰り返してアイロンを掛けて行きます ![]() ●元起きの修正具合を確認します 後1.00mmから1.50mmは戻したいので、スペサーをセットする位置を調整しながら 矯正を続けます ![]() ●ブリッジの面取りされている部分に、⊕1mmサンディングしてブリッジを下げます ![]() ●サドル溝は3mm確保出来ますので、溝を掘る必要は有りません ![]() ●全周サンディングして、捨てサドル【弦高調整用】は黒檀を使いますが、 リペア後も使える様にしておきますので、オイル漬けと比較してお好みの方を使って下さい ![]() ●1フレット弦高0.5mmに合わせてアンダーラインを引いてから弦溝を調整して行きます ![]() ●サンディングしたブリッジは、バイオリンの指板に使われているエボニーのステインを使います ![]() ●フレットボードも良い感じになってきました ![]() ●フレットの上にスケールを当てますと、隙間が出るポジションが有りますので フレット自体を確認します ![]() ●ノーテンションの状態ですが、マーキングした部分は擦り合わせが必要と思われる箇所です 擦り合わせは弦を張ってから再度確認する事にします ![]() ●贅沢と思いますが、エボニーでセッティング用の捨てサドルを削り出してセットします セッティング終了後は正規のサドルとして使える様に仕上げます ![]() ![]() ●捨てサドルの高さはザックリで削り出しましたので、この様な弦高になってますが ここから逆算してサドルの高さを調整します ![]() ●高さ調整をしたエボニーのサドルです ヤマハのカラーラベルシリーズ【工房での呼称】は、エボニーサドルとの相性が良く 牛骨オイル漬けと比較して、お好みの方のサドルを使って頂きたいと思います ![]() ●010~のEXライトゲージをセットします ![]() ●1フレットに0.5mmのスペーサーをセットします ![]() ●6E/12Fは2.30mmです ![]() ●1E/12Fは1.75mmです ◆ナットの整形、及び弦溝の調整は明日以降になります。 想定通りの仕上がりになる事が確定しました ![]() ![]() ●1フレットにスペーサーをセットして試奏をしますと、擦り合わせが必要なフレットは 5カ所だけでした ![]() ●牛骨オイル漬けのサドルを削り出します ![]() ●弦を張る前に全体を超鏡面ワックスを掛けて仕上げておきます ◆セッティングが安定している事を確認します ![]() ●1フレットのクリアランスOKです ![]() ●6E/12Fは、2.25mmで予定通りです ![]() ●1E/12Fも1.80mmでOKです ![]() ●全てのポジションでバズリが無い事を確認しました ![]() ●リペアの完了です 🌻お使いになる弦は、ダダリオの010~EXライト弦がお勧めです。 細すぎたり太過ぎますと出音に違和感を感じますが、EXライトですとピッタと感じますので 宜しくお願い致します 🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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