カテゴリ:俳句
食卓のケーキにべとり冬の蠅 季語:冬の蠅 冬の季語である「冬の蠅」は、弱ってはいるもののしぶとく生き延びる。 行動パターンは全盛期と大きく変わることはない。 ずうずうしく私たちにとまるし、恍惚の表情でべろべろと物を舐める。 飛ぶ気力も満々。 のんきに日向ぼっこしているからじっくり観察してみると、肌の艶もいい。 「冬の蠅」は哀れというよりも、そのしぶとさに感服させられる。 引用:加藤かな文「生と死、快と不快」『角川俳句12月号』 「冬の蠅」は曲亭馬琴が編纂し、幕末に藍亭青藍が補筆した「増補俳諧歳時記栞草」に季語として採用されている。 そこには余分な解説は無く、ただ『続虚栗』の中の其角の句「にくまれてながらへる人冬のはへ」を挙げているだけである。 「にくまれてながらへる」という叙述と「冬の蝿」を付けるのはいささかありきたりに過ぎるような感じがするが、確かに因業爺がいつまでも場所塞ぎをしているようなところを遺憾なく表している。 とにかく馬琴や青藍は、冬の蝿という季語を説明するに、この句があれば十分と判断したのであろう。 引用:大澤水牛「水牛歳時記」
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最終更新日
2020.12.19 16:07:28
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