テーマ:株式投資日記(19643)
カテゴリ:資産運用
コーギーワンコ投資家こなつさんのところで、このような記事がありました。
そのコメントとしてお返しする記事です。(かなり長くなってしまいました為) ------ stareyesさん >やっぱり子会社は買ってはいけないんでしょうか? 収益性は営業利益率をみればわかりますよね。 高ROE=高収益とはならないんですね? ------ まず、ここでは「ROE」という指標に対する考察。 ROEという指標が多分に不確定要素を含むことは明白です。 分母となる自己資本が、企業のいろいろな事情や成長ステージによって いくらでも変化するからです。 ましてや、該社は経営権を親会社が容易にコントロールできる株主構成になっており、 この点は今後の動向について予断を許しませんね。 いつどうされるか判りませんから。 無論、有名親会社の上場子会社を買ってはいけない、ということはありません。 やっぱり内容によります。 私は、『自己資本比率が低ければROEは高める操作も可能。 該社は、親会社の格付けダウン防止や資金繰りなどの都合上 意図的なROE操作をしている可能性もある。』と述べました。 逆もまた真なり、で、『自己資本比率が高ければROEを高める操作しづらい』 つまり過去からの増益や増資で自己資本を潤沢に高めたとすれば当然テコは働かず、 ROEは次第に正しい数値を表すようになってきます。 つまり、ある程度成長し成熟期に入った企業のROEは低めに落ち着いてくる。 ここで言いたかったことは、つまり成長途上の企業ほどテコが働く素地が必要であり、 それが出来る企業(自己資本でなく、借入等のいわゆる他人資本に依存できる) は、まさに成長する。 おおけんずもさんがマンションデベロッパー業種を引き合いに述べられていたことです。 (確か10月上旬頃だったと思います) 成長途中のマンデべはEPSの絶対的な伸びとPERで評価しているのだと。 つまり、ROEや自己資本比率にこだわると黎明期のフージャースには投資できないと。 ひるがえって、チェルトさんはいわゆる流通業界に属する企業です。 マンションデベロッパーとは少し別の視点も必要でしょう。 EPSの絶対的な伸び、という要素は、他業種でももちろん同義です。 私ももちろん、最重要視。 ------ ここからは、自己資本比率の高低および利益率の高低に対する考察。 一般的に、流通業界とは借入が無ければそれに越したことは無い。 何故なら、業種の特性として、仕掛品や商品・たな卸し在庫を持ち、 さらに仕入れにかかわる運転資金を確保しておく宿命があるからです。 この一連にかかる資金を借入調達している場合、 金利負担が常につきまとい、営業外損益を圧迫します。つまり経常利益率の悪化。 無借金で自己資金が潤沢な場合は、即現金決済可のため、 取引条件が有利になったりしますが、 借入依存している企業に対しては、取引先も決済サイトを短くしたり、 売掛手形を手数料払って落とさせたり、 とますます余計なコストが掛かるスパイラルになります。 先ほどのEPS伸長率に比肩する重要性を認識しているのが「利益率」です。 ここが高いということは、もちろん創造原価が安い、付加価値も付けやすい、 利益を上げやすいということですから素直に評価できるわけです。 これは全然難しくない説明ですよね? ------ ですから、ここでの一定の解は、やはり「(営業/経常)利益率」と「EPS伸長率」が 成長性や収益性の代表格なのでしょう、ということです。 さらに、「ROE」とは、ある程度成長し、 自己資本が充実してきた成熟期に入った企業にこそ、 正当な評価指標として当てはめられるのではないか、と。 だからこそ、成長企業投資を標榜している私としては、 黎明期のROEはあまり重視していませんよ、ってことになっているわけです。 (ご参考:私の株式投資術~その2) ・・・例えば同じイオングループなら、ミニストップのほうがよほど利益率は良いです。 ROEは5~6%程度ですが、営業利益率は15%もあります。 なおかつ、経常利益率もプラスオンされています。ということは、 営業外損益もプラスということでますますフトコロ具合には余裕が出て来ます。 こうしてみると、チェルトさんの営業利益率5%って?・・・ってことになりますよね。 どうも指標だけ見ると、ミニストップは成長期の頂上からはやや下山していますが、 依然として、高利益率を維持しており、競争激化の小売業界にあって健闘していると言えます。 じゃあ、セブンイレブンはどうでしょう?・・・ってことで興味は尽きませんね。 ちょっと書き過ぎなのでこの辺で終了です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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