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カテゴリ:今宵、若様は恋におちる 全38話
春闺梦里人 Romance of a Twin Flower 第35話「万事休す」 寧鈺軒(ネイギョクケン)の父・寧忠天(ネイチュウテン)を殺したのは蔡聞正(サイブンセイ)を装った袁朗(エンロウ)の父だった。 しかし季曼(キマン)はこれ以上、親の代の仇を引きずって悲劇を続けたくないと訴える。 寧鈺軒は敵の息子を前に激情に駆られたが、何とか冷静さを取り戻した。 「詳しく調べる、それまで決着は持ち越す」 一方、季銘(キメイ)は娘が海坊(カイホウ)に戻ったと聞いていた。 船員は老爺の指示通り止めなかったという。 「娘が選んだ道なら父親としてなすべきことは何だと思う?」 すると季銘は全力で季銘を守るよう命じ、海坊に引き返すことにした。 寧鈺軒は季曼を連れて県衙に戻った。 季曼と鬼白(キハク)は考え込んでいる侯爺を黙って見守っていたが、やがてふいに寧鈺軒が口を開く。 「やはり裏に何かありそうだ、遠定山の策略なら誰が火を放った? 茶幇の2番手が仲間まで見殺しにするだろうか?…誰の思惑だ?」 その時、寧鈺軒と季曼は同時に檀(タン)王と叫んだ。 「実は帰海号の出航も凌剣星(リョウケンセイ)に秘密を知られたからだったの」 季曼はもはやどこへ逃げようと危険だと悟り、ここに残って寧鈺軒と戦うと言った。 すると寧鈺軒は必ず季曼を守ると誓い、準備していた婚書を渡す。 「正式な結納も友の祝福もない…それでもいいかい?」 「星たちが見ていてくれる、あなたに嫁ぐわ」 そんな2人の姿に触発された鬼白はその夜、水亦清(スイイーチン)を訪ねた。 「今まで私に勇気がなかったせいで君を悲しませてきた…今なら言える、一緒になりたい!」 水亦清は鬼白の告白が終わるのを待ちきれず、思わず先に口づけした。 凌剣星は季曼が海路を使って瓶を仕入れたと聞いた。 そこで袁朗に茶幇の残党83名の名簿を渡し、朝廷に引き渡されたくなければ船を港に入れないよう脅す。 袁朗は兄弟を守るため仕方なく船を襲うことにしたが、季曼には匿名の文で荷物が劉(リュウ)家村にあると伝えることにした。 しかし皓雪堂(コウセツドウ)へ向かっていた趙虎(チョウコ)がちょうど巡回中の陶思維(トウシイ)の目に留まってしまう。 …凌剣星が袁朗に荷を奪わせると言っていた、皓雪堂へ知らせるつもりかもしれぬ… 「皇商大会が終わるまで捕らえておけ」 一方、歓顔(カンガン)堂では思わぬ騒ぎが起こっていた。 銭一明(センイツメイ)の処方通りに作った試作品が失敗、侍女の顔がただれてしまう。 如月(ジョゲツ)は激怒したが、銭一明は強い薬を加えれば効果が出ると訴えた。 「ただ副作用が現れることが難点です…」 「この戦いに勝つことが先決よ!薬を入れて構わないわ!」 その頃、皓雪堂にも危機が訪れていた。 実は船が港に入る直前に海賊に襲われ、積荷を全て奪われてしまったという。 商品があっても詰め込む瓶がなければどうにもならない。 皆が絶望する中、季曼は必死に他の手立てを考えるが…。 皇商大会の第2戦、如月郡主率いる歓顔堂が期限前に商品を1000個収め、一番乗りで合格した。 しかし季曼たちは線香が燃え尽きそうになっても現れず、寧鈺軒は内心、気が気でない。 すると刻限ぎりぎりになってついに季曼たちが到着した。 「お待たせしました!商品を検査してください!」 皓雪堂は無事に商品を収めて合格した。 実は街中に″本日の午前中に限り、非晩霜の空き瓶を商品券と交換します″と触れ書きを貼ったという。 「皓雪堂のお客様の支えで課題をこなせました」 結局、間に合わなかった清心(セイシン)堂が敗退、最終戦は皓雪堂と歓顔堂の一騎打ちとなった。 成功を目前にまたもしてやられたと憤る凌剣星。 しかし阿正(アセイ)が思わぬ証拠を持って戻ってきた。 実は聶向遠(ニェキョウエン)が立ち寄った古寺である位牌を見つけたという。 そこには″聶桑楡の霊位″と彫られていた。 陶思維は想い人だった聶桑楡の無念の死を知り、人知れず憎しみを募らせていた。 そこで季曼が聶桑楡ではないと証明するため、ある策を講じる。 ある日、県衙に青雲(セイウン)がやって来た。 青雲は陶思維が自分の姿絵を描いてくれたと嬉しそうに報告し、姉に詩を書き入れて欲しいと頼む。 「分かったわ」 檀王が海坊に到着した。 しかしわずか数ヶ月の間に海坊は寧鈺軒のせいですっかり雰囲気が変わってしまったと嘆く。 「凌剣星…何をしておる?!よくも…ギギギギ…」 檀王は激怒したが、凌剣星は実は聶桑楡が偽物だったと報告した。 「今度こそ寧鈺軒の息の根を止めて見せます!」 「忘れるな、皇商大会の一戦で寧鈺軒が無事なら死ぬのはお前だ」 皇商大会の最終戦、如月は到着した檀王に挨拶した。 「如月がご挨拶します、舅父大人」 「そなたが如月か、そなたは幼い頃から病弱で会う機会がなかったな しかし公平な場で私が手を貸すことはできぬぞ?」 「実力で勝って見せます(๑•̀ㅂ•́)و✧」 季曼は2人の白々しい芝居に呆れていたが、新商品には自信を持っていた。 最終戦は皇帝の臨席を賜り、最終結果の宴が開かれた。 すでに内侍省の審査により優勝者が決定、秦奕閑(シンエキカン)が御前に出て発表する。 「まずは化粧品部門から…優勝は(はっ!)歓顔堂とする」 如月は皇商の認定証を受け取ると、季曼の席まで挨拶に向かった。 「寧夫人、勝たせていただきました」 「おめでとうございます」 その時、季曼は偶然、如月の手がひどくかぶれていることに気づいた。 そこで皇帝に如月郡主の手が荒れているため、非晩霜を渡したいと上奏する。 「あ、でも確かあなたの商品にも同じ効能があったはず…どうして使わないの?」 「余計なお世話です」 長年、化粧品を研究してきた季曼はすぐにぴんと来た。 実は多くの化粧品には美白や艶を出すため少量の水銀が含まれているが、量が多すぎると副作用が出てしまうという。 「これは花粉の過敏症による発疹よ」 「発疹ならただれることはない、それは水銀中毒の症状よ?」 季曼は他の商家の手本となる商品に大量の水銀が含まれているのは危険だと指摘、この場で検査したいと嘆願した。 つづく ( ゚ェ゚)ちゃんと消毒したよね?@リサイクル瓶 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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