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ウイグル核汚染 亡命医師が中国告発
中国が新疆ウイグル自治区で40回以上行った核実験による放射線災害の実態が少しずつ明らかになりつつある。今春、来日した同自治区出身の外科医、アニワル・トフティ氏(45)が本紙の取材に応じ、核実験場近くの村では「生まれてくる多くの子どもが先天性の障害を持ち、貧困で治療も受けられない状態にある」と証言した。(外報部・浅井正智)

がん専門の外科医として同自治区の区都ウルムチの病院に勤務していたトフティ氏が、重要な事実に気付いたのは1994年のことだった。
ウイグル人のがん発生率が、中国本土に住む漢民族に比べ35%も高いという数字だ。入院患者を調べたところ、同自治区に30年以上住んでいる漢民族は、ウイグル人同様の高いがん発生率を示したという。
その後2年間、トフティ氏は個人的に調査を続け、ウイグル人が白血病や悪性リンパ腫、肺がんにかかる率が、中国本土に比べ軒並み高いことを突き止め、「核実験の放射線と関連がある」と確信した。
あるとき、調査に気付いた漢民族の同僚医師から「命が惜しければ調査はやめた方がいい」と忠告され、資料を破棄するふりをしたという。
核実験災害の実態が徐々に分かるにつれ、トフティ氏の頭の中で、さまざまな記憶が核実験と結び付いてきた。
ウルムチの小学校で4年生だった73年、3日連続で空から砂が降り続いたことがあった。先生が「宇宙から来た砂です」と言うのを不思議な思いで聞きながら、空を見上げていた。
93年には、地元の新彊東部ハミで出会った羊飼いの老人に「私は神を見たことがある」と聞かされた。ある日、空が「太陽よりも明るく輝き、同時に地震が起こった」のを、老人は神と思い、すぐに祈りをささげたという。翌日現れた人民解放軍の兵士は、老人が飼っていた100頭以上の羊をすべて買い取って行った。老人はそれから2年後に亡くなった。
「宇宙からの砂」といい、「神を見た」というロマンチックな話の謎はようやく解けた。
中国は73年6月、2.5メガトン級(広島原爆の150倍)の核実験を行ったと推定されている。今、トフティ氏は自分が見た「宇宙からの砂」の正体は、風に運ばれてきた「核の砂」だったと考えている。「老人が見た『神』は核実験の閃光に違いない。軍が羊を買って行ったのは、放射能が与える影響を調べるためだろう」

何も知らぬ住民 治療・補償なし

トフティ氏は98年7月から6週間、英テレビ局のドキュメンタリー番組の取材に同行、英国人医師4人とともに観光客を装って自治区内を回り、核実験災害を受けたと思われる人々に聞き取り調査をした。核実験場だったロプノル付近の村には、先天性異常のため話すことも1人で歩くこともできない子どもが大勢おり、苦痛に耐えかね「足を切り落とすしかない」と母親に懇願する女の子も。親たちは「カルシウム不足が原因」という説を信じているようだった。
トフティ氏らは地元医師から、ある村の新生児の8割が口唇口蓋裂だったとの証言を得た。医師は「誰も言い出さないが、私たちは子どもたちに現れる先天性異常の原因を核汚染と考えている」と話したという。
中国のすべての省・自治区にはがん専門病院が置かれているが、同自治区の場合、病床数の増加が顕著だ。97年には約400床だったのが、2008年には5倍増の約2000床にもなった。一方、人口が1億人に近い人口最多地域の河南省では、97年に約500床だったが、2008年でも約850床で倍にもなっていない。
数字だけ見れば、同自治区はむしろ手厚い措置を受けているようにも見える。しかしトフティ氏によると、「病床が増えても金持ちか公務員でなければ入院もできず、貧しくコネもない人は治療など全く受けられないし、政府からは何の補償もない」という。
ドキュメンタリー番組の制作にかかわり、中国の“恥部”を暴いたことで英国亡命を余儀なくされたトフティ氏は、怒りを込めながら最後にこう言った。
「少数民族のウイグル人は中国政府から人間扱いされていない。彼らはウイグル人を核実験のモルモットとして使うことしか考えていないのか」

被爆国「日本唯一ではない」

中国の核実験によって引き起こされた核汚染や住民への被害はどのようなものだったか。中国政府は核実験データはもちろん、実験を行った事実すら公表していないため、全容は不明だ。
隣国カザフスタンで入手したデータを基に、中国の核実験災害を初めて科学的に推定した札幌医科大学の高田純教授(放射線防護学)によると、中国が新彊ウイグル自治区で行った核実験は、1964年から96年まで、延べ46回に及び、総爆発出力は20メガトン(広島原爆の1250倍)。死者19万人以上、129万人以上の被爆者に奇形や白血病、がんなどが多発したと推定されるという。
同教授によると、旧ソ連でも核実験の際は、日本の四国ほどの広さの実験場の周囲に鉄線を張って立ち入り禁止にしたという。「中国ではこうした安全対策がとられた様子はない。『安全なくして実験なし』は科学者の常識だが、中国の核実験は実験とすら呼べない『核の蛮行』だ」と言い切る。
放射線災害を受けたのはウイグル人だけではない。核の砂は南に隣接するチベット自治区にも達したとみられる。
高田教授はこれまでも原子力発電所事故のチェルノブイリや臨界事故の東海村をはじめ、世界各地で放射線被害の現地調査を手掛けてきた。今後はウイグルだけでなく、チベットについても人体や環境に対する放射線調査と被害者への人道支援を行う「シルクロード科学プロジェクト」を推進していく方針で、国内外の人道支援団体や個人に協力を募っている。
「中国の核実験は、核が平和時に使われた最悪のケース」と高田教授。「日本は最初に核攻撃を受けた国だが、決して唯一の被爆国ではない。中国が起こした核実験災害について情報を発信し、被害者を支援していくのが、同じく核の被害を受けた日本の役割だ」(中日新聞 2009/05/01)

中国核実験で19万人急死も…日本人観光客も被害か
中国が新疆ウイグル自治区で実施した核実験による被害で同自治区のウイグル人ら19万人が急死したほか、急性の放射線障害など甚大な影響を受けた被害者は129万人に達するとの調査結果が、札幌医科大学の高田純教授(核防護学)によってまとめられた。被害はシルクロード周辺を訪れた日本人観光客27万人にも及んでいる恐れがあり、高田教授は警鐘を鳴らしている。
高田教授は、1日発売の「正論」6月号に「中国共産党が放置するシルクロード核ハザードの恐怖」と題した論文を掲載した。2002年8月以降、中国の核実験に伴う影響を調査した高田教授によると、中国の核実験は1996年までに爆発回数で46回。爆発威力や放射線量、気象データや人口密度などをもとに被害を推定した。
爆発では楼蘭遺跡の近くで実施された3回のメガトン級の核爆発で高エネルギーのガンマ線やベータ線、アルファ線などを放射する「核の砂」が大量に発生した。上空に舞い、風下に流れた「核の砂」は東京都の136倍に相当する広範囲に降り、その影響で周辺に居住するウイグル人らの急性死亡は19万人にのぼる。甚大な健康被害を伴う急性症は129万人のうち、死産や奇形などの胎児への影響が3万5000人以上、白血病が3700人以上、甲状腺がんは1万3000人以上に達するという。
中国の核実験は、核防護策がずさんで、被災したウイグル人に対する十分な医療的なケアも施されておらず、129万人のうち多くが死亡したとみられる。
広島に投下された原爆被害の4倍を超える規模という。高田教授は「他の地域でこれまで起きた核災害の研究結果と現実の被害はほぼ合致している。今回もほぼ実態を反映していると考えており、人道的にもこれほどひどい例はない。中国政府の情報の隠蔽(いんぺい)も加え国家犯罪にほかならない」と批判している。
また1964年から1996年までの間に、シルクロードを訪問した日本人27万人の中には核爆発地点のごく近くや「核の砂」の汚染地域に足を踏み入れた恐れがあり、影響調査が必要と指摘している。(夕刊フジ 2009/05/01)

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あああああああ・・・・うちの母親も被曝したかも・・・旅行でシルクロード行ったからなぁ





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Last updated  2011.04.10 22:50:02
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