日出谷駅の駅弁 朝陽館のとりめしの思い出
一つの駅弁にどんだけお金使ったんだよ、というお話でございます。仙台勤務だった頃、ミニコミ誌だったかに日出谷という駅で駅弁を売っているオッチャンのことが載っていました。日出谷駅って郡山から会津若松を経由して新潟(正しくは新津)まで行く磐越西線にあります。さらに日出谷駅は非電化、単線区間の無人駅で「快速あがの」も停まりません。そんな駅でオッチャンが一人で駅弁を売っている。しかも昔ながらに台をかついでの立ち売り。ふうん、買いに行きたいな、と思っていたところに「またそろそろ転勤ありそうだよ」という東 京一郎的な状況となり、「よし、仙台にいるうちに行っておこう」と行動スタート!ところが、、、これがなかなかアクセス悪いのよ。まあローカル線なんで当たり前なんですが。遅い時間に行ったら売り切れの可能性が大。山の中の無人駅で数時間を過ごすのはツライ、、、等々の条件を勘案してこんなアプローチとなりました。前日の土曜夜に新潟入り。ビジネスホテルで一泊します。翌朝、磐越西線の快速に乗りまず鹿瀬駅で下車。いやひょっとして津川駅だったかな。そこからタクシーで日出谷駅まで行きます。駅弁を買ったら快速に続行する各駅停車に乗って帰ろう、という算段です。それが現地での滞在時間が一番短くて済む方法だったんですよ。列車の到着とは関係ないタイミングで駅に着いたため、当然、駅弁屋さんは駅におらず。駅前にある朝陽館という旅館まで行って、そこでとりめしの購入完了!駅の待合室で出来たてのとりめしを食べていると逆方向の新潟方面行きのディーゼルカーがやってきました。その時間チョイ前に駅に現れた朝陽館のおっちゃんは「べんとー、べんとー」と声を張り上げます。しかし、、、その列車は既に窓の開かないタイプ(キハ110型)だったため、開いたドア越しに一人が買えただけでした。自分はとりめしを食べ終わってしばらくボンヤリ。やがて来た会津若松方面に行く各停に乗車して日出谷駅とお別れしました。切符は土日の2日間使用できる「ウィークエンドフリーきっぷ(15,000円)」を使用。新潟のビジホ代が6,000円程度だったか。それと日出谷駅までのタクシー代で5,000円以上払った記憶があります。当時600円だった駅弁に25,000円以上かけたことになる、、、俺は遅れてきたバブル野郎なのか?しかも「昼飯を食べに京都まで行く」的なバブリー・エピソードではなく「磐越西線でとりめし」って。鉄分ばっちりだな(笑)でもでも、初夏の日出谷はきれいな風景でしたよ。良い思い出です。その後、いっときはSLイベント列車の運行にあわせ駅弁も販売していた、とのこと。しかし残念ながら2010年に「朝陽館店主の高齢化を理由に「とりめし」の調製・販売をとりやめ、日出谷の駅弁は完全に消滅」してしまいました(Wiki情報)。自分の手元にこの掛け紙↓一枚のみが日出谷駅と朝陽館のオッチャンの思い出として残っております・・・にほんブログ村