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カテゴリ:東宮~永遠の記憶に眠る愛~全55話
东宫 Goodbye my princess 第36話「偽りの初夜」 皇后・張玫娘(チョウバイジョウ)は頭痛持ちの皇帝のため、今朝も香を準備した。 すると皇帝は入宮して1ヶ月になる高如意(コウニョイ)にそろそろ会いに行くという。 皇后は咄嗟に高美人はまだ若く病弱なため、もう少し療養してから仕えさせると時間を稼いだ。 しかしその夜、如意が沐浴していると、突然、皇帝が現れる。 何も知らずに皇后は皇帝の政務が終わるのを待っていたが、女官・容霜(ヨウソウ)が駆けつけ、皇帝が華熹(カキ)殿に向かったと報告した。 皇太子・李承鄞(リショウギン)の誕生日、皇后はわざわざ東宮へ贅沢な贈り物を届けにやって来た。 良娣(リョウテイ)・趙瑟瑟(チョウシツシツ)も見事な百花図の刺繍を贈ったが、皇太子妃・曲小楓(キョクショウフウ)は盆にずらりと並んだ金子(キンス)を渡して失笑を買う。 「だってこれなら換金しなくても使える、便利でしょう?」 皇后は目先が変わっていて面白いと喜び、今度は皇太子に2人へ返礼品を渡すよう促した。 するとそこへ4人の宦官が品物を持って入って来る。 李承鄞はまず皇太子妃へ贈り物を1つ渡し、女官・永娘(エイジョウ)が受け取った。 「ありがとうございます~殿下」 小楓はつまらなそうに感謝を述べたが、永娘がそっと声をかける。 「太子妃、唯品閣であつらえた衣装ですよ」 「ん?(ゴソゴソ…)これ、狩装束?」 ( ゚д゚)oO(まさか私のために作らせたの? あの時、李承鄞は瑟瑟のためだと言って寸法を測ったが、実は小楓のためだった。 李承鄞は目を丸くする小楓を見て満足すると、残りの3つは全て瑟瑟への返礼だと告げる。 こうして一見、良娣を厚遇しているように見せた李承鄞、しかし瑟瑟は皇太子妃への贈り物が気がかりだった。 皇后は最後にもう1つ特別な贈り物があると教えた。 そこへ容霜が美しく着飾った緒娘(ショジョウ)を連れて来る。 「夢にも思わなかったわ~私の初孫が緒娘という宮女の腹から生まれるなんて~」 戸惑う李承鄞をよそに、皇后は緒娘をいつ東宮へ迎えるのか急かし、身分まで決めようとした。 その時、あまりの衝撃にこらえきれず、瑟瑟は号泣してしまう。 「何を泣いているの?!縁起でもない!これは慶事なのよ!」 皇后に叱責された瑟瑟がその場にひざまずくと、永娘がこっそり皇太子妃の袂を引っ張って合図した。 「あ、皇后娘娘、私たちはもちろん、よっ喜んでおります、たっただ突然のことで驚いただけです」 「さすがは太子妃ね、度量が大きいわ~でも趙良娣には厳しい躾が必要ね!」 慌てた李承鄞は母がまた罰する前に瑟瑟に下がるよう命じた。 瑟瑟は緒娘をにらみつけながら東宮を出ると、居たたまれなくなった小楓も下がることにする。 しかし李承鄞からせっかく母后が来ているのだと止められた。 「母后、確かに慶事ですが、しかし急に昇格させては東宮の混乱を招きます 私も政務がおろそかになり、陛下の不興を買うやも…」 「まあいいわ~東宮に入っても良娣に何をされるか分からない、ひとまず清寧宮で預かっておく」 李承鄞は母后の計らいに感謝すると小楓に目配せする。 すると小楓も李承鄞にならい、心にもない感謝を告げた。 李承鄞は良娣が自害を図ったと聞いて急いで青鸞(セイラン)殿に駆けつけた。 結局、侍女・錦児(ギンジ)の嘘だと分かったが、瑟瑟はひどく暴れたのか、部屋がめちゃくちゃになっている。 李承鄞はともかく事情を説明し、母のお膳立てでは従うしかなかったと嘘をついた。 しかし信じていた李承鄞の裏切りに耐えられず、瑟瑟の怒りが爆発する。 「まさか殿下が私との約束を忘れるなんて…私の心には殿下だけ、でも殿下のお心は?! 身分は低くとも想いを踏みにじられるのは許せない!」 瑟瑟は李承鄞がくれた玉佩を本人の目の前で投げ捨てた。 これには李承鄞も呆然となり、また出直すと言って逃げるように帰ってしまう。 その頃、承恩殿に戻った小楓は李承鄞の思わぬ行動に驚いていた。 瑟瑟に一途だと思っていたが、まさか侍女に手を出すとは…。 すると急に皇后から呼び出され、皇太子妃としての東宮に気を配れと叱られてしまう。 「嫉妬で錯乱した良娣を放っておくとは、何たる体たらく! 緒娘が太子の子を宿したとは言え、所詮は身分が低い、子が生まれたらそなたが母となるのよ?」 「え?私が子供を育てる?ぁ…でも母子を引き離すなんて残酷では?」 皇太子妃の言葉はすねに傷がある皇后を凍りつかせた。 「言葉を慎みなさい!残酷とは何事です?!」 皇后は永娘が付いていながら未だに皇太子妃の礼儀がなっていないと憤慨し、次は只では済まないと釘を刺す。 一方、皇后が侍女の緒娘を皇太子に与えたとことは高于明(コウウメイ)の耳にも届いていた。 「実に怪しい…もし皇后の差し金なら見過ごせぬ」 そんなある日、時恩(ジオン)は珍しく皇太子の前で茶をこぼした。 李承鄞は粗相した時恩を訝しみ、何かあったのか聞いてみる。 「それが最近、東宮で妙な噂が…殿下?どんな噂かご存知ですか?」 「ふん、知る必要はない」 「でも殿下に関係があるのです、太子妃が悪いかと…」 小楓の噂だと知った李承鄞は顔色が一変、皇太子妃の何が悪いのかと迫る。 実は時恩は偶然、侍女たちの噂話を耳にしていた。 侍女の話では皇太子妃と裴照(ハイショウ)は西州からの知り合いで仲が良く、皇太子妃は裴照に腕輪を贈ったという。 『しばしば夜中にこっそり会ってるとか…』 時恩は侍女たちを叱って立ち去ったものの、耳を疑うような噂に動揺を隠せなかった。 李承鄞は小楓の名節を守るため、その夜、承恩殿に泊まることにした。 突然の皇太子の来訪に永娘は大忙し、まずアドゥを強引に連れ出し、皇太子妃を沐浴させる。 こうして夜伽の準備ができた小楓が寝所に入ると、李承鄞は寝台に腰掛けて待っていた。 すると李承鄞は緒娘の子をどう思うかと聞く。 小楓は皇后から呼び出され、その子を育てるよう言われたと伝えた。 「何て身勝手なんだ!他人の子を横取りしてまで自分の地位を守ろうとは!」 「あなたの気持ちは分かる、あなたも皇后娘娘の養子なんでしょう? 赤子の頃に生母と引き離されたとか…」 そこで小楓は李承鄞の隣に座り、心配しなくても緒娘の子を奪ったりしないと言った。 「でもあなたこそ酒の勢いで緒娘を孕ませておきながら、身分が低いと入宮を拒んだわ あなたが悪いのよ?」 「そうじゃない…」 「なら本当に緒娘が好きだから子をもうけたの?」 「…私に聞きたいのはそれだけか?」 「( ゚д゚)他に何かある?」 李承鄞は思わず向き直って小楓の手を握った。 「夫が別の女と子を作ったのに、腹が立たないのか?!」 「中原(チュウゲン)では一夫多妻が普通でしょう?…西州の阿爹(アーディエ)にも妻が何人もいたわ あなたが誰を娶ろうと私は口を挟む立場にないもん」 「…私は緒娘が嫌いだ」 「(ハイハイ…)瑟瑟が好きなのよね?ここに来るより瑟瑟を慰めに行ったらどう?」 李承鄞は本心を明かせず、東宮の主(アルジ)がどこで寝ようと勝手だと声を荒げてしまう。 むっとした小楓は好きにしろと言い放ち、アドゥのところで寝ることにした。 しかし李承鄞は小楓の腕をつかんで引き止め、ここで寝るよう強要する。 「指図しないで!アドゥ~!ア…」 焦った李承鄞は小楓を寝台に押し倒し、口をふさいだ。 「今、アドゥが乱入して母后か太皇太后に罰せられても私は助けてやれぬ 従ったほうが身のためだぞ?」 李承鄞は意味ありげに小楓の身体を見つめると、小楓は李承鄞を突き飛ばし、ふてくされながら布団にくるまって背を向けた。 夜も更けた頃、李承鄞は誰かが寝所を探っていることに気づいた。 そこで隣で寝ている小楓を蹴飛ばし、布団を奪ってわざと喧嘩を吹っかける。 小楓は寒さで眼が覚めると、李承鄞に布団を返せと迫った。 「来てもらえただけでありがたいと思え」 「頼んだ覚えはないわ!」 「瑟瑟に頼まれたのだ」 すると2人がもめているのを確認した曲者は帰って行った。 そうとは知らず、李承鄞が瑟瑟に言われて来たと聞いた小楓は深く傷つき、すぐ帰れと迫る。 李承鄞は夜が明けたら帰ると答えたが、小楓は憤慨して寝台から出て行った。 小楓は隣の部屋に移動し、窓を開けて月を見た。 すると月明かりの下、大木の枝に立って承恩殿を見守っている顧剣(コケン)の姿に気づく。 |ω・`)oO(あ…トトr… 寝ないのか?>( ̄꒳ ̄| 小楓は李承鄞の声を聞いて慌てて窓を閉めた。 「何を見ていた?」 「…何も」 「早く寝ろ、布団は返す」 李承鄞は窓の外が気になったが、そのまま寝所へ引き返した。 一方、承恩殿の前に移動していた顧剣は裴照から酒に誘われた。 「気遣いに感謝するよ…」 顧剣は毎日、小楓を陰ながら見守っていたが、裴照のおかげで衛兵と大捕物を繰り広げずに済んでいると知っていた。 すると裴照は顧剣に過去を手放して楽になるよう助言する。 しかし顧剣は裴照も密かに小楓を守っていると分かっていた。 「我らにとって小楓はただの太子妃ではない」 「…あの方さえ無事なら、他のことはどうでもいい」 「ふっ、その通りだ」 顧剣と裴照、2人は小楓の幸せを願う同志だった。 翌朝、李承鄞は小楓を起こさないようそっと寝所を抜け出し、永娘に皇太子妃がまだ寝ていると教えて帰って行った。 すると承恩殿の長い石段を降りたところで裴照と出くわす。 「夜番だったのか?」 「いいえ…」 「実は寝所の外に曲者がいた、足音からして侍女だろう、承恩殿内を調べてくれ」 李承鄞は久しぶりにゆっくり眠れたと大きく伸びをして見せると、書房に向かった。 容霜は早速、皇后に皇太子が初めて承恩殿に泊まったと報告した。 2人は喧嘩していたが、結局、李承鄞は朝まで過ごしたという。 「瑩児(エイジ)に承恩殿を見張らせて、何かあれば報告を…」 一方、瑟瑟も錦児から李承鄞が承恩殿に泊まったと聞いていた。 「本気で怒っているのね、玉佩を壊した私に…きっと嫌気が差したんだわ…」 そこで錦児は良娣の寛大さを皇太子に知らしめるため、皇太子妃を訪ねるよう進言した。 趙良娣が承恩殿にやって来た。 「太子妃、堂々と…」 永娘は名実ともに皇太子妃となった小楓に威厳を見せるよう囁いたが、小楓は殿内から出る時、うっかり敷居につまづいて転んでしまう。 「姐姐!大丈夫ですか?!」 「…だっ大丈夫よ(꒦ິ⌑꒦ີ)」 出鼻をくじかれた小楓、しかし腹心の永娘のおかげでかろうじて皇太子妃としての面目は保った。 すると瑟瑟が退屈しのぎに遊戯でもしないかと誘う。 (^ꇴ^)b<いいわよ、札遊びでもどう? つづく ( ๑≧ꇴ≦)シャオフォン、転び方が上手いわw お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.01.06 00:40:05
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