『キングダム・オブ・ヘブン』(2005年/米国 原題:Kingdom of Heaven)を見た。
以下、あらすじを。
時は12世紀後半、イングランドの獅子心王リチャードIII世や神聖ローマ帝国の赤髭王フリードリッヒI世で有名な第3回十字軍の直前、聖地エルサレムには、ムスリムの英雄
サラディン(ハッサン・マスード)との休戦協定により、束の間の平和が訪れていたころ。
フランスの田舎で鍛冶屋をしている
バリアン(オーランド・ブルーム)は、自分の父親がエルサレム国王
ボードワン4世(エドワード・ノートン)に信頼されている騎士
ゴッドフリー(リーアム・ニーソン)であると知り、父に騎士としての教えを受け、十字軍に参加する。
(ここから↓ネタばれ反転)
ゴッドフリーが亡くなり、彼の領地を引き継いだバリアンはそこで善政をおこない、父同様にボードワン4世の信頼を得る一方、ボードワン4世の妹で、テンプル騎士団の雄・ギー(マートン・ソーカス)の妻シビラ(エヴァ・グリーン)と恋に落ちる。
ボードワン4世の死後、ギーが王となり、サラディンに宣戦布告をするが、十字軍は大敗する(『ハッティンの戦い』)。主戦力を失った十字軍にあって、バリアンは城内の民衆とともにサラディン軍と勇敢に戦い、サラディンと交渉、エルサレムは明け渡すが、民の身の安全を約束させる。バリアンは、王女の身分を捨てたシビラと、再び故郷へ戻り、鍛冶屋として生きていく。(ここまで)
この作品の見所は、ずばり、
何千人ものエキストラを使った戦闘シーン。
その時代に詳しいわけでもないので素人目だけど、中世の雰囲気がよく出ていて、時代考証もしっかりしていたのではないかと思う。
あと、オーランド・ブルームも、とても美しく、ファンの人には必見かと。
ただ。。。
あまりにその戦闘シーンに気合が入りすぎたせいか(?)、人の心情の描き方が不十分で、
主人公の心の変化に全然ついていけない。。。
・
バリアン、父が偉大な騎士だからといって、普通に鍛冶屋してて、しかも司祭を殺しちゃったあなたが、いきなりどーしてそんな立派な騎士になれたの?この
バリアンの成長していく部分が、この作品のもうひとつの見所になったはずでは?
・
バリアンとシビラはいつの間にそんなに惹かれあってたの?こんな中途半端な“禁断の恋”なんて、わざわざ入れなくてもよかったんじゃない?
主役でない、
ボードワン4世やサラディンの方が、人物としてはずっと魅力的に描けていたので、この作品で描かれていた時代について、ちょっくら調べてみた。
で、意外だったのは、この作品が、ほぼ史実に基づいているということ。
バリアンの実在モデル=バリアン・オブ・イベリン=もいること、
ギーの仲間の
ルノー(ブレンダン・グリーソン)がムスリムの隊商を襲ったことや、
サラディンの妹を殺したこと、
ボッドワン4世の顧問として登場し
ギーと対立した和平派の
ティベリアス(ジェレミー・アイアンズ)も、レイモンド・オブ・トリポリという実在モデルがいること、
などなど。
映画より、こうやって調べたことのほうが面白かったりして・・・
評価は、
★★☆
うーん、ホントここんとこ借りてくるのにヒットがないなぁ・・・