≪純粋バカ一代≫【現場監督時代】「シートベルト」≪6≫
【6】その中年警官の、上はどうでもいいと言う言葉を聞いて、単純に一般ドライバーのことを考えてくれてるんだなと思った。「わかった。最後の守りとしてシートベルトするよ」「そうか、わかってくれたか。よかった」俺は、もうほんとに帰ろうと思って「それじゃあ」と言って、敬礼した。中年警察官も、敬礼を返してくれた。「気をつけていけよ」と言われて「ありがとう」と答えた。交番を出るとき、引き戸が閉まってることに気づかず、ガラスに当たった。「シートベルトの前に、出入り口に気をつけなくっちゃね」と、苦笑いをして見せた。「おお、気を付けて行けよ」「ありがとう」引き戸を開けて、晴天のまぶしい神戸にで出かけて行った(終)