≪純粋バカ一代≫【現場監督時代】「お局様」≪22≫
【22】その後、会社の他の人に、お局様はどんな様子に見えたか電話で聞いてみたけど、まろやかな普通の女性に感じたという意見が多かった。性格の底に、自分でもいやなものがあったのだろうと思う。それがなくならないうちの言動は「悪あがき」でしかなかったので、他人にも迷惑をかける女性になっていたのだと思う。今回、「殺してやる」という極端な状況になり、やっと自分で、心の底のいやなものを取り去ったのだろう。だいたい、俺の役目は終わったかなと思ったので、悩み相談のようなものは断ることにした。今度は、俺に依存されても以前と変わらないことなんだから。その後の消息は聞かないが、普通に幸せに暮らしているであろうと願っている。(終)