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カテゴリ:エッセイ・随筆
歩きながら何を話したのかは覚えていない 公園を出て、ハンバーグやオムライスのおいしいお店でランチを食べた 親に私とのことを話したりしているのか、私は尋ねた 母親に話していると妻は答えた 年齢離れすぎていてダメとか言われないか、と続けて聞いた 私と妻は一回り年の差があった 少し離れ過ぎなんじゃないと母に言われた、と妻は苦笑いした そんなことありません、と仮に本心ではないとしても気を遣って答えるのではないかと思っていたので、意表を突かれたが、正直に話す妻に素直な性格を感じた 同時に、目の前の妻の存在が妻の母親の傘に守られ遠のいていくような気がした ひと回りも年下の女の子とデートしている自分の存在が急に浮き出したような感じがした 私の姉や祖父、叔父など親戚に一回り近く離れた夫婦が多かったこともあり、いつの間にか年齢差を気にしなくなっていたが、世間の常識を突きつけられた 私は妻に、親の言うことは大事だから無理はしなくていいですよ、と言った すると妻は、でも母は子どもの意見を尊重してくれるので私がいいといえば許してくれると思う、と少し弁明するかのように言った 妻の反応からすると、目の前にいる相手の存在が遠のいていく悲しさを感じたのは、私よりも妻だったのだろうか その日は、3つ4つの公園を歩いてはしごして、夕方別れた 結婚後妻がその話を聞いた同僚から、公園を歩いてばかりいるデートに対して、健脚か、ありえない、と突っ込まれたというが、確かに魅力的なプランではなかったかもしれない しかし平凡なデートでも平凡と感じない妻は快楽主義に染まらない美点を持っていたともいえる (続く) ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年10月25日 06時16分14秒
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