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カテゴリ:オペラ ライブ
フランツ・ウェルザー=メストの作り上げた最高の芸術です。オケ・歌手・美術が一体になって高め合う、そんな総合美に接しました。
1幕開くと白を基調にした元帥夫人の部屋。朝の明るい陽射しが射して、元帥夫人とオクタウ゛ィアンの二人の喜びを表す。幕がすすんでいき、元帥夫人のモノローグの頃は全体はセピアがかったライトになり、開け放たれた窓の格子は閉められ、最後は元帥夫人にスポットライトで1幕が終わる。これだけでも非常に美しい舞台。シュテンメの元帥夫人がまた美しい!カサロウ゛ァはなんと一本気の若い騎士か!すばらしいです。そして忘れてならないのはムフのオックス男爵、いやらしくならずどこか品があって舞台の雰囲気壊さない。テノール歌手が中国服着た箱に入った絡繰り人形という設定が、召使がみんなオリエント調ということもあってとてもおもしろい。ピョートル・ベチェーラが歌ったんですね!昨日のアルフレートよりずっといいです。 2幕はグリーンを基調として厨房が舞台!コックがうろうろしていて、こんなとこで銀のばらを渡して、オクタウ゛ィアンとゾフィーが恋に落ちるの?と思ったけど、見咎められてヤケになったオクタウ゛ィアンが厨房の刃物でオックス男爵に切り掛かるという伏線でした!大きなガラス窓の外を人が行き交い、裏で話の進行を伝えていくのもわかりやすい。騎士然とりりしいオクタウ゛ィアン・カサロウ゛ァはどんどんノッテいる感じ。しかし魅力的だったのはオックス男爵のアルフレッド・ムフ。響きのあるとても上品なバスが、落ちぶれたとは言え貴族の風格感じ、ドタバタした茶番にせず物語を引き締めているように感じます。嫌悪感感じる台詞言うのに最後はなんとなく憎めないという役作りがすばらしいです。 3幕は、料亭の場でなく、元帥夫人の部屋のセットに天蓋釣って屋外居酒屋気分。外気分出すため店員も子供たちも虫のメークやイメージなんだなあ。でもなんで元帥夫人の部屋に?天蓋には屏風を目隠しで置いて舞台回しにする、そして天蓋を倒したタイミングでオックス男爵への種明かしになる、さらにすぐ元帥夫人の部屋になることで、三人(元帥夫人・オクタウ゛ィアン・ゾフィー)の揺れ動く気持ち、決別と受入のイメージ効果を高めるんですね!三人の三重唱、そしてラスト愛を確かめ合うオクタウ゛ィアンとゾフィーの二重唱が美しくて泣けてきました。 カサロウ゛ァは春のソロコンサートの時は私はいまいちだったのですが、やっぱ今回はすばらしいですね。ゾフィーのマリン・ハリテリウスもオクタウ゛ィアンの過去を知った時の動揺、でも変えられない思いの表現がとてもよかったです。 そして昨日よりさらに充実したオケとそれを見事に操るウェルザー=メストに一番の称賛をあげなくてはいけないと思います。 たぶん来週日曜の最終にかけて、ますます評判になるでしょう。二日連続で満腹満足! 元帥夫人 ニーナ・シュテンメ オックス男爵 アルフレッド・ムフ オクタウ゛ィアン ウ゛ェッセリーナ・カサロウ゛ァ フォン・ファーニナル ロルフ・ハウンシュタイン ゾフィー マリン・ハリテリウス 指揮 フランツ・ウェルザー=メスト 演出 スウ゛ェン=エリック・ベヒトルフ チューリッヒ歌劇場管弦楽団・合唱団・エキストラ協会 平成19年9月2日 Bunkamuraオーチャードホールにて お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007年09月06日 12時17分38秒
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