カテゴリ:音楽
念願叶って手に入れたパイナップルナ、昨日は外側をざっと観察しました。 今日はちょっぴり中を見てみます。 ラベル。
モデルNo.は18とあります。 しかしこれに関しては全くの謎です。 私の知る限りでは1から700まで、様々な番号があります。 「ESTALISHED」・・・「ESTABLISHED」のスペルミスでしょうか。 外側がこれだけ傷んでいると、内部も無事ではない可能性が高いです。 一番危ぶまれるのがブレーシング(力木)。裏表に2本ずつ、全部で 4本貼り付けられています。 いきなりラベル横の剥がれが目に止まりました。 反対側も浮いています。 さらに奥、やはり 背板側が浮いています。ここはなんと、ライニングを持ち上げて 外れていました。 背板は程度の差こそありますが、大抵微妙に丸みを持たせて 作られています。なので必然的に端に負担がかかります。それが 年月が経つにつれ接着剤が劣化し、接着力が弱まって張力に 負けて外れてしまうんですね。今までに手に入れた木ペグ時代の 古レレは大抵どこかしら1箇所は外れていました。なのでたとえ 「美品」と書かれていても、ここの不具合だけはあると考えた方が いいと思います。 これで大体の状態は把握できました。では修理にかかりましょう。 ・ ・ ・ と、本来ならここでずらずらと修理中の写真が並ぶのですが・・・ 今回は濁ったクリア塗装を剥がすのに夢中になっちゃいまして、 ほとんど途中画像を撮っていません。
唯一撮っていたのが 「あーこんな所に隙間が空いとるわ」と撮っておいた1枚だけ。 コッテコテの塗料がなかなか落とせず四苦八苦した為、まるっきり 失念していました(笑) まあ作業自体は塗装を剥いでブレーシング接着、再塗装の後 フレット磨きと定番の物ばかりなので今回はなくてもいいですね。
ヘッド以外を塗り直した所で最後の山場、エンブレムの修復です。 デカールで作り直しできれば濁った塗料も落とせる上に綺麗に 仕上がるんですが、通常のプリンターではゴールドは印刷できません。 疑似色でごまかす事も出来ますが、ここは妥協したくありません。 なので欠けてしまった部分を手塗りで補います。手持ちの塗料を 調色し、何回かに分けて色を乗せていきます。
はい、できあがりました。 アップで見ると少し粗かったり剥がれた部分との段差があったり しますが、ぱっと見には分からない所まで直せました。
そしてエンブレム周りを塗装し弦を張って修復終了。 無色のニスを塗りましたので、以前より色は薄くなっています。
材に色が染み込んでいるので、あまり強くヤスリ掛けしなければ 元の色を残せます。特にLUNAは化粧板の薄い合板なので、 執拗なヤスリ掛けは禁物です。
あれだけあった側面の白濁も かなり除去する事ができました。 しかし経年劣化か、側板が少しへこんで皺の寄っていた箇所があり その部分は全て除去する事ができませんでした。さっきも書きましたが LUNAの化粧板は薄いのでヤスリ掛けで無理ができません。 ちょっと心残りなのがネック。きちんと面取りされておらず、あちこち 部分的にへこんでいます。かなりヤスリ掛けして均しましたがへこんだ 部分の塗料が取れず、 マダラになってしまいました。ほとんど色落ちするほど削り込んだのですが。 塗装の腕が上がって均一に色付けできるようになったら塗り直しする・・・かも。
さきほど作業中のエンブレムのアップを上げましたが全体は こうなりました。 当初はエンブレムのみ直す予定でしたがどうにもトップ面の 濁りが気になったので、エンブレム周りをマスキングし古い 塗装を落としています。 多少塗装の段差とエンブレム周りにやや白味が残りましたが、 それでも随分と見栄えがよくなりました。
弦を張り、いよいよ音出しですが・・・あれ? 思ったより音が小さく細いです。以前オーバーホールしたNO.350と 同じかちょっと弱いような・・・ もっともあっちはブリッジ周りを強化したので遠慮なくフロロカーボンの 弦を張っていますのでそのせいかもしれません。 私は古レレには負担を掛けないよう、GHSのクリアナイロン弦を張る 事にしています。1音高いアメリカンチューニング用の弦ですので レギュラーチューニングで張るとその分テンションが下がり、ウクレレに 掛ける負担を軽減する事ができます。 最近は結構なペースで増えてきているのでちょっとお得な複数セットを 購入しています。
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最終更新日
2016.03.25 19:56:11
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