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カテゴリ:作家「井上靖」関連
5月6日(日)放送の第十八話、見ました。
武田晴信は諏訪を平定し、甲斐へ戻ります。 由布姫は甲斐に護送され、板垣信方の屋敷に侍女二人と住まう事になります。 重臣たちの前で、晴信は由布姫を側室に迎える考えを表明します。重臣たちは一斉に反対を唱えますが、山本勘助は、晴信と由布姫との間に男子が生まれれば武田と諏訪の関係はより強固になると訴えます。勘助は、由布姫の「説得役」を晴信から仰せつかります。 十分予想されていた事ですが、由布姫はなかなか首を縦に振りません。 冬になり、武田家は相次いで不幸に見舞われます。晴信と正室・三条夫人との間に生まれた三男が生後直ぐに病死。また、長い事床に伏せっていた禰々が他界。 そんな重苦しい雰囲気の中、由布姫に面会を求めてくる者が二人。 ひとりは武田の重臣、甘利虎泰。後に遺恨を残さぬ様、由布姫の命は絶たねばならぬと一貫して主張してきた甘利の訪問は、姫に自害を促すためと周囲に見られましたが・・・ 甘利には、姫を挑発して逆に討たれようとの覚悟がありました。あくまで、姫を晴信の側室にさせないために。 もうひとりは、晴信の正室・三条夫人。由布姫に対する複雑な思いを抱きながらも、「禰々さんの代わりに、私が由布姫を慰めてあげなければ」という気持ちからの訪問でした。しかし三条夫人は、姫の部屋に晴信の句が飾られているのを見つけ、我が夫が姫の側室入りを望んでいる事を悟ります。思わず三条夫人は、こんな言葉を口にします。 「真に、国は滅びたくないもの・・・」 故郷である諏訪から甲斐に連れてこられた由布姫に対する皮肉の意味もあったでしょうが・・・ 諏訪に嫁いで夫が切腹させられ、失意の中で亡くなった禰々に対する思いもあったでしょうし、三条夫人自身も、京の名家に生まれながら家が没落し、自分自身、甲斐には望んで来た訳では無い。そんな、色々な気持ちを含んだ言葉だったのでは? そんな二人の気持ちを、聡明な由布姫は理解していました。「お二人とも、私を切りに来たのではなく、私に切られるために来られたのだ」と。 そして由布姫は、勘助に告げます。「私だけ、無傷でいる訳にはいきますまい・・・」 (続きは来週) 十八話は、派手なシーンこそありませんでしたが、人の心の動きが見事に描かれた、そんなシーンが多かった様な気がします。ちょっと“重め”のシーンが多かったですけれどね。 次回が楽しみです。 (来週土曜日に続きます) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.05.12 08:53:39
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