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2013年01月06日
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カテゴリ:ヘッドホン
前回物色したヘッドフォンアンプの中で気になったオルトフォン HD-Q7(約2万5千円)とレーマンオーディオ Rhinelander(約4万円強)だが,私にはなかなか実際に聴いてみる機会がない。そこで,ネット上からできるだけ情報を収集し,LINN MAJIK DS-Iのヘッドフォン出力からどの程度の改善が期待できるのか推測してみることにした。当然,買ってもいない人や業者のレビューも含まれているだろうから,あくまで参考程度に。

まず基準となるマランツ SA-15S1のヘッドフォン出力だが,解像度が高く繊細で中立的な音色という評価が多く,私も実際に聴いていてそのような印象がある。どちらかと言えば低域よりは高域の美しさが際立っている。機構的には「完全ディスクリート構成のヘッドホン出力回路」であるという。


ortofon HD-Q7の音色について,価格.comやAmazon,2chの「低価格でナイスなヘッドホンアンプ」では高音寄りだというレビューが目立つ:
・中高音が多少強調される音づくり
・高音よりで中高音にかけて伸びがある
・思っていた以上にキンキンした音
そのため,ヘッドフォンとの組み合わせについては低音寄りのヘッドホンと相性が良いという評価だ:
例えば同じオルトフォン、テクニカ系、ゼンハイザー、ソニー系、シュアー等はちょっと渇きすぎる、もしくは高域がピーキーな感じになったりするので使いにくいです。デノン、ウェストン、モンスター等は元々潤っていたり超低域寄りだったりするので、ただ低域がしまったり抜けが良くなったり高域が晴れやかになったりするので、好みはあるにせよ良い方向に進むと思います。
一方低域については「低音は薄めで、もりもり駆動するようなパワフルさは無い」が「量感は豊富ではないけど、超低音まで出てることは出てる」とのこと。またエージング後は「更に細かい音が鳴るように(鳴りきるように)なり一つ一つの音が、より引き締まり、より立体的に聞こえるようになってきた」という報告もある。いずれにしても,低域がしっかり出るMAJIK DS-Iとの相性は良さそう。

ただ,気になるのはノイズについての言及が目立つこと:
・感度の高いイヤフォンなどをつなぐと何にも鳴らしてなくてもノイズが出てるのがはっきり分かる
・ボリューム9時を過ぎたあたりから薄っすらとホワイトノイズ
・ボリュームを上げ下げするとき、微かにジジジという音
・切る時に、たまに結構大きめなポップノイズ
なかには,ホワイトノイズは「低インピーダンス、高感度のイヤホン等では聴く気になれないレベル」であり「ノイズや静電気対策等、詰めが甘い」と断じているものも。

デザインや造りについては「アルミ削り出しの重厚感」があるなど好意的なものが多い。確かにこちらの詳細写真(eイヤホンのスタッフレビュー)で見られるとおり,コンパクトで大変美しく,触り心地が良さそう。一方,電源の赤いランプが明るすぎると言う人や,ボリュームつまみが抜けてしまい仕方なく芯で調節している人もいた。

機構的にはどうか。オルトフォンジャパンに問い合わせた人によると,ortofon HD-Q7は「前段はオペアンプ,後段はディスクリート」だという。こちら(価格.comのクチコミ)で内部写真を上げてくださっている方がいる。

結論としては,デザインは魅力的でSA-15S1のヘッドフォン出力に迫る音質はありそうだが,それを遥かに超えた音質までは期待できそうにないか。


では,Lehmann audio Rhinelanderについてはどうか。やはりオーナーは少ないようだが,こちらの方によると「フラットでクール」な音質とのこと。しかもこの方はortofon HD-Q7も聴かれたことがあるようで,音の傾向は「オルトフォンHd-Q7と似てるが、駆動力とかは段違いで上」だという。「ゼンハイザーとかのヘッドフォンでもすっきり聴けると思うので、すっきりな傾向の音が好きな人には特にオススメ」ということで,MAJIK DS-IやHD580などとの相性も良いだろう。また,こちらの方は内部写真まで載せてレビューされている:
音が滑らかになってとても聴きやすいです。心地よくいつまでも聴いていたいような音ですね。特に癖も感じませんし、K702との相性も悪くないと思います。
ホワイトノイズは特に感じず,ギャングエラー(左右チャンネルの片寄り)やガリノイズもないとのことだが,前の方のレビューでは小音量で若干ギャングエラーがあったとのことで,このあたりは個体差があるのだろう。いずれにしても問題ないレベルのようだ。

造りも悪くないようだが,「価格を考えると安っぽすぎ」という意見も。音質を最優先したために「電源スイッチはなく、スイッチはミュートのみ」なので「必然的に電源は入れっぱなし」というのは,使い勝手においてはマイナス。実際には電源タップのスイッチなどで対処することになりそうだ。

機構的には,「Lehmann audioの代表モデルであるBlack Cube Linearの電源部を省略して外部に移し、アンプ部のデザインも簡略化を測ったもの」のようだ。そのBlack Cube Linearは「ゼログローバル・フィードバック設計のディスクリート・クラスA出力段」を持つようなので,Rhinelanderも同様だと考えられる。

結論としては,やはり古くからプロ用のヘッドフォンアンプを作ってきた老舗らしい確かな製品で,SA-15S1のヘッドフォン出力と同等かそれを上回る音質は十分に期待できるだろう。しかし,ここまで出すとなるとNmode X-HA1まで行きたくなるが・・・

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最終更新日  2013年01月06日 20時50分20秒
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