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カテゴリ:BALLET
シルヴィ・ギエムの愛の物語 Bプロ
「三人姉妹」「カルメン」「田園の出来事」 2005年5月4日(水・祝) 東京・上野 東京文化会館 Bプロは、すばらしかったです~ マッシモ・ムッルのベリヤエフ、激かこいい~でした! しかも激やせ~ 2年前はむっちむちしてましたよね? 2年前の彼とは別人。すごいスレンダー。 こんなに細くてリフト大丈夫?と思うぐらい。 見ているだけでため息が出るぐらいかこいい~でした。 アダム・クーパーの若い頃に似ている気がしました。 今回初見だった「田園の出来事」期待はしていましたが、期待以上でした! アシュトンはやはりすばらしい! セットも豪華で素晴らしく、衣裳もちょっぴりファニーでロマンティック。 Bプロ、3時間、堪能しました。 3つの違う世界が見られました。 「三人姉妹」のヴェルシーニンのニコラも良かったけど、ムッルがあまりにもよくて、どっか飛んでいきました~ 金曜にまた行ってしまうかもしれません。あぁ… 「三人姉妹」 原作;チェーホフ「三人姉妹」 振付;マクミラン 音楽;チャイコフスキー 初演;1991年2月 コヴェントガーデン ピアノ生演奏;フィリップ・ギャモン マーシャ:シルヴィ・ギエム イリーナ:イザベル・シアラヴォラ オリガ:ドルー・ジャコヴィ ヴェルシーニン中佐:ニコラ・ル・リッシュ クルイギン:アンソニー・ダウエル ソリョーヌイ船長:アンドレア・ヴォルピンテスタ トゥーゼンバッハ:ルーク・ヘイドン ナターシャ:シモーナ・キエザ アンドレイ・プロゾロフ:マシュー・エンディコット チェブトイキン医師:オリヴィエ・シャヌ アンフィーサ:ニコール・ランズリー 仕官:ギャビン・フィッツパトリック マシュー・グラハム ダンカン・ヒューム トーマス・サプスフォード いきなり幕が開く。 中央にギエム。 音楽はピアノ・ソロのみ。 舞台上の紗幕の向こうはクルイギンの家の客間。 三人姉妹がステージで揃って踊ったり、ばらばらに踊ったり。内省的な心情を表すダンス。退屈している日常。そこへ軍隊がやってくる。士官たちがクルイギンの家に遊びに来る。 オリガを演じるドルー・ジャコヴィはとても背が高く、ギエムよりも高い。踊りもシャープでちょっとギエムに似ている。足が180度上がるところとか。 一方イリーナのイザベル・シアラヴォラは末の妹らしく背が低い。足はギエムとかジャコヴィほどには上がらない。 クルイギンとヴェルシーニン中佐(ニコラ・ル・リッシュ)が上手から登場し、すぐに邸内に入る。 ニコラは軍服姿。ニコラは軍服姿似合いません~。だってお尻ががっちりしてるんだもん。きょうもうっすら髭のニコラ。パパ・ニコラ。 人々の関係性を表すシーン。 出たり入ったり、すれ違ったり、踊ったり、断片的なシーンの積み重ね。めまぐるしい。 次々にいろんな人が現れて踊っているので、なにがなんだかわからない。このへんもマシュー・ボーンへの影響を感じさせる。 3番目に上演されたアシュトン作品との対比で明らかだが、アシュトンが、レチタティーボとアリア(芝居部分とダンス部分)に分けているのに対し、明らかにマクミランは踊ることでドラマを進行させようとしている。 マーシャとヴェルシーニンの出会い。 ニコラのソロ。 ピルエット2回転して連続で真横に180度開脚のジャンプ。これの繰り返し。3回ぐらい。そう、ムハメドフが見せていたすごい技です。 ニコラはムハメドフほどの迫力はないものの、完璧で、超安定していて、優美。 ヴェルシーニンはこれでもかと回ったり飛んだりの技が多い。たくましくて、スピード感もある。それでいて優雅なニコラ。 イリーナと、彼女に惚れている2人の男、ソリョーヌイとトゥーゼンバッハのパ・ド・トロワ。 パーティ。いろいろな組み合わせでワルツを踊っている。パートナーの奪い合いがあちこちで見られている。人間のいらいらとか、ちょっといやーな感じとかそういう感情を描き出すのがマクミランはうまい。 マーシャはヴェルシーニンと運命的に見つめあう。惹かれ合う。二人を見て心配になるクルイギン。マーシャとヴェルシーニンは手に手を取って退場する。にこやかに景色の説明なんかをしながら。 クルイギンのソロ。苦しい気持ちを押し殺す踊り。見つめるオリガ。 マーシャとヴェルシーニン、1回目のパドドゥ。 複雑なリフトがある。マーシャがヴェルシーニンに飛び込んで1回転し、そのままアラベスク。また、ヴェルシーニンがアラベスクしたマーシャをそのまま真上にリフトする。 パドドゥでヴェルシーニンと向かい合いながら足を高ーく回すマーシャ。ギエムの足はまるで別の生き物みたいに動く。猫の尻尾みたい。不思議な感じ。 ニコラはとても優しそうな愛おしそうな表情でギエムを見ている。 オリガに見咎められ、気まずく分かれる二人。 乳母車を押すナターシャと夫のアンドレイ。彼らの俗人ぶりを表す踊り。赤ん坊をあやす女中。 酔っ払ったチェブトイキン医師と椅子の踊り。 クルイギンの逡巡の踊り。 将校2人のいがみ合い。しかし、トゥーゼンバハのルーク・ヘイドンは眼鏡を押し上げたりどこか、ユーモラス。 ソリョーヌイは暴力的で粗野。トゥーゼンバハを締め上げる。 マーシャとヴェルシーニン、2回目のパドドゥ。 二人はついに誰もいない場所で逢引する。 気持ちが堰を切ったように溢れ出る。固く抱き合う二人。 最初はゆっくりだが、2人の愛のパドドゥは次第にスピードアップする。 ヴェルシーニンの気持ちが高まり、マネージュ、ジュテの嵐。 2回転ザンレールを連続してやって、舞台中央から上手前方にいるマーシャに近付いていく。こういうのがバレエ技に見えないからすごい。気持ちの思うままに自然に踊りが出てくる感じだ。 グラン・ジュテしながら飛びながら舞台下手に退場するヴェルシーニン。残されたマーシャは、たまらず、彼の残していった軍服の上着を抱きしめる。そのまま泣き崩れているとオリガがやってくる。クルイギンが赤いピエロの鼻をつけて笑わせようとするが、いっそう激しく泣きじゃくるマーシャ。ちょっと神経衰弱になったみたい。 ソリョーヌイとトゥーゼンバハは決闘する。倒れたのはトゥーゼンバハ。 雪が降っている。旅行着姿の三人姉妹。軍隊が去っていく。三人姉妹は慰めるように抱擁しあう。幕。 カーテンコール。 作品自体の上演時間は40分強。 マクミラン作品は、バレエなのに、なぜかバレエを見た感がない。心の動きを表すことが一番の目的になっているからだ。観客は、閉塞状況の三姉妹の鬱屈した心情を体験することになる。 うっとおしいロシア文学作品を読まされた気分になる。 「カルメン」 ――《愛の物語》のための特別ハイライト版―― 振付;アルベルト・アロンソ 音楽;ビゼー/シチェドリン 初演;1967年、ロシア ボリショイ劇場 カルメン:イザベル・シアラヴォラ ホセ:マッシモ・ムッル エスカミリオ:アンダース・ノルドストローム ツニガ:アンドレア・ヴォルピンテスタ 運命(牛):ドルー・ジャコヴィ 女性ソリスト:ニコール・ランズリー 村上華菜 男:ギャビン・フィッツパトリック マシュー・グラハム ダンカン・ヒューム トーマス・サプスフォード 平野玲 野辺誠治 長瀬直義 宮本祐宣 横内国弘 田中俊太朗 がらっと変わって、アルベルト・アロンソ版、「カルメン」。この作品は大好きです。 オーケストラが演奏し始めると、幕が開き、大きな牛の象徴的な絵が下がっている。牛の目は燃えるように赤く、牛の鼻の穴はオス(♂)とメス(♀)のマークになっている。 幕が上がるとそこにはカルメン! シアラヴォラの放つ存在感がすごい! さっきのイリーナは何だったのというくらい、別人。裸に近いような挑発的な黒の衣裳。結い上げた髪に赤い花。一瞬で虜になった。 アロンソの振付はおもしろい。 カルメンが1人で挑発的に踊る。すごい~ 足を前に高くあげる。トゥで。 高いアラスゴンド、太ももを手で押さえながら。 イリーナ役では柔らかく女性っぽく踊っていたが、ここでは白鳥が黒鳥に変身したように、シャープでしかも妖艶な踊りになっている。 上から人々が軽蔑したように見ている。見世物なわけだ。闘牛と同じ。 ツニガが舞台上手から登場。続いてホセが舞台下手から登場。 えぇ~っ、この人ムッル? 激やせ。こんなにスレンダーでしたっけ? 首藤さんかと思っちゃったくらい(またデジャヴュが…)、細かった。いやまじでそのくらい細かったっす。 2人とも軍服で帽子を被っている。 兵隊の行進のような動きで踊る。 カルメンとホセの最初のパドドゥ。 音楽は「ハバネラ」♪~l'amour est enfant de Bohe^me~ カルメンの腕をホセがつかむが、カルメンは笑って振り払い、逃げていく。 ホセのソロ。 音楽は「カルメン」の第3幕への間奏曲。この曲もすばらしい曲。 ホセのソロすばらしい… 首藤さんもすばらしかったけど、ムッルもいい…。 闘牛士エスカミリオの登場。金髪のアンダース・ノルドストローム。 音楽は当然、「闘牛士の歌」。♪~Toréador en garde! Toréador Toréador カルメンとホセの2回目のパドドゥ。 音楽は「花の歌」♪~La fleur que tu m'avais jetée,~ カルメンの中でも、特にこの歌が一番好き。 ホセは白いシャツ姿で出てくる。 フェリとカレーニョの「花の歌」もすばらしかった。このカップルもすばらしい。リフトが複雑で難しくて体力使いそう!なのだ。3演目目は大丈夫なのかと余計な心配。 ホセがカルメンの胴体に手を回していきなりさかさまにするのとか、腕を持ってキリストの十字架のようにカルメンを上に掲げるのとか…。 シアラヴォラが完全に足を曲げない状態で2回転ピルエットしながら、続いて足を前に伸ばすというパを3回繰り返す。 シアラヴォラは完璧。 ムッルもすごく気持ちが入っていた。ほんとにすごい緊張感にあふれていて、すごかった。 牛の巨大な絵が愛し合う2人の前に覆いかぶさる。 カルメンがエスカミリオと踊っているの上から見下ろして見たツニガ。ホセの裏切りを知った。 ジプシーのトランプ占いのシーン。 音楽もそのまんま。自分の運命を占うと「死」ばかりが出る、という歌の部分。 椅子が舞台に向かって後ろ向きに置いてある。 カルメンと牛(運命=死)、ホセ、エスカミリオ、ツニガ。 運命とツニガはホセをカルメンから引き離そうとする。狂おしいダンス。 牛がすごい。例の背が高いドルー・ジャコヴィ。 背が高いので迫力。顔のメイクも鼻の穴を黒く大きく描いていて怖すぎ。 ホセはこのシーン、舞台下手で8回転のピルエットあり。ムッルのダンスはめちゃくちゃ美しいです。また見たい。 このアロンソ版「カルメン」はすごくすべてが象徴的で、オペラや小説の「カルメン」とかなり異なっている。登場人物も限られているし、発する雰囲気が、匂いが違うんだよね。なんか儀式っぽい。すごく。 闘牛も死も儀式なんだよね。 闘牛場。音楽は4幕の音楽。 牛が引き出されてくる。エスカミリオとのパドドゥ。 牛すごい~ いいです。 そしてカルメンとホセが登場。ホセはカルメンを刺す。カルメンは平然として正面に向き直る。しかし、突如がくっと崩れる。ホセが抱きとめる。そのままカルメンは死んで床に横たわる。 ホセは立ったまま茫然。目を見開き、そのまま立ち続ける。 カーテンが下りる。 カーテンコール。大拍手! すばらしかったです。 欲を言えばエスカミリオはコープで見たかったっす。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年05月05日 23時53分00秒
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