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テーマ:DVD映画鑑賞(13614)
カテゴリ:~2006年 映画・コメディ
☆ジャーヘッド☆(2005)
サム・メンデス監督 ジェイク・ギレンホール・・・・・・・・・アンソニー・スオフォード ピーター・サースガード・・・・・・・・・アレン・トロイ ジェイミー・フォックス・・・・・・・・サイクス三等曹長 クリス・クーパー・・・・・・・・・・・カジンスキー中佐 ストーリー その若き兵士アンソニー・スオフォードは、海兵隊員に憧れて入隊し、厳しい訓練に耐え、祖父から3代に渡って続く"ジャーヘッド"(海兵隊員)として戦場にやって来た。だが、活躍の場を期待してやってきたそこには、銃を向けるべき敵がいない。戦闘によってエネルギーを発散することができず、戦いへの欲求を、次第に内側へと爆発させていく兵士たち。砂漠でひたすら"待つ"ことを通して、彼らは自分自身、そして仲間との精神的な戦いを強いられるのだが…。 ~~~~~~~~~~~~ 湾岸戦争での実体験を赤裸々に綴ったアンソニー・スオフォードのベストセラー小説「ジャーヘッド アメリカ海兵隊員の告白」が原作なんですね。 戦う事、人を殺す事を教え込まれ訓練された若者が、姿の見えない敵に対しフラストレーションを貯めていく。 現代の戦争(湾岸戦争の場合)とは、こういうものかと思う。 実はこのDVD二回見ることになったのだが、二回目を見るその前日に「プライベート・ライアン」を見たのだ。 スピルヴァーグのこの映画、見るチャンスは何度もあったのだが、じっくり見たのは今回が始めてかも。 過酷なノルマンディ上陸作戦、圧倒的な戦闘シーン、更に「なんでだ?」という理不尽な命令でライアンを探し出さなければならないトム・ハンクス以下隊員達。 目の前に敵がいて「やらなければ自分がやられる」そういう恐ろしいまでにリアルな戦争を見せてくれた。 この映画のラスト、ライアンが老人となって墓の前にというシーンは、私はいらないと思ったが・・スピルヴァーグらしい終わり方という事かな。10年前の作品という事で、今作ったら違う終わり方にしたかもしれないとも思うのだが。 ~~~~~~~~~~~~~~~ そして、この「ジャーヘッド」 敵がほとんど出て来ない。戦線は常に自分達の前へ前へ駆け足で遠ざかっている。 アンソニーたちのむなしさが、わかるのだ。 スナイパーとしての任務に、初めて胸躍らせるアンソニーとアレン。 しかし、ここで思わぬ事態に・・ 彼らが叫ぶ「(相手を)殺させてくれ!」 なんということか、殺させてくれと叫ぶ彼らの気持ちが私にも伝わってくるのだ。 共感しているのか? 殺す事に共感しているんだろうか・・?? 戦争に来てなにもしないで終るのか?空しいぞ!という彼らの気持ちがわかるのだ。 待つという事、じっと耐えるという事、本当にしんどいものだ。 更に社会(アメリカでの平和な生活)から隔離されている不安も、この場合ある。 実際にアンソニーは早く除隊して本国に帰りたいと思っている。 思っていたものと違っていたのだ。 一方、アレンは海兵隊に残りたかった。 彼の唯一の居場所だからだ。 ここでは戦場だが、社会の他の場面でもこういう「自分の思うようにならないもどかしさ」というものがいくらでもあるんだよね。 会社で、自分の意見が通らない、頭ごなしに押さえつけられる、やる事はわかっているのに自由にやらせてもらえない・・などなど。もちろん家庭でも学校でも・・・ そんな不満を若者は抱えるだろう。 やれといわれてここまで来たのに、何もしないで終わりかよ。。。 そんなむなしさの反面、彼らが使わなかった銃を空に向かって乱射するシーンには、やっぱり生きて帰れる安堵がある。 こんな事に命を削る、それが戦争だ。 しかし、こういうギリギリの世界を求める男達の持って生まれた本能を見ると、「戦う事」は終りがないと思うのだ。 そして、「平和」というのはとても貴重で大変な事なのだろう。 戦争と戦争の間をいかに長く保っていられるかが、とても大切な事だと思うのだった。 のほほんと過ごしている日本は、とっても貴重な時間を過ごしている。 大切にしないとすぐになくなってしまうのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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