カナダの my land
久しく投稿していないので今日は閑話一題40年以上前になるがオタワの大学にいたことがある。このとき七つ年下の大学院生がアルバータ州からやってきて同室になった。アルバータ州カルガリーではその昔、石油が出てその金を使いきれず、州税は無しどころか成人にお金を配ったと話していた。 真偽は確かめていない。その学生にはお兄さんがおり、そのお兄さんが子供時代シリアルを買うと下の写真の土地の権利書が付いてきたというのだ。よく見ると KLONDIKE BIG INCH LAND Co.、INCO.という会社が下にサインした人に1インチ平方の土地を譲渡する言う1955年発行の権利書だ。しかもその権利は売ることも相続することも出来るとある。Yukon Territory の Whitehorse という町(村)の上記不動産会社の管理する ロット番号 CC69551番地が明記されている。この学生はもう一枚権利書を持っていてその位置は遠く離れており、飛行機をチャーターしなければ行けないが1インチ平方では着陸も出来ない。もし希望なら売ってあげるよ、ときた。それならと100円で買い求めたのが下の権利書である。まず最初に彼のお兄さんが署名し、ついで彼 Paul Swingle, が署名し、さらに当時の私が署名している。表裏びっしり書かれた邪長以上に邪長な古文はとても読みきれないが肝心なところを転記してみると下のようである。 KLONDIKE BIG INCH LAND CO. INC., Grantor and (sigened Name) hereafter called the Grantee whitnesseth that the grantor for good and valuable cobsideration now paid by the grantee to the grantor (the receipt whereof is hereby it acknowledged) doth grant, bargain, sell, alien, en(?)eoff, release, remise, convey and confirm upto the grantee, his heirs, and assigns forever an estate in fee simple; WHITEHORSE ALL AND SINGULAR that certain parcel or tract of land and premises , sisuate lying and being in the YukonTerritory moe particularly known and described as follows: TRACT NUMBERED C C 695511 compromising by admeasurement one square inch more or less as more particularly described in that certain subdivision plan ----私も苦労して公用証書を書いて公証人のところに持ち込み公文化してもらったことがあるが、電子メール時代には考えられない堅苦しさである。何で1955年にwhitnesses がwhitnessethだったりdoes がdothだったりするのだ。まるでShakespeareを読んでるみたいだ。日本でも明治時代に発効して現代も有効な法律文はこんな感じなんだろう。とても読みきれるものではないが、要点を記すと冒頭の趣旨が書かれている。裏面にはKLONDIKE社のシールに社長と会計士のサインが有って証書は終わっており、ご丁寧に土地からは砂金が出るようなイメージのイラストが添えられている。この証書今でも有効で私はカナダの一地主なのだろうか。一時月の土地が売り出されたことがあるが、あれはユーモアであることが証書に明記されていたと記憶している。ただ私がアメリカやカナダの田舎をドライブしたことのある1960年代には Make a stop to become landlord とかJust $14 for 1 Acreとか Make 15min stop for a big land と言った看板を良く見かけた。昨日整理した机の引き出しにこのふるい証書を発見し、一文をものした次第。忙中閑話