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カテゴリ:ボードゲーム
2002年、ミヒャエル・シャハトが世に産み落とした作品があります。
その作品は現在でも名作と呼ばれていますが、絶版のためなかなか手にすることができない消費者がたくさんいたのです。 そんな「ムガル」が、今年再販されました! (BoardGameGeekより転載) リオグランデからの再販もありますが、オリジナルそのままの日本語版がやっとこさ出たことは大きいのではないかと思います。 言語異存はないものの、ジャケットも、ゲームボードも同じ。 ファンとしては嬉しいですね! 特筆すべきは、今回再販されるにあたって、色覚に障害を持っておられる方のことを考えたコンポーネントになっていることです。 人によっては見えにくい色があるということで、最大限の配慮が加えてあります。 緑色がないのが個人的に切ないところなんですが、緑は見えにくいんでしょうね。。 (BoardGameGeekより転載) 「ムガル」は株と競りを扱ったゲームです。 本当にシンプルな株式ゲーム。それでいて奥が深いのです。 ●コンポーネント 株式は5つの種類が存在します。 白色のUNION PACIFIC(ユニオン・パシフィック鉄道) 赤色のGREAT NORTHERN RAILWAY(グレート・ノーザン鉄道) 黄色のSOUTHERN PACIFIC LINES(サザン・パシフィック鉄道) 青色のSANTA FE(サンタフェ鉄道) 黒色のFRISCO(フリスコ鉄道) カードに記載されている数字は、その株券が何枚存在するかを示しています。 例えば赤色のGREAT NORTHERN RAILWAYなら8枚存在するわけです。 これを1枚めくって全員で競りをすることを繰り返していきます。 カードの色は、その鉄道会社の色を表しています。 枠の色により、売却できる株券の色が決定されます。 最初は、全員がGREAT NORTHERN RAILWAYの株券を1枚ずつ所有した状態でゲームがスタートします。 開始時の所持金は6チップです。 自分の資金は、足元を見られないように手に握っておきます。 オリジナルの「ムガル」のチップはプラスチックですが、今回の日本語版にはなんと適度な重量感のある金属製が! そして、ゲームの終了を告げる「暗黒の木曜日カード」を、山札の下から4枚に混ぜ合わせて準備は完了です。 つまり、ゲームは最後5ラウンド以内に終了するということです。 暗黒の木曜日カード。おどろおどろしい。 ●ゲームの流れ ゲームは以下の流れで進んでいきます。 1.カードの公開 山札から1枚めくり、全員の前に公開します。 この時点で「暗黒の木曜日」が訪れた場合、ただちにゲームは終了です! 2.配当 公開された会社の株券を持っているプレイヤーは、株券1枚につき1点を獲得します! ボード上のマーカーをその分だけ進めます。 1種類の株券をたくさん持てば持つほど、その株券が現れたときに配当がたくさん受け取れるんですね。 3.カードの競り 公開されたカードについて、スタートプレイヤーから順に競りを開始します。 この競りは非常にシンプルです。 競りに残りたいのであれば、スタートプレイヤーから順に、チップを1枚ずつ場に出します。 手番が回ってきたら、1枚チップを出すことで競りに残ることができるのです。 また、競りから降りたい場合、場に出ているすべてのチップを受け取ります。 競りから降りた場合、以降の競りには参加できません。 次に座るプレイヤーから、再び競りを開始します。 最後のプレイヤーが決まるまで! 4.権利の実行 競りの勝者は、以下の2つのうちどちらかを選択します。 株券の獲得 株券の売却 株券の獲得を選択した場合、公開されたカードを自分の手元に置くだけです。 株券の売却を選択した場合が重要です。公開されていたカードの枠と同じ色の株券を任意の枚数だけ売却することができます。 売却した価値の分だけ得点トラックのマーカーを進めます。 そして、その株券1枚の価値は、全プレイヤーが所持している同じ色の株券の総数と同じだけの価格になります。 例えば写真のような状況では、SOUTHERN PACIFIC LINESの株券が公開されています。 枠は赤色のGREAT NORTHERN RAILWAYが売却できることを示しています。 2フェイズ目の配当を受けることができるのは、奥に座っているウィレム・デフォーのみです。 彼は2点を得たので、マーカーを2つ進めます。 3フェイズ目の競りでウィレム・デフォーの右に座るミア・ファローが残りました。 彼女はGREAT NORTHERN PACIFICの株券を売却したいようです。 お腹に抱える赤ん坊のこと、家庭のことに不安を抱いていた彼女は2枚とも売却することにしました。 GREAT NORTHERN PACIFICの価値は、全員の所持している総数が5枚、つまり5点です。 彼女は2枚とも売却したので、5×2で10点を得ます。マーカーを10進めます。 また、競りで2位になったプレイヤーは、競りの勝者が選択しなかった権利を行使することができます。 2位になったプレイヤーと自分の状況を考えつつ行動を決定する必要があるわけです。 因みに、1位のプレイヤーは自分の持っていない株券についても売却することができます。 つまり、公開されているカードの枠に描かれた色の株券を持っていなくても売却を選択することができるのです。 2位プレイヤーとの駆け引きがアツいですね! 株券カードを受け取ったプレイヤーが次のラウンドのスタートプレイヤーになります。 あとは、「暗黒の木曜日」が来るまでこれを繰り返します。 ●ゲームの終了 「暗黒の木曜日」が現れた時点で、即座にゲームは終了です。 この時点で、自分の手元にあるすべての株券は無価値になります! 紙くずと一緒なんです。あんなに大金叩いて買ったのに!! 溜めていたサンタフェの株券も、暗黒の木曜日が来てゴミ同然。宮沢りえに何て言えばいいんだよ…。 (オリジナルのコンポーネントであることにご注意ください) 手元に残っているチップ5枚につき1点を追加します。 その分マーカーを進めたら、いちばんトラックを進んでいるプレイヤーの勝利です! 同点なら最後に多く株券を所持していたプレイヤーの勝ちとなります。 ●借金 こういう経済系を扱うゲームによくあるのが、借金のルール。 例えば、得点トラックが0からではなく10から、など、ある程度進んだ位置からのスタートがあるゲームのインストを受けているときは何故だかわくわくしてしまいますw ホームステッダーズや蒸気の時代みたいなゲームは大好物です。得意かどうかはさておいて・・・。 きっとゲームで苦しい思いをするのが好きなんです・・・そういう人間なんです・・・! とまあ赤裸々でもなんでもない報告はいいとして、「ムガル」では得点トラックに額面の記載がありません。 これは良いシステムだなあと思います。 一見わかりにくいようですが、トラックに0という概念がないためにいつでも借り入れできるのです。 わくわく! 競りを行う前に、プレイヤーは借金をすることができます。チップを2枚取り、得点マーカーを2マス後退させます。 銀行にチップがない場合はそれ以上借金することはできません。 また、借金はいつの時代も割に合いません。時と場合を考えて、自分の財布と相談です! 「ムガル」は、一度なしかさん宅にお邪魔した際にプレイさせて頂いたのですが、本当に良いゲームだなあと感動したことを覚えています。 前から欲しかったゲームでしたが、絶版のため入手が困難でした。 海外で再販される話は前からあがっていましたが、オリジナルの「ムガル」とは異なるアートワークにげんなり。 そんなところへ、ゲームフィールドさんが「ムガル」の再販に尽力された、というわけです。 こんな名作を復刻していただけるのは、ファンにとっても非常に助かります。 ボードゲームという市場や製品の都合上、絶版になってしまうのは仕方のない部分が多いのかもしれません。 しかし、だからこそ、再販にはそれなりのリスクと希望と、愛情が詰まっていると考えています。 過去に出た名作をもう一度!これは素敵なことです。 今一度、このゲームの再販に感謝を致します! I love boardgames! ゲームフィールド:ムガル 鉄道と聞いたら、1830やりたくなってきた… 蒸気の時代でも良いから…! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年10月08日 17時49分52秒
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