<TCK女王盃> 2010年の大井競馬(TCK)のオープニング開催を飾る第13回TCK女王盃(統一G3、ダート1800メートル、20日)のメンバーが17日に決定し、中央3頭、他地区4頭を合わせ14頭立てで争われることになった。
白毛のアイドルホースとして人気のユキチャン(牝5、川崎・山崎)は11番枠からの発走となる。
前走クイーン賞では地方移籍後初の重賞Vを飾った。
南関東の代表として中央勢を迎え撃つ。 ユキチャンが新天地で再び輝き出した。
それほどクイーン賞の勝ちっぷりは印象的だった。
好位につけて直線で抜け出す正攻法。
バテずに最後まで歯を食いしばって伸び、逃げ込みを図るテイエムヨカドーを首差抑えた。
今野騎手がレース後に「スタートもすんなり出てくれたし、ゴール前もすごい粘りだった」と振り返ったように、ようやく本来の能力としぶとさが戻った。
格が高い統一G3で価値ある勝利だ。 移籍2戦目で重賞勝ち、そして復活に導いた山崎師は「ユキチャンは私たちが思っていた以上に調整がしやすい馬です。ごはんもよく食べるし」と打ち明け、「クイーン賞は移籍2戦目だし相手もそろっていた。いろんな意味で試金石だった。これでやっとアイドルホースから女王になれました」と安堵(あんど)の表情で続けた。 中間もいたって順調だ。
連日予定通りの乗り込みをこなし、15日には無事に併せ馬で最終追い切りも終えた。
「調教後の息の入りが良かったし気合乗りも相当にいい。引っ張っていても以前とは全然違う馬という感じ。気合がすごく、中央所属で川崎に遠征しに来たころのユキチャンのイメージ」と目を細めた。
カイバも相変わらずよく食べるそうで「けっこう(トレーニングを)やっているのにね。食べるから、こちらのやりたいことができる」と頼もしい。 地方に移ってきてからも人気は絶大だ。
「いろんな方から暮れにはクリスマスカード、正月には年賀状をいただいた。本当にうれしいことです。ファンの多い馬だから、今後も何とか期待に応えられれば…」。 クイーン賞では中央時代からの宿敵ヤマトマリオンを5着に退けた。
「TCKディスタフで負けたツクシヒメ(重賞2勝の南関東を代表する実力牝馬)にもリベンジを」と山崎師は意気込む。
2010年のスタートとなる指定交流重賞で、どういう走りを見せるのか興味深い。 |