Just Like Heaven
Cureも特別に好きな存在じゃない。でもこの曲は特別すぎるくらい好きだ。 どうにもロバート・スミスの異形性って言うか、そういうのが全面に立ってしまう傾向があるのがCureで、まあそれ自体ウリでもあったりするのだろうけど(例えばNever Enoughのビデオクリップとか)、実は時々もの凄く美しいメロディを書いたりするんだよね。俺自身はKiss Me Kiss Me Kiss Meしかアルバムを持っていないのであまりどうこう言えないんだけど、このアルバム(2枚組の大作だ)だけでも充分その振り幅を感じることが出来る。勿論ポップな曲も色々入っているけど、やっぱりコレがその最たるものだ。 メロディもさることながらアレンジもいい。とにかくイントロのギターのメロディが良くて、そこに入ってくるシンセの美しさ。タム→チャイナシンバルでアクセントを付けるドラミングも含め、構成美だ。ヒステリックなスミスのヴォーカルも決してこのサウンドから遊離しない。彼の声あってのこのサウンドで、全部セットになってはじめて美しいのだ。 2005年にこのタイトルを関した映画があったようで、そこではKatie Meluaというシンガーがアコースティックなアレンジでカヴァーしている。これはストレートにこの曲の美しさを伝えてくれるいいヴァージョンだと思うが、やっぱりオリジナルには届かない。ダイナソーJr.のもそうなんだけど、歌い出しが「Show me, show me, show me~」と繰り返さないところが減点。惹き込まれないのだ。切実さというか、そういう部分が足りない。 90年のリミックスはあんまり良くないねえ。同じ年ならやっぱりグラストンベリーでのライヴヴァージョンがいい。それでもスタジオ版の奇跡のような出来の良さに勝てていないのだけど。