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カテゴリ:今宵、若様は恋におちる 全38話
![]() 春闺梦里人 Romance of a Twin Flower 第31話「復讐のための生還」 …凌剣星(リョウケンセイ)が海坊(カイホウ)へ出立する数日前のこと 檀(タン)王は利で動く輩では信用できず、既存の商家を頼らずに自分たちの手の者を仕込むという 実は檀王には妹がいた 辺境に嫁いでから行き来はなかったが、いずれは郡主である姪を高官に嫁がせようと考えていたという しかし最近、姪が砂嵐に巻き込まれて行方知れずだと聞いた 『もはや生きてはいまい…』 『つまり誰かを郡主に仕立て、皇商大会に出すおつもりで?』 『だが相応しい者の心当たりがない』 『最適な人物がおります』 凌剣星は罪人となった温婉を救った もし寧鈺軒への想いを断ち切って自分の駒となるなら贅沢な暮らしを与え、檀香(ダンコウ)も助けるという 温婉は寧鈺軒に未練があったものの、生き延びるために情を捨てた… ![]() ![]() 凌剣星は如月(ジョゲツ)郡主に皇商大会の規則を教えた。 審査は3段階、初戦は部門ごとに自慢の商品で品質を競う。 第2戦では生産能力が試され、規定の刻限までに商品を納めることが要求される。 そして最後は独創性を競い、勝ち抜けば皇商に選ばれ、海上貿易組合の会長に任命されるという。 凌剣星はすでに各部門に手の者を配してあると教えた。 実は最近、寧鈺軒夫婦が仲たがいし、聶桑楡(ニェサンユー)が県衙を出たという。 「人に見張らせている」 「夫婦仲が悪いと噂になれば寧鈺軒の評判は落ちますね?」 凌剣星は反応を見たが、如月は冷静だった。 温婉が舞い戻ったことで皓雪堂(コウセツドウ)の結束は一層、強まった。 どんな計略にも負けないよう監視も怠らない。 実は寧鈺軒も密かに季曼の警固を鬼白(キハク)に任せていた。 今日も夫人が無事に店に入るのを確認した鬼白、するとちょうど水亦清(スイイーチン)が出勤してくる。 水亦清は店の前で銭一明(センイツメイ)にしつこく引き止められたが、何とか振り払って店に入って行った。 すると激怒した鬼白は男を横道に連れ込み、ボコボコにしてしまう。 「なぜ水姑娘につきまとう?」 「俺は清清の知り合いだ!」 「清清だと?!うせろ!二度と現れるな!」 県衙に戻った鬼白は夫人を探る間者がいると報告、実は寧鈺軒も誰かにつけられていると教えた。 「凌剣星か温婉だ、私たちの不和を察したのだろう…調べたければ好きにさせるさ」 そこで寧鈺軒は帰海号に季銘(キメイ)を訪ね、事情を説明した。 実は袁朗(エンロウ)も黒装束の男を見かけたという。 「誥命(コクメイ)夫人の妻と私が不仲だと陛下の耳に入れば重い罪に問われます そこで間者の前で一芝居打つつもりです」 寧鈺軒は季曼に県衙に戻って欲しいと頼み、皇商大会が終われば必ず船に戻すと約束した。 困惑する季銘だったが娘の安然のためならと決断し、皇商大会が終わったら聶桑楡の死を公にするよう迫る。 「それでこそ曼児は自由になれる」 「…いいでしょう」 凌剣星は阿正(アセイ)から如月が一度も寧鈺軒を訪ねていなと聞いて安堵した。 しかし間者の話では昨夜、帰海号に住んでいた聶桑楡が寧鈺軒と一緒に県衙へ帰ったという。 すると翌日、凌剣星は買い物に来ている寧鈺軒夫妻と出くわした。 夫婦が和解したという報告はどうやら事実らしい。 ![]() 寧鈺軒と季曼は仲睦まじい夫婦を演じて凌剣星と別れた。 季曼は凌剣星が道を曲がって戻ってこないことを確認、その途端、笑顔が消えて他人行儀に戻る。 「店に戻るわね」 「送って行くよ」 「独りで大丈夫」 その夜、なかなか寝付けない季曼は中庭へ出た。 するとちょうど考え事をしていた寧鈺軒とかち合ってしまう。 寧鈺は海坊への道中で季曼と星を眺めたことを思い出し、確か一番、明るい星が参宿(シンシュク)だったと言った。 「まだ覚えていたのね…あの時、参宿の反対側にあるのが商宿(ショウシュク)だと話したわ 2つの星は永遠に出会うことはない、それが宿命なの」 「私が商宿ならたとえ光を失おうと全力で参宿に会いに行く」 「…2つの星は出会えたとしても近づけない、それぞれの軌道を進むしかない」 「そうだな、運命で定められた隔たりは越えられない…もう休むよ」 皓雪堂の今月の売り上げは倍増、皇商大会でも勝ち抜けそうだと期待が高まる中、秦奕閑(シンエキカン)が水を差した。 実は如月が歓顔堂(カンガンドウ)を買い取って店を再開するという。 郡主の店とあって名士たちがこぞって親交を持ちたがり、鳴り物入りの開店だった。 「正面対決するつもりだ」 すると郡主を調べていた鬼白が現れた。 温婉は都への護送中、病で死んだことになっているという。 しかも郡主の証書をもっているため疎漏は見つからなかった。 陶思維(トウシイ)が店にやって来た。 季曼は青雲(セイウン)との縁談を進めたかったが、陶思維は青雲を妹としか見られないという。 「お似合いだと思ったけど…嫌ならいいの、大事なのはお互いの気持ちだから ただ最近、思うことがあってね、良縁にめぐまれたら逃さないで掴み取って欲しい」 陶思維は思い切って本心を明かそうとしたが、運悪くそこへ青雲が現れた。 すると季曼が青雲のために席をはずしてしまう。 焦った陶思維は自分も用事を思い出したと断り、出て行った。 一方、凌剣星は蛟龍(コウリュウ)幇の新幇主である袁朗(エンロウ)を懐柔しようとしていた。 実は凌剣星は前幇主の沈連成(シンレンセイ)から蛟龍幇に茶幇の残党がいると聞いたという。 「寧大人が知ったらどう思うかな?」 すると凌剣星はある仕事を頼みたいと切り出し、多額の手付金を差し出した。 つづく ( ๑≧ꇴ≦)いーにゃんがオカルト!w お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.05.14 14:40:20
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