|
全て
| ご挨拶・ご連絡
| 育児・子供の事
| 吹奏楽関連
| ショッピング関連
| 私のパソコン生活
| スポーツの事
| 作家「井上靖」関連
| 号外・ノンセクション・その他
| クラシック音楽関連
| 広島東洋カープの話題
| サッカー日本代表関連
| YMOとその周辺
| 観劇・映画関連話
| 固定カテゴリ以外の音楽
カテゴリ:観劇・映画関連話
(5月4日の“その1”からの続きです)
今回の舞台は、全二幕。それぞれの幕が4部から構成されていて、二つの幕が「プロローグ」と「エピローグ」に挟まれていました。 第一幕は、武田晴信が父・信虎から廃嫡されそうになるも、板垣信方をはじめとする家臣の協力の下で信虎を駿河に追放し、甲斐を平定し、諏訪を手に入れ、由布姫を側室にするまでのお話。 第二幕は、由布姫との間に四郎が生まれ、二人のためにも信濃を手中にしようと急く晴信。若さに任せて無謀にも村上義清との戦に臨んだ晴信を、まさに命がけで諫めた板垣信方。その死をもって初めてわが身の愚かさに気付く晴信。由布姫も亡くなり、嫡子の選択にも悩みつつ(太郎・義信か、四郎・勝頼か・・・)。 しかし、村上の後ろ盾となっている宿敵・長尾景虎との戦いに向け、晴信は飛翔する・・・ 話のあらすじを大まかに説明すると、↑こんな感じになります。 第一幕が始まる前の「プロローグ」、舞台上に武田信繁、馬場信春、武田信廉、駒井政武の4人が登場し、それぞれに自分の役柄を歌舞伎の“口上”の様に述べます。そして・・・ あの「大河ドラマ・風林火山」の主題曲が会場に流れ始めます。冒頭の、大河ドラマで内野聖陽さんがナレーションを務めていた部分を「風」「林」「火」「山」の4パートに分けて4人がそれぞれ担当し(ん? 駒井担当の“動かざる事 山の如し”の台詞は他の誰かに取られていた様な気が。亀治郎さんかな?)、台詞を喋った後・・・ (確か、緞帳が上がって)ステージ上が明るくなると、そこには舞台の主な登場人物がいました。武田晴信は戦の装束に身を包み、クレーンの先っぽに胡坐をかいて座る様な格好で、宙吊り、というか、“宙座り”の状態で、客席にせり出してくる様にその姿を現しました。これには、初っ端から度肝を抜かれました。 晴信の“宙吊り”は、第二幕の4部の一番最後にも観る事ができました。 越後との戦いを宣言し、白馬に跨った晴信(この白馬はもちろん本物ではなく人形で、手綱を引いたり緩めたりすると、それにちゃんと反応して首が動く仕組みになっていました)。 晴信が掛け声をかけると、人馬一体となってそれは宙に舞い上がりました(宙吊り、というか、“宙乗り”ですね)。それはまるで、晴信の信濃、そして越後への強い想いを象徴する姿を表していた様に思います。 こういった、伯父さん(市川猿之助さん)譲りと思われる演出も十分楽しめましたが、私としては、亀治郎さん自身のステージ上での演技や立ち居振る舞いにその非凡さを感じ、驚いていました。 特に、タメ息をつくほど感心・感激したシーンが二箇所ありまして・・・ 一箇所は、第一幕の4部終盤。武田の屋敷で三条夫人と由布姫が鉢合わせして一瞬険悪なムードが漂うのですが、そこへ晴信がやってきて二人を取り成そうとします。それを受け入れ、三条夫人の提案で、「三人で“連れ舞”を舞おう」という事になるのですが・・・ この“連れ舞”が、本当に見事でした。 片手に扇子を持ち、三条夫人と由布姫の間で舞を舞う晴信。その身のこなしは、私が生まれて初めて目にするものでした。 華やかではないが、かといって地味でもない。 大きくはないが、かといって小さくもない。 慎ましやかな女性の様でもあり、気高い男性の様でもあり・・・ 舞の所作が、流れるというか、滑らかというか、ごく自然、というか・・・ 久しぶりに、“言葉では表現できない、とても素晴らしいものを観た”、そんな時間を過ごす事ができて、とても幸せでした。 もう一箇所は、↑その直ぐ後のシーン、第一幕最後のシーンなのですが・・・ ステージ正面中央にひとり残った晴信が、自分自身の今後の野望を語るシーンがありました。 諏訪をその手中に収めた今、次はそこを拠点として、信濃、さらには越後へ進出したい・・・ 思いが高ぶり、それが頂点に達した時、晴信にスポットライトが当てられ、その周りを取り囲む様に大量の紙吹雪が舞い始めます。バックには、風林火山の音楽が流れていました。 晴信は基本的に、持っていた扇子をたたんで襟首に差込み、腕組みをしたままちょっと斜に構えて立っているだけなのですが・・・ これが、同性の私が観ても、メチャメチャカッコイイんです。 感情の高ぶりを表すかの様に紙吹雪の舞はさらに激しさを増し、晴信自身も時々“見得”を切って、自身の感情が高ぶっている事を表していました。 伝統的なものと、現代的なものとの融合。その斬新さと、それを支える確りとした基礎。 もはや、感動するばかりでした。 今回、恐らくは“一番新しい”亀治郎さんを観る事ができて、本当に感激でした。 次回は、東京・東銀座あたりで、亀治郎さんの“伝統的な”舞台を観てみたい、そう思っています。 <追伸> そ、そういえば今回、市川亀治郎さん以外の俳優・女優さんたちの事にほとんど触れていませんね。武田晴信以外の登場人物にも・・・ という訳で、ちょっとだけ“その3”に続きます(18日(日)までにはUP予定です)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.05.11 00:08:56
コメント(0) | コメントを書く
[観劇・映画関連話] カテゴリの最新記事
|
|