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カテゴリ:BALLET
「田園の出来事」
原作:ツルゲーネフ(戯曲) 振付:フレデリック・アシュトン 演出:アンソニー・ダウエル グラント・コイル 音楽:フレデリック・ショパン(モーツァルト「ドン・ジョバンニ」の「お手をどうぞ」による変奏曲ほか) 編曲:ジョン・ランチベリー 装置・衣裳:ジュリア・トレヴェリアン・オーマン 初演:1976年2月12日、ロイヤル・オペラ・ハウス ナターリヤ:シルヴィ・ギエム ベリヤエフ(家庭教師):マッシモ・ムッル ラキティン:オリヴィエ・シャヌ ヴェラ(養女):小出領子 コーリア(息子):アルベルト・モンテッソ イスライエフ:ルーク・ヘイドン カーチャ(メイド):ニコール・ランズリー マトヴェイ(従僕): トーマス・サプスフォード 指揮:アレクサンダー・イングラム ピアノ:フィリップ・ギャモン オーストラ:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 セットが遠近法ですごい。 イスライエフの屋敷の居間、遠くに庭園の池に掛かっている小さな橋が見える。この橋も劇中で実際に使われる。 手前上手にソファ。くつろぐナターリヤ夫人(ギエム)と彼女を慕う友達のラキティン(オリヴィエ・シャヌ)。下手には肘掛け椅子に座る当家の主人、イスライエフ。 下手奥の書き物机?には息子のコーリア、上手奥のハープシコード(ピアノ?)に座って演奏しているのは養女のヴェラ(小出)。 みんな幸せそうで仲良さそうで楽しそう。ストレンジャーが登場するまでは。 ここは芝居部分。(レチタティーボ) ナターリヤと養女のヴェラ。ヴェラはすごいアップテンポの曲で楽しそうに踊ってみせる。 音楽はベジャール振付の「ドン・ジョヴァンニ」でも使われた、モーツァルトの主題によるショパンの曲。ショパンだからピアノががんがん入ってくる。 軽い楽しいモーツァルト。美しい曲だらけ。 踊りきったヴェラを愛しむナターリヤ。ナターリヤはこの娘を可愛がっています、という伏線。 そして息子コーリア(アルベルト・モンテッソ)のソロ。すごいんです。ボールを使ってボールをつきながら難しい回転にジャンプに、めまぐるしい。これを振付けたアシュトンは鬼だ。 この子は多分設定は12歳ぐらいの子供だと思うのだが、演じているのは大人。それもかなり踊れる人でないと無理。 メイドのカーチャ(ニコール・ランズリー)はえらく艶っぽい。服装もきれいなんで、メイドなのかどうかわかりづらかった。 主人のイスライエフ(ルーク・ヘイドン)は鍵を失くして大騒ぎ。ポケットを引っくり返してコインをばら撒き、息子が拾い集める。みんなに探させて大変なことに。そこでナターリヤが簡単に見つけて、 「あなた~これではなくて?」と持ってくる。 このへんがアシュトン。 すごくファニーで笑える。 そこにやってきました闖入者、家庭教師のベリヤエフ(マッシモ・ムッル)。また書いてもいいすか? 激かこいい~ 水色のシャツに、ストライプのズボン。スレンダーですらっと背が高く、髪は茶色で少し長くて、巻き毛で、ハンサム。 登場するや、4回転し、ながーいキープの90度のアラベスク。美しすぎる。 ベリヤエフはコーリアにお土産を持ってきた。凧。 ベリヤエフとコーリアとヴェラとナターリヤは4人で楽しく踊る。 このダンスがまたファニーですばらしかった。見ているだけでわくわく楽しくなるようなダンス。さすがアシュトン。 一人残されたナターリヤ。私恋しちゃったのかしら。 ベリヤエフの素晴らしい、ソロ。 ベリヤエフと彼に一目ぼれしてしまったヴェラのパドドゥ。ここの小出さん良かったです。恋する乙女、積極的にベリヤコフを誘って踊る。ベリヤエフはナターリヤの方に惹かれているので最初はしぶしぶだが、次第に楽しそうに。男って…。 2人の楽しい様子を見てしまったナターリヤ。大激怒。ヴェラを平手打ち。 メイドのカーチャは従僕のマトヴェィと庭の果物を摘んで帰ってきた。そして、椅子にこしかけるベリヤエフを誘惑する。 「果物食べる?」 「あ~ん」 なんてやってる。またベリヤエフはカーチャとも踊りだしてしまう。男って…。 ナターリヤとベリヤエフのパドドゥ。 ああもう、ムッルお疲れです。かわいそう。あんなすごい演目の後にまたこれだからもうそりゃ疲れてますよね。ちょっとがたがたでした。足元も決まってないところがいくつか。また残ってギエムと特訓かしら(推測です)。 それを見つけたヴェラは怒り心頭。 大声で叫んで皆を呼び集める。決まりの悪い2人。 もうここにはいられない、とベリヤエフはラキティンと去ることに。 コーリアは淋しくてやだやだと駄々をこねるが仕方がない。家の中がばらばらになってしまった。居間には誰もいない。ベリヤエフだけだ。君がしたこと。 遠くの橋の上で立ち止まって居間を眺めるベリヤエフ。しかしナターリヤはいない。ベリヤエフが橋を下りて消えた瞬間、ナターリヤが現れる。行ってしまった。悲しい悲しい表情。 この時ナターリヤは美しい長いリボンが2本付いたドレスを着ていて、それを使って効果的に、優雅に優雅に踊る。やっぱギエムはソロがいいなあ~ 回りながら足をぱっと上に、頭に付くぐらい上げてアラスゴンドで回る。この繰り返し。ギエムお得意の技だが実に美しい。 このシーンではないですが、ギエムのアラベスク・キープも2回ほどありますのでお楽しみに。 下手の椅子に向かって立って泣き崩れているナターリヤ。そこへベリヤエフが戻ってくる。しかし、声をかけられない。声をかけたらまた彼女の苦しみを深めてしまう。ベリヤエフは後ろに長く垂れるリボンに万感の思いを込めて口づけする。そして自分が胸に挿していた花を取って足元に投げる。そして去っていく。 去っていく音で気づいて振り返るナターリヤ。しかしそこには誰もいない。 花が落ちている。 花を拾って外を見て泣く。振り返った時、頬にきらきら光る涙が。 立ち尽くすナターリヤ。 幕。 さすが最後、決めてくるギエム! バレエボーイズとの演目とは別人の演目でした。 アシュトンはツルゲーネフをツルゲーネフでない、自分の涙あり笑いありのロマンティック・コメディに変身させている。さすがだ。 いや~堪能しました。3時間。夜だったらめちゃ疲れそうだ。 Aプロと足して2で割ってちょうどいいぐらいの充実のBプロでした。 楽曲について。 冒頭部分に使われる、ショパンの、モーツァルト「ドン・ジョバンニ」の「お手をどうぞ」による変奏曲、 これはモーツァルトのオペラ「ドン・ジョバンニ」のツェルリーナを口説くドン・ジョヴァンニの歌。なるほど、ドン・ジョバンニねぇ…。意味深だ。 オペラでは叙情的にゆっくり歌われるが、この変奏曲は猛スピード。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年05月05日 21時43分01秒
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