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2007年08月17日
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カテゴリ:CD紹介

小沢健二 / 球体の奏でる音楽(1996年発表)

オーディオをいいものに買えたときに楽しみなのが,手持ちの古いCDをあれこれかけてみること。意外なものが良い録音だったりする。そんな1枚がこの「球体の奏でる音楽」。

小沢健二が名作LIFEの後に出したアルバム。「LIFE」に比べてジャズ色が強く,全体として地味で曲数も少なかったためあまり売れなかったはず。しかし「LIFE」はストレートなラブソングが多くやや聞く状況を選ぶのに対して,「球体の奏でる音楽」はBGMとしても聞け,月日を経るに従ってその良さがにじみ出てくるようなアルバム。

冒頭の存在感のあるベースが鳴った瞬間から,通常のポップスとは明らかに異なる録り方がなされていると感じる。バックの,ピアノの渋谷穀やベースの川端民生ら一流のジャズミュージシャン達のリラックスした演奏がとにかく心地良い。バンドのお遊びの音合わせをそのまま収録したような#3や#8からもスタジオの温かい雰囲気が伝わってくる。小沢健二はいつもの調子の歌い方で,下手にジャズボーカルっぽい歌い方をしていないところに好感が持てる。

01 ブルーの構図のブルース
02 大人になれば
03 Ale?
04 ホテルと嵐
05 すぐに会えるかな?
06 旅人たち
07 球体の奏でる音楽
08 みんなで練習を


R&B色を強めた次作のEclectic(2002年)やエレクトロニカの最新作Ecology of Everyday Life:毎日の環境学(2006年)も聞いたが,個人的には「LIFE」や「球体の奏でる音楽」ほどのオリジナリティは感じなかった。特に「Ecology of Everyday Life」は思い切ってボーカルレスに挑戦した意欲作で,気持ちの良い良くできたエレクトロニカなのだが,レイ・ハラカミやコーネリアスのように,小沢健二にしか出せない新しい音とは思えなかった。


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最終更新日  2008年05月20日 18時19分35秒
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