日生劇場「フィガロの結婚」 Part2
第3幕
バジーリオが1Fのかみての部屋でコンテの髪を切っている。
スザンナが気つけ薬をもらいにくる。
バジーリオは去る
コンテはスザンナが逢瀬を承知してくれたので天にも昇る心地。
スザンナに3Fにいるフィガロから電話がかかってくる。
「訴訟に勝ったわ!」と言っていなくなるスザンナ
コンテが聴き咎める
「訴訟にかっただと?」
そして怒りのアリアになっていくがここが前述の音程を高くして歌うアリアです。
絶品でした。初めて聴きました。ブラヴォ!
コンテッサのアリア。
ドンクルツィオが登場する。コミカルな演技が抜群でおもしろすぎ。
ノートパソコンを常に開いているが、しゃべりはスムーズではない。
年増に結婚を迫られたフィガロは、出生の秘密を語る。
自分の息子だと気付いたマルチェッリーナ。
バルトロ「おまえのママだよ!」
これを tua madre (お母さん)ではなく Mamma(ママ)と言ったので会場大受け。
そのあとは madre になったが。
スザンナが到着し、マルチェッリーナと踊っているフィガロに大激怒。
平手打ちする。
目論見がはずれたコンテは激怒し、クルツィオのノートパソコンを奪って壊す。
スザンナとコンテッサは計略を練っている。二重唱、絶品でした!
女子高生たちがコンテッサの部屋にやってくる。
ケルビーノは金髪のかつらに赤のチェックのミニスカートでまるで女子高生!
アントーニオが見つけてケルビーノをつかまえる。
コンテは憤慨する。
しかし2Fのしもての部屋で、バルバリーナがコンテとの援助交際を激白し、コンテは許さざるを得なくなる(笑)
フィガロに「くじいた足で踊るのか?
もう治りました!
ここから結婚式になるがここがすごく斬新だった。
マンション全体に裏庭で行われている結婚式の映像が映し出されているが、客席からは裏庭は見えないのだ。
よくある結婚式のビデオの映像がそこに広がっていて、納得の効果。
スザンナはコンテに手紙を渡す(それはビデオで見れるだけなのだ)
人々が走り出てくる
人々は歌ではコンテの徳を讃えるが、実際には愛し合う2人を邪魔する悪魔の人形劇が演じられ、皆コンテから離れ、遠巻きに見ている。悪魔の人形は首つりのようにさらされる。
コンテは孤独を感じている。
しかしこりずにスザンナの手紙を読んでいる
フィガロが勘づく。
ここで夜の庭のシーンになるわけですが、このプロダクションではすべてのマンションの壁が取り払われ、幻想的な木立が向こうに見える光景になります。クラウス・グートかと思いました!すごい。しかもまるで森の中でさまよっているように人々が1Fから3Fまでをうろうろしてすれ違っているという、実に物理的にも心理的にも納得できる演出なんです。ここまで見てこの演出家は天才だと思いました。あとで伺いましたら、この3F建てにするアイディアは、こういうふうにしたいよねと美術に相談して創り上げたそうです。Bravo!
バルバリーナがなくしたピンを探している。この歌唱、良かったです。
フィガロとのやりとりも最高。大山さんの演技力が炸裂します。バルバリーナに怒ってしまい、どうして怒るの?ふざけてるだけさ。
あなたに関係ないものね
関係ないよ、関係ない!これを明るく叫ぶように言う。
フィガロの心持を演じきってあまりある。
本当にうまい!
マルチェッリーナが心配そうに来ると、いきなり床につっぷして泣きだすフィガロ。
「ママ~~~~!!」
客大爆笑。
「僕死んじゃいそうだよ!」
「もう死ぬよって言ってるんだよ!」
ここの会話がイタリア語なのに日本語に聴こえるぐらいうまい!
客も笑いっぱなし。
マルチェッリーナのアリア。これが絶品でした!
ブラヴァ!
また人形劇が演じられる
今度は男たちの番。
めったにきけないバジーリオのアリア、絶品でした!
美しい声、豊かな声量。
ゆっくりゆっくり歌わせる指揮者さすが!歌手を知り尽くしている。
そしてフィガロのアリア。これもまた感情が入っていてすばらしかった。
スザンナのアリア
これも絶品!
フィガロがずっと様子をうかがっているのがいじらしい!
スザンナに化けたコンテッサにまとわりつくケルビーノ。
コンテが嫉妬しながら出てくる。
フィガロが2Fから壁伝いに下りてくる。これも若いからできる芸当。
コンテにケルビーノと間違われて平手打ちされる。
コンテはスザンナと間違えてコンテッサに愛を語る
フィガロが追い払う
フィガロの歌唱、ここは好きなとこ。
フィガロはスザンナをコンテッサと間違えるが声でスザンナだと見破る
フィガロはスザンナをからかおうとコンテッサにめろめろな振りをする。
スザンナがきわめて暴力的にフィガロをぼこぼこにするので客大爆笑
フィガロはスザンナを抱きしめる
ここは本当にすてきなシーンでした。
一方コンテはコンテッサと思ってスザンナを糾弾するが、
振り向くとそこにコンテッサが立っていた
皆驚く
許してくれ!
一行はコンテとコンテッサを残していったんかみてにはけるが、またしもてから出てくる。
人々は笑いながら屋敷の中央の出口から出ていく。
バジーリオが最後に締めるように出ていく。
全幕了
お疲れさまでした!
若い力とベテランの力とすべてが見事に融合し創り上げたこの新しいフィガロに乾杯!!
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才能を見せ付けた演出の菅尾友さん、フリーの演出家としてこれがデビューだそうです。日本での予定は今のところなく、今後ノルウェーとオーストリアでの予定が決まっているそうです。今後の活躍を期待したいと思います!まだなんと33歳という若さです。Amazingですね。彼を支えたすべてのスタッフにも感謝したいと思います。
Tomo Sugao, opera director 24 Nov. 2012