|
2018年2月15日、オカダマニラを運営するタイガーリゾーツ社の親会社であるユニバーサルエンターテインメント社から下記2報のIRが出ました。
平成29年12月期 決算短信 通期連結業績予想値と実績値との差異に関するお知らせ 今回はあまりのユニバ社の不誠実さに怒りモードでお送りいたします。 今期は変則で3Q決算となりますが、 理想→現実は下記のようになりました。 売上 1019〜1158億円→685億円 営業 167〜245億円→-98億円 経常 167〜245億円→-128億円 純利 158〜209億円→-134億円 パチンコパチスロ規制の影響を読みきれないとして珍しくレンジ予想で業績を出されていましたがそんなレンジなんて意味がないほど大いに読みが外れて先週いただいたオカダマニラバッテリーを窓から投げてしまおうかと思ったくらい(もったいないので投げてません)の悶絶下方修正でした。 わかってたんならすみやかにきちんと下方修正出すべきですよね。しかも決算書も夜遅いリリースでしたし。 おまけにオカダマニラ開業のご祝儀と期待した配当も見送りですね。 (怒) 言い訳としては、 ・パチンコパチスロ規制のため売上が7割になった ・オカダマニラの建設遅延 ・ウィンリゾーツ社との訴訟関連費用の増大 だそうです。 驚いたのは、 です。 これが噂の 「ポジティブな要素での未確定案件」 なのでしょうか? 個人的に、これがとてもポジティブな要素とは思えません。 この土地はIRによると、 「当該土地はカジノリゾート事業での建設予定がなく、建築資材置場として利用されていた予備的なエリアに、高級コンドミニアムを誘致し、カジノリゾート事業の拡大するために主としてハイローラー等の集客の相乗効果も狙った計画エリア」 とありますので、どこのことかというと、 2013年8月頃のCGで奥のタワーレジデンスが 一番最近のCGの画像ではひっそり姿を消していましたね。 地図上で見ると赤く囲ったところですがおそらくここが(仮称)オカダマニラレジデンス建設予定地だった6haの土地のことでしょう。地図上で計測したところ大きさ的に概ね一致しますね。 この土地が高級マンション用地等として300億円(利益200億円)で売却する基本合意書が2017年中に締結されていたとのこと。 おそらくオカダマニラの建設遅延のためその土地に置いてあった建築機材の完全撤去等ができなかったことが主因で2018年に延期になったようにきこえますが、本当にそうでしょうか? 地図を見ると確かにオカダマニラ用の生コン工場やミキサー車みたいなものがありますが、よく見てみると、大半が工場みたいな建物がたくさんひしめき合っています。 そもそもここにたくさんの人が働いてるんじゃないの...? だいたい昨年中に合意しといて年末にできませんでしたって、企業としてどーかしてるんじゃないの?2018年中にこれ完全撤去して更地にできるの? と数々の疑問が湧いてきます。 うーん。 また、この土地が売却できていれば当期業績実績値と差異を生じることがなかったとの書きっぷりですが、これも大いに疑問です。 一見、売却益200億円が計上され-134億円+200億円=66億円の黒字(それでも未達ですが)になるかと思われますが、以前オカダマニラの土地44haが2400億円に値上がりしたという話を思い出してください。 オカダマニラの土地の所有は土地保有会社Eagle I Land Holdings Inc.(イーグル1)がしています。 持株比率は、 ・イーグル2 60% ・ブロンティア(Brontia Ltd.) 40% ※ブロンティアはユニバ社100%子会社 イーグル2の持株比率は、 ・Copperstar Holdigs,Inc. 60% ・All Seasons Hotels & Resorts Corp. 40% ※オールシーズンはトニーボーイの会社 となってますから、おのおの ・フィリピン関係者 36% 860億円 ・トニーボーイ 24% 580億円 ・ユニバ社 40% 960億円 の持分ですね。 ですから、売却が実現したとしてもキャッシュフローとしては120億円、売却益としては80億円となり、-134億円+80億円= -54億円の赤字となるはずです。 3Q期末の建設仮勘定は2403億円→2933億円と増加していますがこんなに時間と金を費やしてもまだホテルの一部しかオープンできておらず、あちこち工事中という状況は正直かなりネガティブな驚きですね。 私はフェーズ2以降の資金繰りを心配していましたが、フェーズ1でこれからも多額のキャッシュアウトが続くということです。 当然現金及び預金も1192億円→385億円と減少していますので、タイガーリゾーツ社は先の建設会社への支払い、消費者金融並みのぼったくり金利支払いのため相当な資金調達が急務となっています。 そのための金策のひとつとして、虎の子の土地を売っちゃうんですか。 (仮称)オカダマニラレジデンス青田買いしようと思ってたのに(泣) 2016年8月にドイツ証券に頼んだ資金調達時のメモランダムでははっきりとフェーズ4で30万m2、2500戸の高級レジデンスを計画していると言及しています。オカダマニラがまだマニラベイリゾーツだったときからのこの青写真を諦めて、これからも経済成長が約束された東京ドーム(4.7ha)より大きい土地を手放すということは、台所事情がいよいよのっぴきならない状況になってきたということと捉えるしかありません。 ただ金策のために土地を手放したとしても、住宅分譲事業はできます。しかし「高級コンドミニアムを誘致し」とあるようにかつてエンパイアイースト、ロビンソンズランド、そしてセンチュリープロパティズとフィリピンの大手マンションデベロッパーとの交渉がうまくいかなかった経緯もあり、ノウハウのないタイガーリゾーツ社単独では非常にむずかしそうですね。 いずれにしても、(仮称)オカダマニラレジデンスが幻となってしまった可能性が高くなりました。 DEATH! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[okada manila(manila bay resorts)] カテゴリの最新記事
|