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テーマ:映画館で観た映画(8663)
カテゴリ:2009洋画
本日お休みを取ったので映画館へ。
ケイトがアカデミー主演女優賞を取ったということで、こちらを見ておかねばね^^) ☆愛を読むひと☆(2008) スティーヴン・ダルドリー監督 原作『朗読者』(新潮社刊): ベルンハルト・シュリンク ケイト・ウィンスレット レイフ・ファインズ デヴィッド・クロス ブルーノ・ガンツ ストーリー 1958年のドイツ。15歳のマイケルは偶然出会った年上のミステリアスな女性ハンナに心奪われ、うぶな少年は彼女と彼女の肉体の虜となっていく。やがて度重なる情事のなかで、いつしかベッドの上でマイケルが本を朗読することがふたりの日課となる。ところが、ある日突然ハンナは姿を消してしまう。8年後、法学生となったマイケルは、ハンナと思いがけない形で再会を果たす。たまたま傍聴したナチスの戦犯を裁く法廷で被告席に座る彼女を見てしまったのだ。裁判を見守るマイケルは、彼女が自分が不利になるのを承知で、ある“秘密”だけは隠し続けようとしていることに気づく。 ~~~~~~~~ この「朗読者」は私も以前読んだ。 だいぶ内容を忘れていたんだけどね・・・(笑) ただ、その時抱いた感想はちょっと薄っぺらだったんだなあとこの映画を見て思った。 映画でふくらました部分もあるんじゃないだろうか? まさに「行間を読む」だね~。 小説を忘れてしまったし、今手元にないので比べる事は出来ないんだけど。 前半、マイケルとハンナの出会いと情事は、ケイトの脱ぎっぷりが話題となったが確かに^^) 15歳の少年が出会った魅力的な年上の女性。 体の関係を持てば、その時期の若者らしく夢中になるのは目に見えている。 もうこの人のほかにいない!!とまで思ってしまう。 そんな熱に浮かされた少年を「坊や」と呼んで、からかいながらも情事を続けるハンナは何を考えていたんだろうか? しかしある時からハンナはSEXの前に本を読むことを約束させる。 本を読んだご褒美としてSEXするという感じだろうか。 後半でマイケルはある人物に言われる「ハンナに人生を変えられたのね」と。 そういった人物もハンナに(ハンナだけではないが)人生を変えられた一人だ。 前半のこの朗読が後半にまた違った形で出てくる。 確かにそこには愛があるのだろう。 マイケル自身の愛でもあり、もっと大きな意味での愛かもしれない。 法廷での再会。 ハンナの過去が明かされる。 マイケルの戸惑い苦悩、場合によっては被告人と認めたくないそんな気持ちもあったかもしれない。 そんな複雑な演技をデヴィッド・クロスは演じている。 ぽっちゃりしたほっぺたがまだ少年ぽさを見せていた前半から、ちょっとシャープになっていて成長ぶりもうかがえる。 それにしても、若者は足が長い・・・(笑) 水着のシーンなどおお~~!なんて思ってしまった(あ~、おばちゃん的感想) ![]() ちょっと、ぽっちゃり加減が最初気になったんだけど、見方によっては美少年に見えてくるそんなデヴィッドくん。 このお話、ケイト側からではなくあくまでマイケルの話なのだよね。 マイケルが想い続けたのはやっぱりハンナなんだなあって思ったわ。 そういう意味で愛の物語。 また、これはドイツの物語で、ドイツ人がナチスに加担した自分たちを描いているとも言えるよね。 ドイツではこうしてナチスドイツをどう受け止めるかという話をできるようになってきている。 日本ではどうだろうか? 法廷シーンでのハンナが印象的だ。 ハンナと同じ被告になった女性たちとのハンナの違いも印象に残る。 ハンナは本当に流れにただ流されていただけ。 正しいと言われれば正しい、こうしろと言われればそうする。 そして、とっても仕事にまじめ。 まじめだからすべてが正しいとは言えないのだよね。 目の前のことばかり見ていると、周りで起きていることが見えなくなってしまう。 もっと周りを見回して、目を見開いてよく見て! 自分の目で見て読んで、そして判断しなくてはただただ流されていくだけだ。 法廷シーンなどネタばれアリなので反転↓ ケイトは文盲である。 私は小説を読んだ時に、ちょっと変なおばさんに少年が熱をあげ、その後裁判で元ナチのSSだったハンナは文盲ということをひたすら隠すために罪を認めたというだけの印象を受けたわけ。 文盲だったことが、ナチに加担することになったわけで「無知」であることを恥じることと刑罰を受けることを比べたら文盲を認めた方がいいんじゃない?って思ったわけだ。 どうしてそんなにこだわるかな?プライドが高いのね~って。 しかし、この映画を見てもちろん「文盲」というのがハンナに対して使われているのではなく、もっと深く広い意味で使われているといたんだなあとやっと気がついたのだった。 ハンナの法廷での受け答えのシーンは、印象的だった。 彼女がいかにまじめに看守の仕事をしていたのかを自分で誇りをもって語るのだ。 仕事にまじめな彼女は言われたことを忠実に実行する。 それが、戦犯として重罪になることがわからない。 何故、熱心に仕事をしたことを非難されるのだろうか?と思っていたんじゃないだろうか・・・ ある意味とっても純粋、ある意味とっても無知。 そして、これこそナチスにとって都合のよい人間。 法廷見学をした学生の一人に「収容所はたくさんあった、それを知っていたし見過ごしていたのは我々も同じだ」と言わせていた。 ドイツ人が半世紀以上そのことを考え続けていたのだろう。 自分たちは文盲(言葉のあやとして)だったのだろうか?って 物語は結局ハンナが釈放前に自殺するのだが。 終始ハンナの本当の気持ちは、あまりあらわされることがなく終わってしまったように思う。 彼女は大局には無関心な、戦争などなければ本当に無害な人間だったのだものね。 獄中で文字を覚える彼女は感動的であった。 文字を読めるようになった彼女は、小説を読むだけではなく歴史本も読んだかもしれない。 そこで彼女は、自分が何をしたのか理解したのだろう。 でも…自殺しないでほしかったが・・・ ← ドイツがヒットラーを生み出したように、どこの国でもどんな世界でも独裁者を生み出し崇拝する事があることを心に留めておかなくてはいけない。 かくいう自分の中にもそういう気持ちがあることを、心しておかなくては。 心地よい事を言い、自分たちの辛い部分を甘事で解決して見せると宣言し、そして結局は破局に突き進む。 甘い水は結局酸っぱい水に変わるのだ。 さて、ケイトはここでの演技がすごく印象的だとは、実は思わなかった。 彼女らしい演技だとも思う。というかこれくらい彼女ならやるでしょうって感じ? 主演女優賞をもらったのは、今までの功績も含めてなんだろうね。 とはいえ、あまり内面を表さないハンナ役なので、それを表情などであらわすのはさすがにうまいと思ったけどね。 ![]() そして、先ほども言ったけど青年時代のマイケル役デヴィッドは、これからも性格俳優として伸びてほしいなあと思う。 もっとシャープになったら、素敵になると思うわ^^) 中年になったマイケルは、ハリポタのヴォルデモート卿を演じているレイフ・ファインズ。 さすが渋いよね~~^^) ![]() ブルーノ・ガンツは。マイケルの大学の教授役。 さすがの存在感 ![]() あっそうそう、一つ言いたいのはこの映画は出来れば、英語じゃなくドイツ語でやってほしかったわねえ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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